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10月20日の礼拝の内容です。

2024-10-19 16:36:00 | 日記
10月20日の礼拝の内容です。讃美歌は、83.394.484.504.27です。教会創立136周年記念日です。
オンラインのアドレスはhttps://youtube.com/live/K6zEsUvE7g0?feature=shareです。

説教     ヨハネ4:7~15「永遠の命に至る水」    2024.10.20

 週報を見てください。日本基督教団瀬戸永泉教会、1888年10月20日創立と書かれてあります。今日は、2024年10月20日ですから、教会創立136周年となります。私たちの教会は、瀬戸教会ではなくて、瀬戸永泉教会となっています。永泉が入っています。この意味を現す聖書の箇所が、ヨハネ4:14です。先人たちが、この瀬戸永泉教会に込めた意味を考えていきたいと思います。ここでキーワードになるのが「水」だと考えます。

 私たちが水を考える時、豊かな水が身近にあり、水道から溢れるばかりの水が出てきます。また、お風呂も沸かして、ゆったりと入ることができています。水に関して不自由を感じることはない生活をしています。9月の後半に、能登地方を中心に大雨の被害がありました。先日、輪島市に行った時に、水害のすごさに驚きました。普段は、小さな川だったのが、大雨の影響で、水があふれて洪水が起り、大きな被害がありました。泥出しをしている時に、その日はとても暑い日でした。少しの時間でも重い泥を片付けている時に、大汗をかいてしまいました。休憩時間に水を飲んで、本当に生き返りました。水の有難さを深く感じたのです。今から、136年前の瀬戸地域の人々の水の事情はどのようなものだったのでしょうか。今のように水道があり、自由に水を飲むことができる状態ではなかったと想像します。私の勝手な想像です。間違っていたらすみません。

 話は、ヨハネによる福音書に入っていきます。この聖書の箇所は、「イエスとサマリアの女」という題になっています。イエス様の活動が進んでいきました。すると、洗礼者ヨハネより、イエス様の弟子たちが多くいるという話がファリサイ派の人々の耳に入っていったということです。イエス様はファリサイ派の人々からの攻撃を受けることになることを思いました。直接の戦いは、まだ早かったのです。それで、イエス様はユダヤ地方からガリラヤ地方に逃れていきます。その途中で、サマリア地方を通ることになりました。ここで、イエス様はサマリアの女性と出会うのです。この聖書の箇所全体を読んでいきますと、イエス様によるサマリア人伝道の様子が書かれてあるのです。1人のサマリアの女性を通して、サマリア人伝道とつながっていくのです。

イエス様はユダヤを去り、ガリラヤに行かれます。しかし、サマリアを通らねばならなかったとあります。それで、ヤコブがその子ヨセフに与えた土地の近くにある、シカルというサマリアの町に来られました。そこにはヤコブの井戸がありました。イエス様は旅に疲れて、そのまま井戸に座っておられました。正午のことでした。弟子たちは食べ物を買いに町に行っていました。そこにサマリアの女性が水を汲みに来ました。当時は、水汲みは女性の仕事だったといわれています。それは普通、朝に行われていたのです。ところが、この女性は熱い正午のころに水を汲みにやって来たのです。このサマリアの女性の境遇は、ヨハネ4:17~18「5人の夫がいたが、今連れ添っているのは夫ではない」というものです。この女性の置かれた環境が、他の人々の目を避けて生きていた。朝、水汲みに行くのを避けていたから、正午に1人で水汲みにやって来たということです。

イエス様とサマリアの女性の間には、いろいろな課題がありました。イエス様はユダヤ人であり、この女性はサマリア人でした。ユダヤ人とサマリア人は当時、交際していなかったのです。もともとは同じユダヤ人でした。しかし、昔にアッシリアが北イスラエルを攻めて来た時に、移住政策と混血政策のために、北イスラエルのいたユダヤ人たちは異邦人と混血するようになってしまいました。南のユダも後にバビロニアによって滅ぼされまして、捕囚という厳しい状況にありましたが、ユダヤ人の純血を守ることができました。南のユダヤ人は北のユダヤ人をサマリア人と呼んで、混血のために汚れているとして交際しないことになってしまったのです。また、当時の社会は男性中心社会でした。外で男性が女性に話しかけることはなかったというのです。そのような社会的な壁はありましたが、イエス様はそれを乗り越えて、このサマリアの女性に声をかけるです。

