投資家の目線

投資家の目線191(村上ファンド事件の高裁判決)

 2月3日、いわゆる村上ファンドのインサイダー取引疑惑事件の第二審判決があった。村上世彰被告は執行猶予処分になった。インサイダー情報となる重要事実に当たるかについて、東京高裁判決では「重要事実というには『ある程度の具体的な内容を持ち、実現を真摯(しんし)に意図していると判断されるものでなければならず、それ相応の実現可能性が必要』と述べた」(2009/2/4日本経済新聞朝刊)ことで、実務面の問題を考えれば、東京地裁判決の「実現可能性が全くない場合は除かれるが、可能性があれば足り、その高低は問題とはならない」より、少しはまともな考えになったように思う。
 また、「同ファンドの『もの言う株主」としての役割には一定の理解を示した』」という。顧客から預かった資産を1円でも多く増やすのがファンドマネジャーとしてのあり方だ。保有する株式を高く買ってくれるところを探さないのは、むしろ怠慢で受任者の信任義務に反するのではないだろうか?今回の量刑には関係ないが、よりよい出口を探す行為として、どこからが不正に当たるのだろうか?

 しかしインサイダー取引の要件がそうなると、件のサンエー・インターナショナルの当時の社長がインサイダー取引に当たるとされた事件は、課徴金を課される必要があったのだろうか?
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・厚生労働省が省令でかぜ薬等をインターネット販売することを禁止するそうだ。リスクがあるのも分かるが市販のかぜ薬を買うときにドラッグストアの店員に相談する人がどれだけいるのだろうか?それとも今までの店頭販売の仕方がよくなかったので、それも改善させるのだろうか?
・昨年、内定取消で話題となった日本綜合地所が2月5日に会社更生手続き開始を申し立てた。内定取消は企業の信用力を図る指標の1つとして考慮してもよさそうだ。
・2月8日の読売新聞社説は、「ネット暴力 「表現の自由」には責任が伴う」であった。読売新聞は一昨年秋の大連立報道の責任をいつ取るのだろうか?
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