昔話其の二

昔話ついでにもう一つ


勤務していた調剤薬局の二階の別の住人の話


その日が来るまで顔も見た事がない住人だった


ある日、そう、またある日のこと

突然ドカ～ン！！と音がして私たちは耳が聞こえなくなった

道路沿いの薬局だったので、てっきりクルマが突っ込んだかと思ったが店頭を見てもガラスが壊れただけで、クルマは無い


？？？？？


そこに居たスタッフ一同、？マークが飛んだ


ひょっとして…

管理薬剤師と私が二階へ






ガス爆発だった

二階の道路に面した部屋の住人が自殺を図ったのだった



今回はくだんの看護婦の希望どおり救急車を招請、消防車や警察も来る騒ぎとなった

後の話だが、住人は九大生

何が原因か不明だがガス栓をひねり眠りについたが死に切れず、馬鹿げた事をしてくれていた

タバコに火を点けたのだった

そりゃ致死量では無かったにせよ、ガスが漏れとりゃタバコに火を点けたら爆発するぐらいはわかるやろ
そんな判断でさえ出来ないぐらいだったのだろうか…


当のご本人の生命は助かった


退院して引っ越すことになったが、本人からは何も挨拶が無かった
それだけの面倒をかけられたのだから挨拶の一つや二つあってもバチは当たらんやろ…

彼のアタマの中の何が原因かは全くわかっとらんけど、挨拶をする余裕すら無かったと考えておこう

昔話其の一

以前、調剤薬局に17～8年勤務していた

そこはかなり年期が入った建物で二階がアパートになっていて、三部屋あった

ある日、裏からドドーンというかダダダダダダ～！ドタッという音が鳴り響いた

たまたま患者さんが居なかったので急いで裏口から覗くとハゲかけたおっちゃんが気を失っている

そう、二階の住人階段を踏み外して落ちた音だった

大丈夫ですか？！

見る間に股間から液体が…

そう、彼は失禁してしまっていたのだ

すぐに病院へ電話、そして4～5分で顔見知りの看護婦(その頃は看護師ではなく看護婦だった)が2～3人でストレッチャーを押して駆けつけた

その中の一人が呆れるひと言を発した


救急車を呼べば良かったろうに



はい？？

ウチは調剤薬局です
オタクはその処方箋を出しているここから100mも離れていない救急病院ですよね？？

言いかけたその言葉を飲み込んだ私たち…




その後、彼は何日か入院し、退院すると二階の住人をやめて何処かへと引越して行った

二階から落ちた理由は…

酔っ払って足を踏み外してしまったのであった