ヤコブの井戸に、このサマリアの女性が水を汲みに来ました。イエス様は「水を飲ませてください」と、この女性に声をかけたのです。すると、サマリアの女性は「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしに、どうして水を飲ませてほしいと頼むのですか」と聞きました。イエス様は「もし、あなたが神の賜物を知っており、また、水を飲ませてくださいといった者が誰であるか知っておれば、あなたの方からその人に頼み、その人はあなたに生きた水を与えたであろう」と、答えています。女性は「主よ、あなたはくむ物をお持ちでないし、井戸は深いのです。どこからその生きた水を手に入れるのですか。あなたはわたしたちの父ヤコブより偉いのですか。ヤコブがこの井戸をわたしたちに与え、ヤコブ自身もその子どもや家畜もこの井戸から飲んだのです」と答えます。

そして、イエス様は「この水を飲む者は誰でもまた渇く。しかし、わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水が湧き出る」と答えています。すると女性は「主よ、渇くことのないように、また、ここに汲みに来なくてもいいように、その水をください」と願っています。イエス様とこのサマリアの女性の会話は続きます。やがて、弟子たちが帰って来ます。すると、この女性は水がめをそこに置いたまま町に行き、町の人々にいうのです。「さあ、見に来てください。わたしが行ったことをすべて言い当てた人がいます。もしかしたら、この方がメシアかもしれません」と。サマリアの人々は町を出て、イエス様のもとにやって来るのです。

さて、その町の多くのサマリア人は「この方が、わたしの行ったことをすべて言い当てました。」と証言したこの女性の言葉によって、イエス様を信じるのです。そこで、このサマリア人たちはイエス様のもとにやって来て、自分たちのところに留まるようにと頼んでいます。イエス様は2日間滞在されます。そして、更に多くの人々が、イエス様の言葉を聞いて信じていくのです。このように、イエス様によるサマリア人伝道がなされているのです。そのきっかけは、この一人のサマリアの女性です。この女性は、正午に水汲みにやって来ました。それは人々に会うことを避けるためでした。しかし、イエス様との出会いによって、この女性は変えられていくのです。自分が、ヤコブの井戸に来た意味を忘れて、水がめを置いて、町に帰って行き、人々にイエス様のことを伝えていくのです。

この一人のサマリア人の女性を通して、イエス様によるサマリア人伝道がなされていきました。当時のユダヤ人とサマリア人の状況がありながら、その壁を乗り越えていくのです。さて、これからイエス様がこの女性にいわれた言葉の意味を考えていきたいと思います。ヤコブの井戸、この井戸から多くの人々が、その水によって命をつないでいくことができました。井戸があること、水があることは、人々の命に関わる問題になっています。水があることによって、人々はそこで生きることができるのです。水がなければ、人々はそこで生きていくことができなくなるのです。イエス様は、まず人々が飲む水をいいました。この水を飲む者はだれでも渇くと、その通りです。絶えず、私たちは水が必要なのです。飲んでもまた、渇きを覚え、水を飲んでいきます、こうして、生きていくのです。

これからはイエス様が与える水のことをいっています。しかし、わたしの与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水が湧き出ると。水は必要です。私たちが生きるために必ず必要です。では、永遠の命に至る水はどうでしょうか。イエス様が与えてくださる命の水、それは、私たちが永遠の命に至る水です。

いつもいうことですが、私たちは生きています。生きている者は、いつかは死を迎えることになります。私は毎週木曜日の午後に、ホスピスに行き、チャプレンとしての働きをしています。本当に死を前にした人と話します。又は、その家族と話します。ずっとその方が話すことを聞き尽くすのです。今まで、自分がどのように生きてきたのかを振り返るのです。自分のこと、親の子と、兄弟のこと、友人のこと、いろいろな良い思いでもあります。後悔が残っていることもあります。そして、その時がやって来ます。人の死、自分の死を、私たちは受け止めることができるのでしょうか。

そこにイエス・キリストの福音がある。イエス様が語る永遠の命に至る水がある。きっと大きな慰めになるのです。私たちの先にある死、そして、その先にある復活の命、永遠の命、イエス様にある希望があります。その永遠の命の水があることを、私たちの教会は、伝えていくのです。

祈り 神よ。私たちの教会は創立136周年を迎えることができました。長い日々を、あなたが守ってくださり、導いてくださったことを心から感謝します。今、教会を巡る様々な困難を抱えています。でも、教会をあなたが導いてくださることを信じています。イエス・キリストの永遠の命の至る水のことを伝えることを、あなたから託されています。私たちの瀬戸永泉教会を通して、神から与えられる永遠の命に至る水があることを、伝えていくことができますように導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。



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