祈祷会 士師記20:26~48「神の前で泣くイスラエルの人々」 2025.1.15
士師記19~21章は、イスラエルの12部族の中で、ベニヤミン族が滅んでしまうかもしれないという危機のことが書かれてあります。この時、イスラエルの人々は神を信じていましたが、宗教的な指導者がいなくて、それぞれが自分の目に正しいとすることを行っていました。その結果が、このような悲劇につながっているのです。
19章では、そのきっかけが書かれてあります。エフライムの山地の奥に1人のレビ人が住んでいました。レビ人はユダのベツレヘムから1人の女性を側女として迎え入れました。しかし、その側女はレビ人を裏切って、自分の実家に帰ってしまいました。レビ人はその側女を連れ戻すために、実家に行きます。何とか和解して自分の家に戻ろうとします。その旅の途中で、ベニヤミン族のギブアに到着し、1人の老人の家に泊まることになりました。そこで事件が起ります。町のならず者が家を囲み、戸をたたいて「お前の家に来た男を出せ。我々はその男を知りたい」といいます。家の老人は拒否しますが、耳を貸そうとしません。そこで、レビ人は側女をつかんで、外にいる人々の所で押し出すと、ならず者たちは側女を知り、一晩中朝になるまでもてあそび、朝の光が射すころ、ようやく側女を放すのです。朝になるころ、側女はレビ人のいる家の入り口までたどりつき、その場で死んでしまったのです。レビ人は死んだ側女をろばに乗せて、自分の家に帰っていきます。そしてレビ人は刃物をとって側女をつかみ、その体を12の部分に切り離し、イスラエルの全土に送りつけます。これを見た者は皆、驚き大きな衝撃を受けました。
20章になると、イスラエルの人々は皆出て来てミツバに集まりました。剣を携えた40万の歩兵が参加しました。イスラエルの人々はレビ人に、「このような犯行がどうして行われたのか説明してもらいたい」といい、レビ人は「ベニヤミンのギブアに来て、私は側女と共に宿をとっておりました。ギブアの首長たちが私に向かって来て、夜、私の泊まった家を取り囲み、私を殺そうとし、側女を辱めて死に至らせたのです。私は側女をつかみ、その体を切り離して、イスラエルの嗣業の全耕地に送りました。彼らがイスラエルの中で極悪非道なことをしたからです」と答えます。聞いたイスラエルの人々は、ベニヤミンがイスラエルの中で行ったすべての非道を制裁しようといって、ベニヤミン族の所に行きます。ベニヤミンの人々は、イスラエルの人々の行動を知っていました。イスラエルの人々はベニヤミンの人々に「あなたたちの中で行われたあの犯行はなんということか。今、あのならず者の犯人がギブアにいれば、引き渡せ。犯人を殺してイスラエルの中から悪を取り除こう」といいます。ここでベニヤミンの人々が、ならず者を引き出せば、それで終ったはずでした。しかし、どういう訳か、ベニヤミンの人々はイスラエルの人々の声を聞かず、戦いの準備を始めるのです。ベニヤミン族は剣を携えた兵士26700人が集まります。
一方で、イスラエルの人々も40万の兵士が戦いの準備をします。第1日の戦いが始まりました。戦いの結果、22000人のイスラエルの兵士が打ち倒れたのです。しかし、イスラエルの部隊は奮起し、戦闘態勢を立て直しました。イスラエルの人々は、主の御前に上って、夕方まで泣き続けて、主に問うて「兄弟ベニヤミンと、再び戦いを交えねばなりませんか」と聞くと、主は「彼らに向かって攻め上れ」と命じます。第2日の戦いも始まりました。戦いの結果、18000人のイスラエルの兵士が倒れてしまったのです。
そして、今日の聖書の箇所になります。イスラエルの人々は皆、すべての軍団と共にベテルに上って行き、主の御前に座り込んで泣きました。その日、人々は夕方まで断食し、焼き尽くすささげものと和解のささげものをささげました。当時は契約の箱がベテルにあって、アロンの孫でエルアザルの子であるピネハスが御前に仕えていたのです。イスラエルの人々は主に問うて「兄弟ベニヤミンとの戦いに再び繰り返し出陣すべきでしょうか。それとも控えるべきでしょうか」と聞くと、主は「攻め上れ。明日、わたしは彼らをあなたの手に渡す」といわれるのです。第3日目の戦いになる時に、イスラエルの人々は戦い方を変えて、ギブアの周囲に伏兵を配置します。こうして、再び、イスラエルとベニヤミンとの戦いが開始されます。
第3日目の戦いです。イスラエルとベニヤミンとの戦いで、ベニヤミンは町から遠くへおびき出されます。一方はベテルに、他方はギブアに通じる大路に進みます。野で、イスラエルの兵士30人が倒れます。ベニヤミンの人々は、また敵を打ち負かしたと思って油断してしまったのでしょう。イスラエルは、撤退して敵を町から大路へおびき出そうと謀っていました。ベニヤミンの人々はおびき出されてしました。伏兵はギブアの町を急襲しました。伏兵は突入し、町をくまなく剣を持って撃ちました。イスラエルと伏兵の間に打ち合わせがあって、町からのろしの煙が高々と揚がると、イスラエルは戦線に復帰することになっていました。ベニヤミンが振り返ると、町全体が火に包まれ天に燃え上がっていました。そこに、イスラエル兵が引き返して来たので、ベニヤミンは、自分たちに、不幸な結末が訪れるのを知って、うろたえました。ベニヤミンはイスラエル兵を見て、荒れ野の方に向かったが、戦いから逃れることはできませんでした。イスラエルはベニヤミンが壊滅するまで追い迫り、打ち殺していきます。この日のベニヤミンの全戦死者は25000人でした。600人が荒れ野のリモンの岩場に逃げて、4ケ月留まりました。最初に戦いに参加したベニヤミンは26700人ですから、多くの人々が戦死したことになります。
21:2~3で、イスラエルの人々はベテルに帰って、神の御前に座り、声をあげて泣き叫んで「イスラエルの神、主よ。なぜ、イスラエルにこのようなことが行われ、今日イスラエルから1つの部族が欠けることになったのですか」といっています。どうして、このような悲劇を止めることができなかったのでしょうか。神は、どうしてこのような悲劇を止めることをしなかったのでしょうか。イスラエルは、神を信じながら、指導者がいなくて、それぞれが自分の目に正しいとすることを行っていた結果が、このようになってしまったことを聖書は、警告として、私たちに伝えているのでしょうか。
祈り 神よ、聖書の学びと祈りの時を与えてくださり、ありがとうございます。イスラエルの12部族の中でベニヤミンがなくなってしまうかもしれない危機を学びました。神を信じながら、それぞれが自分の目に正しいことを行っていった結果が、このような悲劇をもたらしたのでしょうか。人間の罪の深さを知ることができますように導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
皆様の祈り「 」アーメン。
共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)
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