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祈祷会 ルツ記4章「タマルからルツへ」 2025.2.19
ルツ記も最後の4章となりました。ルツはモアブの女性でした。ルツの姑のナオミはもともとユダのベツレヘムに住んでいました。夫エリメレクと2人の息子がいました。ナオミの住んでいたベツレヘムに飢饉が起り、一家はモアブの野に逃れていきました。ナオミはそのモアブの野に約10年間住んだことになります。このモアブの地でナオミの2人の息子たちはモアブの女性と結婚することになります。その1人の嫁がルツでした。ナオミに悲しいことが次々に起ります。まず夫エリメレクの死です。次に2人の息子たちの死です。ナオミは深い悲しみの中で、故郷のユダのベツレヘムは飢饉が終って、食糧があることを聞きましたので、帰る決心をするのです。ナオミは2人の嫁たちを連れて帰ろうとしましたが、思い直して、嫁たちに自分たちの故郷に帰るように説得するのです。1人の嫁は故郷に帰って来ましたが、ルツは帰ろうとはしません。姑のナオミと一緒にユダのベツレヘムに行くことを切望していました。そして、ナオミはルツと共にベツレヘムに帰って行きます。その時は大麦の刈り入れの始まる時だったのです。
ユダのベツレヘムに戻ったナオミは、町の人々に自分の悲劇を語ります。また、ルツは落ち穂を拾うために出かけて行きます。ルツの行った先がボアズの畑でした。ボアズはルツの境遇を知って、深い愛情を寄せ、丁寧に対応します。ボアズはナオミの夫エリメレクの親戚にあたります。ルツは大麦と小麦の刈り入れが終るまで、ボアズの畑で落ち穂を拾うことができました。ボアズの対応を知ったナオミは、ルツに「私の娘よ。私はあなたが幸せになる落ち着き先を探してきました。あのボアズは私たちの親戚です。ボアズは今晩、大麦をふるい分けます。あなたは体を洗って香油を塗り、肩掛けを羽織って麦打ち場に行きなさい。ボアズが食事を済ませ、飲み終わるまでは気づかれないようにしなさい。ボアズが休む時、その場所を確認して、あの人の衣の裾で身を覆って横になりなさい。その後すべきことはあの人が教えてくれるでしょう」といいます。聞いたルツはその通りに行います。ボアズはルツに気づきますが、冷静に対応するのです。
ボアズはユダのベツレヘムの町の門の所に上って行って座ります。ボアズよりも責任のある親戚の人がいて、ボアズはその人に声をかけて話し合いを始めます。ボアズは町の長老から10人を選び、一緒に話を聞いてもらいたいと願い出ます。ボアズはその親戚の人に「モアブの野から帰ったナオミがその一族の畑地を手放そうとしています。あなたはその畑地を買い取ってくださいますか。もしそうでないなら私が責任を負います。土地を買い取る責任を負っているのはあなたです。私は2番目になりますから」といいます。親戚の人は「それなら、私が責任を負ってその畑地を買い取りましょう」と答えます。すると、ボアズは「あなたはナオミの畑地を買い取ることは、亡くなった息子の妻であるモアブの婦人ルツも引き取らなければなりません。個人の名をその嗣業の土地に再興するためです」といいますと、その親戚の人は「そこまで私は責任を負うことはできません。あなたが責任を負ってくださいませんか」と答えます。
かつてイスラエルでは、親族としての責任の履行や譲渡にあたって、一切の手続きを認証するためには、当事者が自分の履物を脱いで相手に渡すことになっていたというのです。その親戚の人は「どうぞ、あなたがその人をお引き取りください」とボアズにいって、履物を脱ぎました。ボアズは、長老たちに「あなたがたは、今日、私がナオミの遺産から買い取ったことの証人になったのです。ルツも引き取って妻にします。個人の名が一族や郷里の門から絶えてしまわないためです。あなたがたは、今日、そのことの証人になったのです」といいました。門の所にいた長老たちは「そうです。私たちは証人です。どうか、主がこの若い婦人によってあなたに子宝をお与えになり、タマルがユダのために産んだペレツの家のようになり、ご家庭が恵まれるように」といってくださいました。
ボアズがこうしてルツをめとったので、ルツはボアズの妻となり、主が身ごもらせたので、ルツは男の子を産みました。名前をオベトと名付けました。ベツレヘムの女性たちはナオミに「主をたたえよ。主はなたを見捨てることなく、家を絶やさぬ人を与えてくださいました。どうか、イスラエルでその子の名があげられますように。その子はあなたの魂を生き返らせる者となり、老後の支えとなるでしょう。あなたを愛する嫁、7人の息子にもまさるあの嫁がその子を産んだのですから」と賛美しています。ナオミはその乳飲み子をふところに抱き上げ、養い育ています。その子オベトから後にダビデが生まれます。ルツ記の最後にペレツの系図で終っています。ペレツ→ヘツロン→ラム→アミナダブ→ナフション→サルマ→ボアズ→オベト→エッサイ→ダビデとなります。
ルツ記の最後がペレツの系図で終っている理由ですが、創世記38章にユダ物語が書かれてあります。ユダには3人の息子たちがいました。その長男と結婚したのがタマルでした。まもなく長男は死んでしまいました。律法によって、タマルは次男と結婚しますが、その次男もまもなく死んでしまいます。流れでは三男と結婚するはずでしたが、父のユダは三男がタマルと結婚すると、また死んでしまうのではないかと恐れ、タマルと結婚させずにいました。そこで、タマルは遊女に化けて、ユダの前に現れて、関係を持って、子どもを得ようとします。そして生まれたのがペレツでした。ユダの結婚相手はカナン人のシュアという人の娘と結婚して、3人の息子たちが生まれています。(創世記38:2)ペレツの母親はタマルで、その息子の父親がユダでした。ユダの妻はカナン人でした。ユダとタマルのことはどのように考えたらいいのでしょうか。いろいろなことがあって、ペレツの系図が書かれ、ボアズと、ダビデとつながっている、それがイエス・キリストの系図となっていく、これに神の救いの計画の中にあるということです。罪人である人間の歩みの中に神の子が来てくださったということです。
祈り 神よ、聖書の学びと祈りの時を与えてくださり、ありがとうございました。ルツ記の4章の学びをすることができました。深い悲しみになったナオミ、そのナオミと共に過ごしていくルツ、ナオミとルツの歩みを通して、神の導きがあり、ナオミもルツも悲しみが喜びに変わり、絶望が希望と変わっていきました。ルツの歩みを通して、私たちもルツのように神を信じて、神から豊かな恵みと希望を与えられますようにと願います。これらの願いをイエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
皆様の祈り「 」アーメン。
共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)
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