投資家の目線

投資家の目線894(ロシアと経済協力、軍事協力する日本近隣のアジア諸国)

 インドネシアがロシア産石油の購入を検討している(『ロシア産石油の輸入は「選択肢」 インドネシア大統領』 2022/9/13 日本経済新聞WEB版)。インドネシアはロシアも加盟するユーラシア経済同盟とFTA交渉しているので、不思議なことではない。『ウクライナ産穀物「輸出先制限を」 プーチン氏が演説』 (2022/9/7 日本経済新聞WEB版)によれば、今月初めにウラジオストクで開催された東方経済フォーラムには、中国共産党序列3位の栗戦書(リー・ジャンシュー)全国人民代表大会常務委員長(リー氏は15日から大韓民国を訪問、大韓民国の尹大統領らと会談している(『尹大統領、習近平主席の訪韓を招請…「THAADが韓中関係の障害にならないように」』 2022/9/17 中央日報))やミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官、モンゴルのオユーンエルデンネ首相らが出席した。オンラインではマレーシアのイスマイルサブリ首相、ベトナムのファン・ミン・チン首相、インドのモディ首相が参加した(習近平主席とモディ首相は上海協力機構会合でプーチン大統領と会談した(『モディ首相「戦争の時でない」 プーチン氏に苦言』 2022/9/16 日本経済新聞WEB版)、また上海協力機構にはイランも加盟を予定している(「上海協力機構が共同宣言 イラン23年加盟、10カ国に」 2022/9/16 日本経済新聞WEB版))。

 

 ミャンマーはロシア産石油購入の支払いに(『ミャンマー国軍トップ、ロシア産燃油「数日中に到着」』 2022/9/7 日本経済新聞WEB版)、トルコはロシア産ガス購入の一部の支払いにルーブルを使用するようになる(「トルコ、ロシア産ガスで一部ルーブル払いへ 両首脳合意」 2022/9/17 日本経済新聞WEB版)。ロシア企業は人民幣建て債券を発行し(「ロシア企業、相次ぎ人民元建て債 米欧の制裁を回避」 2022/9/13 日本経済新聞WEB版)、決済等でUSダラーに頼らない経済に移行を始めている。

 

 同時期に極東で開催された合同軍事演習ボストーク2022には、中華人民共和国、インド、モンゴルだけでなくラオスも参加していた(「ロシア極東軍事演習、規模大幅縮小 ウクライナ侵攻の影響指摘」 2022/8/30 ロイター)。ウクライナでの民間人への攻撃停止等を求める国連総会決議では、朝鮮民主主義人民共和国は反対、ブルネイは棄権していた(『「民間人攻撃停止を」 国連総会決議採択 賛成140カ国』 2022/3/25 日本経済新聞)。また、カンボジアは上海協力機構の対話パートナーだ。アジア東部で孤立しているのは多極的世界秩序を唱えるロシアなのか?それとも欧米などとの「共通の価値観」(日本の保守派が本当に持っているとは到底思えないが)を唱える一極集中に固執する日本の方なのか?

 

 欧州ではエネルギー不足で、鉄鋼大手のアルセロール・ミタルがドイツの2拠点を閉鎖を発表し(「アルセロール・ミタル、ドイツの拠点2カ所閉鎖」 2022/9/3 ダウ・ジョーンズ(DJ)配信)、オランダではシャワーが5分に制限され(「【話題】「シャワーは5分」 エネ危機でオランダ政府が要請」 2022/9/14 DJ)、フランスではエッフェル塔の点灯終了時間が繰り上げられた(「パリのエッフェル塔、節電で点灯終了時間繰り上げへ」 2022/9/15 DJ)。日本も冬の電力供給がぎりぎりであることが当事者である電事連会長から明らかにされた(『電事連会長「冬の電力、安心できず」 予備率4%確保で』 2022/9/16 日本経済新聞WEB版)。ロシア制裁して自国をエネルギー危機、経済危機に陥らせるなんて、「先進国」と言われる国々の首脳は無能だらけだ。

 

追記:

2022/9/27

↓フィリピンもロシアから燃料調達(サハリンの天然ガスも含まれるかもしれない)を目指す。アジアでの日本の孤立ぶりが目立つ。

フィリピン、ロシアからの燃料輸入を目指す-国益優先と大統領(Bloomberg) 2022/9/24

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