投資家の目線

投資家の目線365(野田内閣改造など)

 先週、野田内閣の改造があった。TPP慎重派の鹿野農水相が交代したが、「中国人スパイ」問題はいい口実になっただろう。6月3日の日本経済新聞朝刊に掲載されたマイケル・グリーンCSIS日本部長の消費税増税やTPP加盟推進の圧力が効いたのかな?


 田代政弘検事の虚偽捜査報告書事件に関して指揮権発動を検討していた小川法相も交代した。元外交官で作家の孫崎享氏は2012/3/9のツィートで、米軍の有事駐留を提唱していた芦田均首相が、検事から政界を引退したら事件捜査の打ち切りの示唆を受けていたとしている(また、2012/2/10 MSN産経ニュース「【次代への名言】受難と復興の日誌編(66)」にも、昭電事件から派生した贈収賄事件で逮捕されたとき、『「私は私の行為が絶対に違法でないと確信している。私はこれから闘うのです」 …中略… その取り調べのさい、「穏便な方法」の見返りに「一時政界引退」を勧める検事に対し、そう答えた、と芦田は日記にしるしている』とある)。ここから検察が、事件と政治家の政治生命を取引してきたことが伺える。これでは、陸山会事件が「政治裁判」とみられても仕方がない。芦田元首相は谷垣自民党総裁の地元である福知山出身で、仙石民主党政調会長代行は田中元首相逮捕時の三木首相と同じ徳島の人だ。因縁を感じるなあ。


 東京都の、尖閣の一部の島の購入問題に関して、丹羽駐中国大使がFT紙に「実行されれば日中関係に重大な危機をもたらすことになり、両国の数十年にわたる友好関係が水の泡になる」(2012/6/9サーチナ「外務省が丹羽中国大使を注意 尖閣諸島の購入反対発言で」)と語ったことが問題視されている。しかし、米国という力の後ろ盾もなく(参考:2012/5/30 WSJ日本版 JAPAN REAL TIME 『中国は「強盗」、米国は「頼りにならない」=石原都知事が特派員協会で講演』)、購入を強行しようとする石原知事らの動きに関して懸念を持つのは当然であろう。
 石原知事側は、米軍の射爆撃場になっている久場島も購入対象に加えることで米国を巻き込もうとする計画なのかもしれない。しかし、人民解放軍が魚釣島など久場島以外の島に駐留した場合、石原知事らにはお灸をすえるが、米国の権益には配慮するというメッセージになる。そのとき米国は口先だけの非難でお茶を濁すことになると思うが・・・。


 ズビグニュー・ブレジンスキー著「Strategic Vision」には日米中の協力的三角形を作り上げることが提唱されているが、事態はそちらのほうには向かっていない。なお、同氏の長男マーク・ブレジンスキー氏は2008年の選挙のときオバマ陣営の外交政策顧問で、現在は韓国の哨戒艇沈没事件の合同調査委員会に参加したり、ウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏の性犯罪事件の発端となったりしたスウェーデンの大使に就任している。

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・6月8日(金)の夕方、原発再稼動の抗議に首相官邸周辺に約4,000人が集まったという。平日だというのに、ずいぶん集まったものだ。2012/6/10日本経済新聞朝刊には「官邸の過剰介入で混乱、国会原発事故調、論点整理で指摘。」の記事が。経済界とのつながりが深い同紙は、制度上の問題ではなく、官邸の責任にしたいらしい。まあ、そういうことにしなければ制度をそのままにしたままの原発再稼動は説明がつかなくなる。2012/6/9の朝刊の日経・CSISバーチャル・シンクタンクの提言では、原子力事業者に無限の賠償責任を課す現行の原子力損害賠償法を改める、「原発事故の賠償制度を見直し、補償のあり方を再検討すべきだ」という提案もされている。日経の姿勢は、CSISの影響もあるのだろう。菅前首相の国会事故調のUstreamを見たが、菅氏は大変真っ当な発言をしていた。

 また福岡県北九州市での震災ガレキ受け入れの説明会では、『小倉北区の会場には、市が事前に参加を要請した地元自治会の約160人が優先して入場。収容しきれなかった区民ら約30人が会場からあふれ、北橋市長は「地元中心にと(思って)自治会に相談した。今後の運営を工夫する」と述べた』(2012/6/9日本経済新聞朝刊西部社会面)。これって、北九州市主導のヤラセ説明会じゃないの?

・警視庁高島平署の警部補も虚偽捜査報告書を作成(2012/6/9日本経済新聞朝刊 「警視庁、不祥事相次ぐ、虚偽の捜査報告書作成、容疑の警部補を書類送検。」)。検察も警察も虚偽報告書だらけ。
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