最強のジジキラー

2008年09月14日 15時21分01秒 | Weblog
なぜか,昔からうんと年上の男性にモテる。
それもちょっとやそっとの年上ではなく,
どう見ても,

「おじいちゃん」

にさしかかったような人ばかりである。

同世代や,その前後の,いわゆる恋愛対象の年代のかたには
とんとモテない。
これは,私の生来の「オッサン」気質のためか。

例えば,私と夫が月極めで借りている駐車場の管理人のじいちゃん。
夫が私の分もまとめて駐車代を入金に行くと

「ほー,アンタがあさひさんのダンナさん,ほー。」

と,いつも言い,ジロジロ見るらしい。
そして,挙句の果てには,

「あさひさんにも,入金に来てもらってよ。」
と,のたまうらしい。

「オレが行ったらアカンのかッ」

と,夫は苦笑していた。

また,職場近くの和食屋のマスターのじいちゃん。
通りかかるたびに,にっこりと微笑みかけてくれ,

「ワシがもうちょっと若かったら,アンタを嫁さんにしたいわ。」

と,白昼堂々のプロポーズ。

・・・あの,読者のみなさん,これ,全部,60~70歳代のおじいさまばっかり
ですからね・・・

そんなジジキラーの私は,このようなことの枚挙に暇がないのだが,
その中でも,最強のエピソードが次のようなものである。

大学生時代,大阪で暮していた。
友人のYと,なぜそういうことになったかは忘れたが,
憂歌団のライブに行こうということになった。
前もってチケットをとっていたわけでなく,
思い付きだったような気がする。

憂歌団とは,大阪を中心に活躍するブルースバンドで,
Yも私も割と好きでよく聴いていた。

そのライブが行われるホールの前で待ち合わせて,
一緒に当日券を買おう,という約束になっていた。

地下鉄を降りそのホールへと向かう途中,
あるおじいさんが私ににっこりと微笑みかけ,話しかけてきた。

「あのー,お嬢さん,○○ホールへは,どう行ったらええんですやろ?」

○○ホールは,今,まさしく私が向かおうとしているところだった。
へー,憂歌団のライブ以外にも
今日はこんなおじいちゃんが参加する
ようなイベントを別部屋でやってるのかー,と思い,

「あ,私も今から行くところですから,一緒に行きましょう。」

と連れだって○○ホールへと向かった。

じいちゃんは大層喜び,ニコニコと笑いながらついてきた。
とても善良そうな人でたわいもない話が弾んだ。

ほどなくして,○○ホールへと到着。

「じゃ,おじいちゃん,またね。」

と,別れようとすると,そのじいちゃんは,

「あ,お嬢さん,今から憂歌団のライブですか?
それだったら,このチケットをどうぞ。
親切にしていただいたお礼です。」

とチケットを差し出してきた。

「えーッ!おじいちゃんも憂歌団のライブへいらしたんですかー!」

とビックリする私に,そのじいちゃんは,

「ワシ,憂歌団のボーカルの木村の父親ですねん。」

と言い放った!!!

かくして,私とYはじいちゃんからタダ券をせしめ,
まわりは憂歌団の家族ばっかりという,
すんごい席でライブを堪能したのである。

Yは
「あさひちゃんのじいさん吸引力,凄すぎるわ・・・」
と,感嘆しまくっていた。

Yよ、じいちゃんを吸引しても,
その一件以外には何一つとしていいことないぞ?
いや、その一件だけでも、ものすごいエピソードトークにはなってるね。
これでいいのだ。


コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする