あやか と しょうま のパパのブログ

パパから彩加と匠真へのてがみです。いつかよんでもらえたら、たのしくおはなししよう!

第5章の1(免成)

2015-12-23 23:59:56 | 老子
第四十一章

上士聞道、勤而行之。中士聞道、若存若亡。
下士聞道、大笑之。不笑不足以爲道。故建言有之。
明道若昧、進道若退、夷道若纇。
上徳若谷、廣徳若不足、建徳若偸。
質眞若渝、大白若辱、大方無隅。
大器免成、大音希聲、大象無形。
道隱無名。夫唯道、善貸且善成。

上士は道を聞きては、勤めてこれを行なう。
中士は道を聞きては、存(あ)るが若(ごと)く亡(な)きが若し。
下士は道を聞きては、大いにこれを笑う。
笑わざれば以(も)って道と為(な)すに足らず。
故に建言(けんげん)にこれあり。
明道は昧(くら)きが若く、進道は退くが若く、
夷道(いどう)は纇(らい)なるが若し。
上徳は谷の若く、広徳は足らざるが若く、
建徳は偸(おこた)るが若し。
質真(しつしん)は渝(かわ)るが若く、
大白(たいはく)は辱(じょく)なるが若く、
大方(たいほう)は隅(かど)無し。
大器は成免す、大音(たいおん)は希声、
大象(たいしょう)は形無し。道は隠れて名なし。
それただ道は、善く貸し且(か)つ善く成す。

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本当に立派な人は真理を聞けば、懸命にこれを行う。
しかし、役人や知識人には、何だか良く分からない。
一般庶民は爆笑して馬鹿にする。
笑われるくらいじゃないと真理とは言えないのだ。
だから、こんな言葉があるんだよ。
明るい道なのに薄暗く、正しい道なのに後戻りするように、
平坦な道なのに険しく思える。
最上の道徳は酷く低級に、勤勉に多くの善行を行っても、
物足りなく怠け者のように思わてしまう。
質素な良い人ほど変わり者と、潔白な人ほどいかがわしく、
素晴らしい方針ほど、つまらなく思われる。
本当の大人物は成功せず、本当の正しい意見は相手にもされない。
真理・真実には形がない。真理は見えず聞こえず名すらない。
しかし、真理こそが、万物に無限の恵みを与え育んでいるのだ。

本当の真理は裏側に隠れていて、なかなか分からないものだ。
だから、それと同じように、本当に偉大な大人物であるならば、
この世の名声や財産などの名があり形ある成功を築くことはない。
恵みを与え育んでも気づく人はいないのだから。道と同じだ。
そのような傾向があるだろう。

まあ、しかし、心配はいらない。道と同じであれば神と同じ。
もはや人間ではない。この世の成功など気にしない。

本当に大きな器は完成を免れる。常に進化の途中なのだ。
完成して満足しているようでは、まだまだ器が小さい!
未完成こそ生きている証だ!プロセスこそが重要だ!
未完成こそが本当の完璧な姿なのだ!
道の途中の今、生かされていることに感謝しよう!

そうだ!本当の大器ならば大成などしなくていい!
しかし、案外そんな人こそ求めずとも大成するかもしれないし、
そうでなくても、真理にかなっていれば幸せであろう。
これこそ、真の大成だ!もちろん、他人には分からない。
その偉大さは、この世の尺度では測れない。

(12/27追記)
それにしても、晩成ではなく免成とは!
晩成だと前後の文と流れが合わず、しっくりこない。
やはり免成が正しいのだろう。
完成を免れる、免ぜられる、完成しない方がいい。
老子は「この世の大成功なんて大損だ。遠慮する。」
「未完こそ我の道!」とでも言いたいようだ。

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