母４

台風の如きわが母親、去って行った

台風の爪痕が多大な被害をもたらした


まず、愛用していたお好み焼き用の青いボウルが見当たらない

小鍋の鍋蓋のツマミが無い

水仕事用の腕カバーが無い

私の使い勝手が良いように並べてた冷蔵庫の中が母の好みに変わってる


あぁ…次に戻るのは亡父の13回忌をするGW辺りでしょ？！
そんなにいじり回さんでもよかろうもん？！！



夜が明けたら、青いボウル捜索に全力を挙げねば（－＿－；）

二人三脚

ヒトの心の中って複雑怪奇

素直になり過ぎて傷つき

素直になれなくて傷つけ

そんな自分がわからなくなって涙する


些細な言葉を深読みしすぎ

どうでもいい冗談で泣いてしまう


そんなやり取りをもう1人の私が冷めた目で見つめている


感情が高ぶった時になぜかもう1人の私が顔を出す

現実の自分は泣いたり笑ったりしているのに、「何やってんだか」と…



そんなもう1人に漠然と気づいたのはかなり前、そう、小学3～4年生ぐらい

確信したのが中学3年生

バスケの中体連の試合時だったと思う

試合中なのに、自分がこれからやろうとしていることを思い浮かべ、団体競技であるにも関わらず個人プレーに走っていた

結果オーライだったから良かったものの、失敗していたらどんだけ？


それ以来、身体と無防備な心の自分&それを引いて見ている皮肉なもう1人の自分の心の二人三脚のような人生を送っている


唯一それがシンクロするのは眠っている間だけ

さ…シンクロさせよう

おやすみなさい

母３

また母に振り回されている

昨日の朝、母曰く

今日、休まれんかね？
天神に行きたいっちゃけどな…

はい？無理！
今日言われて今日は無理！
とにかく、会社に頼んでみる

ってなわけで、交代で社内旅行やらリフレッシュ休暇で手薄な職場に有給休暇を強引にもぎ取り、本日は母孝行中


天神ではデパート三ヶ所巡り
弟の子どもたちに洋服を買おうと、半額セールで袋３つ分買い込んだ

後は子どもたちのリクエストでお菓子や蒲鉾等

私はひたすらポーターである


弟の住む関東の某県は福岡のような賑やかな街ではなく、デパートも大して無く、ショッピングセンターも母の好みそうな品物が無いらしい
私も一度弟の自宅に行ったが、新興住宅地と言われる割にはただのど田舎
デパート好きな母がストレス溜まる理由がわかるだけに、今回は無理して付き合った


明日にはまた、弟の子どもたちの面倒を見るために機上の人となる


たくさんの買い込んだお土産はクロネコさんのお世話になって…

母２

遠い昔に気がついた

私の手は女らしさの欠片もない
節くれだって、色も黒く、ガサガサ荒れた手

ハンドクリームを塗っても全く効き目がない指先


私に似たそんな手の持ち主に、昨日出会った


母だった


顔や姿は全く似ていない
辛うじて似ているのは声
それ以外は似ていないとずっと思っていた


唯一似ているのがこの節くれだった手だったとは

母

母が帰って来た、一時帰宅ではあるが

空港に迎えに行ったのだが、そこから少々イラついてしまった
何度か前に迎えに行った時、バスやタクシー専用の場所で私を待っていて、無茶してそこへ進入し母をピックアップしたのだが、本人素知らぬ顔

その時に、2度とこの場所では待たないように！！
とクギを刺しておいた
ま、次はちゃんと一般車降車場で待っててくれたのだが、今回またやらかしてくれました(~_~;)

福岡空港には柱に番号が振ってある
1ターミナルから若い順なので、母が降りた3ターミナルは必然的に番号が大きい
携帯で何番にいる？と尋ねたら30何番

そこはダメって言ったやろ！！
建物を背にして右側に歩いて来！！

見つけましたょ、ベージュの帽子をかぶった老女



なんとかクルマに乗せ、あそこはダメって言ったやろ～が！
と語気を荒めてしまったのだが…

だってわからんもん

あれ？
私の母ってこんな人やった？


たかだか35㎞ぐらいの道のりだったのだが、あれ？あれ？と母の様子が変わったのを気づかされた


お腹が減ったと言うので途中のうどん屋さんで食べることにしたのだが、何度か行ったことのある、おはぎを置いてるうどん屋さんなのに

え？初めてやろ？
知らん


え？え？
チョトマテチョトマテお母さん


この前帰省して来たのは10月

たかだか3ヶ月しか経ってないのに
大丈夫か？？

考えてみれば、母も4月で喜寿
ボケてもおかしくない年齢ではある

どうしたものか…

なまじ、プライドだけは高く嫌なことはテコでも動かない
どうやって受診させよう…

困った…