投資家の目線

投資家の目線743(ベルリンも家賃高騰)

 ドイツのベルリン市が、5年間の家賃引き上げ禁止などを含む「家賃上限法」を決定した。「しかし最近は世界中からの投資・投機資金の流入で家賃が急騰。08年から2倍以上に値上がりしました。古い住宅を改装して高い家賃で貸すことが流行しており、高齢者が家賃を払えず住み続けられなくなるケースが増えています」(『ベルリン 家賃高騰待った/10年で2倍超に 「上限法」決定』 2019/10/25 しんぶん赤旗)というが、移民問題も含めた人口増加があるのだろう。2年前のものだが、「統一ドイツの首都として再整備される中で人口は増え続け、現在はおよそ350万人が生活している。ここ2年は年間5万人に到達しようかという勢いで人口が増えている」(「ベルリンの人口推移/新空港」 2017/11/16 WINDGATE GERMANY BLOG)と、人口増加を伝えている。

 賃貸人保護のための法整備は、イングランド(「イングランドで賃借人を保護する新法が施行」 2019/6/7 ジェトロ、ビジネス短信)、米国のサンフランシスコ市(週刊エコノミスト2018/11/27号「サンフランシスコ 強まる民泊への規制 背景に家賃高騰」 ジャーナリスト瀧口範子)でも見られた。2013~14年は人口が純増していたサンフランシスコ市では、住宅価格の高騰が既に人口流出の原因にまでなっている(「サンフランシスコ見舞う人口流出、成長持続に疑問符 住宅価格高騰で、荷物まとめて逃げ出す住民」 2018年3月23日 Nour Malas and Paul Overberg WSJ日本語版)。住宅問題で悩む両国でブレグジット、アメリカ・ファーストのような国民国家再建の動きが出ているが、ドイツでも似たような動きが出てくるのではないだろうか?

 今年台風19号の武蔵小杉の水害は、「多摩川の氾濫には至らなかったが、降水量増加で排水能力がキャパオーバーとなったことが原因だった」(「ルポ武蔵小杉、憧れの街を襲った水害の爪痕/不便な状況続き、全面復旧はまだ先か」 2019/10/18 森川郁子 東洋経済)という。平時にはちゃんと機能しているインフラストラクチャーも、非常時には弱かったようだ。各地で都市への人口集中による弊害がみられるようになってきた。日本でも地方におカネを回して人々がその土地で暮らせるようにし、人口の分散を考える必要があるのではないだろうか。

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