書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

書の歴史を臨書する・日本編

2007-04-15 12:45:50 | Weblog
2006年度には、
中国古代からの名蹟を約260点余りの臨書を試みたが、
次いで2007年度は、
日本古来の名蹟を臨書する事で日本の書の歴史を紐解いてみたい。

日本への漢字の渡来は、五世紀の頃、
阿直岐、王仁の百済からの来朝に始まると言われているが、
それ以前に帰化人によりもたらされている事を考古学上の遺物が物語っている。
日本固有の文字の有無についても多くの議論があり、
日本人の一人として人情的には日本固有の古代文字の存在を認めたいが、
残念ながら存在しなかったが正論のようだ。


法華経義疏(615)
日本最古の肉筆が聖徳太子自筆の法華経義疏である。
法華経義疏の記された615年頃には、既に、
当時の中国六朝時代の高度な文化とされる漢字を完全にマスターし、
自由に使いこなし、日本独特の書風すら確立されている。
伸び伸びとした優しい線であるが、格調が高い。