画像は 八尾の町屋 クリックすると大きな画像が表示されます。
ローコスト住宅専門のメーカーの宣伝文句や、テレビ番組の内容を鵜呑みにしている? と思うような設計者募集のコンペを見かけることがあります。
ローコスト住宅について私の考えを書きました。
私はクライアントの願いをできるだけ叶えることができるように・・・と、頭の中に、優先順位をつけながら設計図をスケッチします。
ホームページにも書きましたが住宅建築で一番大切なことは「安心・安全」そして「快適」です。
安心して暮らせる器(しっかりした地盤の上に建ち、シックハウス問題、強度等の心配が無いこと)
快適な住環境(厳しい天候や季節、その他の外部環境から守るために屋根、壁、基礎や開口部などの適切な仕様(高断熱、高気密など)
クライアントの願望をさらに載せます。直ぐに住める状態で完成です。
クライアントの要望と、経験から推察するコストを(構造、材料、広さ、仕様、グレードなどの面から)検討しながらプランを作り上げていきます。
プラン、基本計画を経て、さらに何ヶ月も要して、クライアントと打ち合わせしながら実施設計図が完成すると(構造や規模に違いはありますがA2サイズで30~100枚ほど)数社の施工業者に見積もり合わせの参加を依頼し、見積書を出してもらいます。
各社の見積書と図面を付き合わせ、値段や単価などを比べます。
施工業者の得手不得手、そのときの状況、条件などにより、時には4割以上も見積り金額の差が出ることがあります。(例えば同じ住宅に対して、最低価格が3000万円と出す施工会社もあれば4200万円の値段が出てくる会社もあります!)
見積り合せでは、安い価格が提示されたからとそこに決定するわけではありません。安けりゃいいじゃないかと思われるかもしれませんが、安い理由が不明なまま発注すると、後のトラブルの元となります。長年の経験で、タダほど高いものは無いのです。
そして業者をあらかた絞り、クライアントの予算額を睨みながら、見積もり金額、設計図を見直し、業者と何度も知恵を絞って、クライアントの希望に添えるよう、叶うように検討します。
この作業は2,3ヶ月掛かることもあります。
この工程を業者に全て公開するわけではなく、設計者の細心の注意と交渉テクニックが必要になってきます。クライアントには解らないことや見えない部分も多く、クライアントとの信頼関係が絶対条件です。これが無ければ成しえないことです。
そして、施工業者に対しても同じことが言えると思います。クライアントと設計者の本気によって、よりコスト削減の工夫に熱が入ると言えるでしょう。
長い文章になりましたが、このように三者間の信頼関係と、互いの合理的な利益の結果が、クライアントの予算が有効に生かされた良い家、すなわち私の考えているローコスト建築、ローコスト住宅です。
時間と手間がかかるけれど、良い家に暮す喜び、充実感はあなたのものです。