大学を卒業して初めての夏、地元へ戻って就職した仲間と伊吹山登山をした。
夜集合し、登山を始める。
そう、山頂でご来光を拝むのだ。
始めは威勢よく登りはじめるも、次第に皆、無口になってくる。
そんなみんなを理事長が励ます。
「山頂に着いたらご来光拝みながらすき焼きを食おう!僕、一式持ってきたんや。」
我らがリーダー、理事長の声にみんな奮い立つ。
そうだ、何故山に登るのか?
そこに山があるから、などという美しいものではなく、すき焼きが食べたいの一心でみんなワッセワッセとターボ全開になり山頂を目指した。
いよいよ山頂へ。自分の足で登りきったのだ、という達成感、それを讃えてくれるかの如く光り輝く朝日、こぼれる笑顔、額の汗…
心地良い山頂の冷たい空気が私たちを包む…
さあ、いざ、すき焼き、とみんなが思ったのとほぼ同時に理事長が「あ゛ーッッ」と断末魔のような叫び声をあげた。
みんなが駆け寄る。
「理事長ッどうしたんッ」
彼はつぶやいた。
「肉忘れた…」
夜集合し、登山を始める。
そう、山頂でご来光を拝むのだ。
始めは威勢よく登りはじめるも、次第に皆、無口になってくる。
そんなみんなを理事長が励ます。
「山頂に着いたらご来光拝みながらすき焼きを食おう!僕、一式持ってきたんや。」
我らがリーダー、理事長の声にみんな奮い立つ。
そうだ、何故山に登るのか?
そこに山があるから、などという美しいものではなく、すき焼きが食べたいの一心でみんなワッセワッセとターボ全開になり山頂を目指した。
いよいよ山頂へ。自分の足で登りきったのだ、という達成感、それを讃えてくれるかの如く光り輝く朝日、こぼれる笑顔、額の汗…
心地良い山頂の冷たい空気が私たちを包む…
さあ、いざ、すき焼き、とみんなが思ったのとほぼ同時に理事長が「あ゛ーッッ」と断末魔のような叫び声をあげた。
みんなが駆け寄る。
「理事長ッどうしたんッ」
彼はつぶやいた。
「肉忘れた…」