一年ぶりにレンタカーを借りた。ひと月前だったが、旅行需要の回復で、コンパクトカーに空きがなく、ひとつ上のクラスを予約した。当日、レンタカーの営業所に用意してあったのは、MAZDA3(ファーストバック)、初めて乗る車である。3ナンバーで、見た感じは、幅広、ロングノーズで、リヤはどん詰まり、車両感覚が掴みにくそうという印象。
シートに座って、まず、感じたのは、着座位置が低い(地面に近い)こと、サイドラインが切れ上がっていて、後方の視界が悪い(窓の面積が狭く、ピラーの幅が広い)ということ。バック駐車は避けようと思った。
馴染みのない土地で、レンタカーを借りて、最初に行うことは、最初の目的地をカーナビに設定することである。カーナビの画面はダッシュボード上にあるのだが、画面は小さく、しかも体をシートから起こさないとタッチできない位遠い(ここで嫌な予感)。
目的地の検索のためには、カーナビのメニュー画面を出す必要があるが、表示されている画面には、それらしいボタンは無い。試しに画面をタッチしても(タッチ式パネルだと思った)、何の変化もない。室内を探索すると、センターコンソールに、以下のスイッチらしきものがあることに気がついた(以下の図は、MAZDA3のカーナビ説明書より引用)。
押したり、回したりしているうちに、次の画面(ヨコ幅はまあまあだが、タテは狭い)を出すことに成功した。
この時点で、コマンダーノブを回すと選択位置の変更ができ、押すと選択の実行ができることに気がついた。「フリーワード検索」を選択、実行すると、「入力」画面に切り替わり、50音図(以下)が表示された。ここで、いつものように、画面の50音図をタッチしても「かな」を選ぶことができない(まだ、タッチ式パネルだと思ってる)。しばし試行錯誤した。なんと、ここもコマンダーノブで選択するのである。ノブを回して、「あ行」や「か行」を選択、ノブを押して、例えば「あ行」に決定し、また、ノブを回して、「い」や「う」を選択、ノブを押して、目的の文字を決定するのである。
さて、これで何とか目的地の入力まではできた。しかし、関門はまだまだあった。入力は未確定のままで、確定する方法が不明である。画面上には、「確定」という表示は無い。それらしいものを探すと「✔」(右下スミ)があった。試しに選択すると、「確定」された(なぜ「確定」と表示しないのか)。確定した後は、画面の右にいくつかの候補がリスト表示された状態になる。これを、コマンダーノブを回して選択しようとするとできない。これが、最後の難題であった。実は、コマンダーノブを、右にずらすように押すと、候補の選択画面に切り替わるのであるが、最悪なのは、左にずらすように押すと、入力を保存せずに「戻る」なのである。つまり、入力のやり直しになるのである。これが分かるまで、何回も入力をやり直しさせられた(普通、怒ります)。
無事、目的地を入力し終わって、「ここに行く」を選択するまで、約30分かかった。
あとで、説明書を見たところ、コマンダーノブの表面はタッチパッドになっていて、スマホと同じような操作ができるとか(ただし、50音図の選択は切り替えが必要)。また、音声認識機能もあるんだとか(たぶん、説明書を読んでも使いこなせない)。
MAZDA3については、他にも、電子式のパーキングブレーキが効いているのか効いているいないのか分からない、斜め後ろが死角で見えず、駐車場でバック中に警笛を鳴らされた、バックモニタの表示がデフォルメされていて、実際に目で確認しないと信用できない、ヘッドアップディスプレイの速度表示がチラチラして鬱陶しい、カーナビの表示がアバウト過ぎて、鋭角になっている中央分離帯のある広い4車線の左折で、逆行車線に入り込みそうになった(普通に曲がったら対向車がいた)、など。とにかく、もう2度と「借りたくない車」という印象であった。
MAZDA3が好きで、説明書を読み込んで、愛車にしようと思っている人に良いかもしれないが、一見で説明書など読めずに利用するレンタカーには向いていない車だと思った。
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