投資家の目線

投資家の目線954(疲弊する地方経済)

 中華人民共和国がニシキゴイの輸入を停止する(「中国、ニシキゴイ輸入停止 処理水巡り対日圧力か」 2023/11/9 日本経済新聞電子版)。ニシキゴイの産地としては新潟県が有名だ。先頃は同国の日本産水産物の輸入禁止で北海道や青森産のホタテ輸出への影響が大きく報じられたが、青森県産のナマコや有明海産のビゼンクラゲにまで経済的痛手が拡大している(「ナマコ・クラゲに中国禁輸の逆波 値崩れで青森は漁自粛」 2023/11/7  日本経済新聞電子版)。福島第一原発の「汚染処理水」の海洋放出には太平洋諸島フォーラム参加国の中には強い懸念を示す国もあり(『福島第1原発処理水、一部首脳が「懸念」 太平洋島しょ国会議』 2023/11/10 日本経済新聞電子版)、海洋放出を懸念するのは中華人民共和国だけではない。ロシア政府による北方四島周辺海域での漁業協議が開かれないために出漁できないなど(投資家の目線952(不景気な話))、日本政府の政策が地方経済を疲弊させている。

 

追記:2023/11/17

エマニュエル駐日米国大使が、米軍が日本産水産物を購入すると発言した(『日本の水産物「米軍がまとめ買い」 駐日大使、中国対抗』 2023/10/31 日本経済新聞電子版)。だが万一、購入分だけ「思いやり予算」が増額されれば、日本政府が直接購入するのと変わらないだろう。

 

 中国人旅行客が回復せずに、地方の観光業はやっていけるのだろうか?欧米各国は中間層が没落している。ロシア上空を飛行できなくなったため、日欧間を結ぶ旅客機は以前より遠回りしなければならない。食料品高で日本も消費支出に対する食費の割合であるエンゲル係数が40年ぶりに26%を超えるまで上昇した(「食費が圧迫、細る家計 エンゲル係数40年ぶり26%超」 2023/10/20 日本経済新聞電子版)。現在の日本の家計に、旅行にかける余裕はそんなにはないように思うが…。

 

 東京は日本経済のハブである。しかし、地方経済の消失はスポークの先に何もなくなることを意味し、スポークの先がなくなれば東京のハブ機能を消失する。地方経済の消失は東京経済の消失も意味すると思うが、どうだろう?

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