11月17日の礼拝の内容です。讃美歌は、194.361.405.471.29です。
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礼拝説教 使徒13:1~3「伝道旅行へ出発する」 2024.11.17
使徒言行録を読んでいます。使徒言行録は初めての教会の歩み、キリスト教の初期の時代を書いています。エルサレムから始まったイエス・キリストの福音がローマまで達していくのです。
使徒1:8
あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリア全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。
このイエス様の言葉が実際に実現していくことになっていきます。今日の使徒言行録13:1~3は、大きな変化が起きているのです。使徒言行録1章~12章は、イエス・キリストの福音がユダヤ人に語られています。ペトロを中心にその働きがエルサレム教会を中心に展開していました。そして、使徒言行録13章からはアンティオキア教会中心になって、異邦人伝道が展開されていきます。その中心になるのがパウロです。パウロによって、第3回に渡る伝道旅行が行われます。そして、パウロは囚人としてローマまでいくことになります。そこで、使徒言行録は終っています。パウロがローマに行く前にすでに、イエス・キリストの教会は存在していました。パウロの前に、無名のキリスト者によって、ローマにイエス・キリストの福音は伝えられていたのです。
私は、キリスト教の伝道の発展を見ると、このパウロの働きは大きいものがあると思っています。3回に渡る伝道旅行、パウロが中心として展開していきますので、パウロの計画によるのかなあと考えてしまいますが、そうではありません。その伝道の旅行のきっかけになったことが、今日の聖書の箇所に書かれてあるのです。
これからの異邦人伝道の拠点となっていくのが、アンティオキア教会です。この教会がどのようにできていったのかを初めに見ていきましょう。そのことが使徒11:19~26までに書かれてあります。ステファノの殉教があって、多くのキリスト者はエルサレムからユダヤやサマリアに逃げて行きました。逃げて行く先々で、キリスト者は、イエス・キリストの福音を伝えていきました。でも、多くがユダヤ人に対してでした。ところが、キプロス島やキレネから来たユダヤ人キリスト者は、ユダヤ人だけではなく、ギリシア語を話す人々、異邦人にも語りかけていったのです。イエス・キリストの福音を、異邦人でも伝えていきました。ここでは無名のキリスト者といってもいいと思います。主がこの人々を助けたので、異邦人も信じて、主に立ち帰った人々は多かったのです。このキプロス島やキレネから来た人々が、異邦人にイエス・キリストの福音を伝えていったのです。こうしてアンティオキア教会が誕生していくのです。アンティオキアに異邦人の教会が誕生したことは、噂としてエルサレム教会に伝わっていきました。教会はバルナバを派遣するのです。バルナバはもともとキプロス島出身だったので、またその性格ももってふさわしい人物でした。
バルナバがアンティオキアにある教会に到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めていきました。バルナバによって更に多くの人々が主に導かれていきました。この時に、バルナバはパウロを捜しにタルソスまで行き、見つけ出してアンティオキアに連れ帰っていきます。こうしてバルナバとパウロによって、丸1年間、その教会に仕え、多くの人々に教えていきました。バルナバがパウロを見い出したことが分かります。アンティオキア教会はできてまもないのですが、神によって祝福されて多くの人々が加わっていきました。使徒13章の初めには、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、パウロなど、預言する者や教師たちがいたのです
アンティオキア教会の人々が主を礼拝し、断食をしていますと、聖霊が告げるのです。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって2人に決めておいた仕事にあたらせなるために」と。そこで、教会の人々は断食して祈り、2人の上に手を置いて出発させるのです。こうして、第1回伝道旅行が始まっていきます。このようにして、伝道旅行はパウロの働きになっていきますが、その初めは聖霊の導きによっているのです。このことを忘れてはいけないと思います。この使徒言行録全体を導いてくださっているのは聖霊です。この聖霊が、バルナバとサウロに伝道旅行に出発せよと命じています。その間に、アンティオキア教会があるのです。聖霊は、このアンティオキア教会を通して、2人を派遣していきます。これからは、異邦人伝道が、この伝道旅行によって本格的な活動が展開されていきます。
ここから少し流れが変わることを許してください。アンティオキア教会の中に、キレネ人のルキオの名前が出ています。私は、このキレネ人のルキオに注目していきたいと思います。アンティオキア教会の創立に関わったのが、クレネから来た人々であると書かれてありました。このクレネ人というと次のように聖書の箇所を思い出すのです。
マルコ15:21
そこへ、アレクサンドロとルフォスとの父でシモンというキレネ人が、田舎から出て来て通りかかったので、兵士たちはイエスの十字架を無理やり担がせた。
この場面は、イエス様が十字架を担いで、ゴルゴタの丘までいくものです。途中で、イエス様は十字架の重荷で倒れてしまいます。そこで、たまたま通りかかったキレネ人のシモンに、兵士たちが無理やりに、十字架を担がせたというものです。シモンにしてみればたまらないものです。どうして、自分がという思いだったでしょう。ただ、その後のシモンのことについては、聖書は何も書いていません。ただ、マルコではアレクサンドロとルフォスの父と書いています。だから、シモンは後に、教会の群れに加わったと考えることができます。キレネ人のシモンは、自分自身も、イエス・キリストを信じ、教会に加わり、そして自分だけでなく、家族もイエス・キリストを信じて、教会に加わった。だから、アレクサンドロとルフォスの名前が出ていると考えます。
更に、このキレネ人のシモンを通して、多くのキレネ人がイエス・キリストの信仰に入り、教会に加わったと想像することができると思います。その流れは、この使徒言行録の、アンティオキア教会の創立に関わったキレネ人と、その後のキレネ人のルキオにつながっていったと思うのです。キレネ人のシモンが、たまたま、イエス様の十字架を担いでいて、倒れた場面に出会って、その後の展開が起っているのです。この出会いを、偶然なこと、たまたまなこととして受け止めることもできます。しかし、この出会いが、その後のキレネ人の伝道の大きな役割を果たしていくことを私たちはみることができました。このことをどのように考えればいいのでしょうか。使徒言行録を読みながら、伝道者としてペトロやパウロなど活躍をみることができます。彼らによって、イエス・キリストの伝道はなされていくのですが、もちろん、大きな導き手は聖霊であることも確信をしました。また、無名のキリスト者の話をもしました。キレネ人のシモンを通して、多くの関係者が救われ、教会に加わり、目には見えませんが、いろいろなところで活躍をしていることを知ることができました。
それでは、このようなことが私たちにどのような関りとして受け止めることができるのでしょうか。それは、最初の使徒言行録の聖句に戻ります。使徒1:8のみ言葉です。「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリア全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」更に、私たちは礼拝の後で、祝祷を受けます。これは、次の聖句から来ています。
2コリント13:13
主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがた一同と共にあるように。
私たちの家はそれぞれあります。また、キリスト教の信仰によれば、教会が私たちの家と考えることもできます。私たちは教会から、この祝祷によって、それぞれの場所に押し出されていくのです。伝道者としてです。広い意味で、私たち1人1人が伝道者として召されているのです。自分たちができる伝道が求められています。神の導きを祈りましょう。
祈り 神よ。あなたを礼拝することができましたことを心から感謝します。私たち1人1人は、実は伝道者として導かれていることを知りました。私たちができる伝道をということを教えてください。それぞれの場で神の栄光を現すことができますように、守り導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
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