ちあきなおみさんと言えば、今となっては「昭和のレジェンド歌手」である。
話によると、旦那様が亡くなられてからは、歌手活動を完全にやめてしまい、今や伝説の人となっており、その活動停止を嘆く人は多かった。
あの美空ひばりさんが、ライバル視していたくらいの実力派歌手。
ちあきさんの代表曲というと、とかく「喝采」という曲があげられることが一般的だが、私としてはこの「夜へ急ぐ人」をこのブログでは自信を持って取り上げておく。
ともかくこの曲は、凄い。
狂気をはらんだような怖さや迫力や演技力や表現力がありながら、根底に潜む情念や切なさや悲しさもある。
昭和の凄い歌手の伝説のひとりとして、語り継いでいかれなければいけない女性歌手が、ちあきさん。
この映像や歌唱ぶりを見ると、ちあきさんの活動停止を嘆く人が多かったのも、おわかりいただけると思う。
誤解を恐れずに書いてしまうと、個人的にこの曲には、なにやら、私の敬愛する漫画家「つげ義春」先生の世界観にも通じるものも感じてしまう。まあ、つげ先生の作品では男が主人公であることが大半だが、もしもつげ先生が女性主人公の作品を描いたら、この「夜へ急ぐ人」みたいな作品になったのではないか。
ちあきさんの凄みはもちろんなのだが、この曲自体が凄い。
それもそのはず、この曲を作ったのが友川カズキさんであるという事実も凄い。
友川さんに関しては、このブログでも過去に何度か取り上げたことがあったと思う。
秋田出身のフォークシンガーで、作る楽曲も、演奏スタイルも、歌唱スタイルも、まさに魂の叫びという表現がピッタリで、鬼気迫るパフォーマンスのシンガーソングライター。まさに異才。
中原中也の詩に曲をつけたりもしている。
友川さんの狂気をはらんだようなこういう曲を、ここまで歌いこなせてしまうちあきさんの実力は、底なしだと思う。
ちあきさんのような歌唱力、表現力、演技力がないと、とてもじゃないが歌いこなせる歌ではないと思う。
誰かがちあきなおみさんを評して「歌を演じられる歌手」と言っていたが、まったく同感。
なんでも、この曲はちあきさんが友川さんにオファーして、ちあきさんのために作ってもらったらしい。
ある時、友川さんの楽曲やパフォーマンスを聴いて、ちあきさんは何か感じるものがあったのだろう。で、自分の曲を友川さんに作ってもらいたいと思ったのだろう。
まあ、友川さんのパフォーマンスを見たり聴いたりしたら、何かを感じずにはいられない人は多いと思う。
でも、友川さんの才能に目をつけてさっそくオファーしたちあきさんの感性は、さすがとしか思えない。
ちあきさんといえば当時すでに大スターの女性歌手だったはず。そんな大物からオファーが来て、多分友川さんも驚いたのではないか。
そのオファーを受けて友川さんは、ちあきさんのコンサートを見に行ったところ、そのコンサートでちあきさんはジャニスジョプリンの曲をカバーしてたらしい。
実は友川さんは学生時代にジャニスには心酔してたらしい。友川さんはちあきさんとはジャニスが好きという点に共感し、ちあきさんのオファーに応じてちあきさんのために作った曲が「夜へ急ぐ人」だったということになる。
友川さんはちあきさんとは根っこに同じものがあると感じたのだろう。
いわばジャニスが友川さんとちあきさんを結びつけ、化学反応をおこさせたことになるのかもしれない。
友川さんの作る異色の歌を歌いこなせる歌手など、そうそういるもんじゃないと私は思う。
友川さんのパフォーマンスは鬼気迫るものかあるが、「夜へ急ぐ人」を歌った時のちあきさんのパフォーマンスも鬼気迫るものがあり、聞き手の心に深く突き刺さってくる。
ちあきさんが歌手活動を停止させてから、もう長い年月が経過している。
その後の情報は全く入ってこない。
今は、どうされているのだろう。
お元気であればいいのだが。
いつかまたこの曲を聴かせてもらえる機会はあるのだろうか。
↑この映像では、曲の尺を少し縮めてあるのが残念だが、かわりに曲中にちあきさんの語りが添えられ、周りを圧倒するパフォーマンスになっている。今見てもちあきさんは凄いし、素敵だし、かっこいい。
ジャケット写真が、なにやら心霊写真のようになっているのも、演出効果満点。
私がこの曲を知ったのは、もうだいぶ前のことになりますが、それでもリアルタイム時ではありませんでした。
でも初めて知った時は、かなり衝撃でした。ちあきさんの鬼気迫るパフォーマンスぶりに圧倒されました、
しかも曲の作者か、あの友川さんだということを知って、納得すると共に驚きもありました。
友川さんのことはリアルタイムで知って衝撃的を受けてたので、友川さんに曲を依頼したちあきさんの感性にも共感を覚えました。
お目が高い!そんな心境でした。
この映像は「全員集合」だったのかどうかはわかりませんか、ちあきさんは紅白でこの歌を歌ったことがあったらしく、その時の衝撃も相当なものだったらしいです。
まあ、わかりますね、そのへん。
きっと視聴者は度肝を抜かれたことでしょう。
子供の頃真似して喝采歌ってたけど
喝采のみ。。。
おいでおいで🫳〜
あんただれ〜〜!?鳥肌
からの〜ラストのパフォーマンスもすごいですね!
全く知らなかったこの曲だけど
8時だよ全員集合でこの歌歌ってたの?
知らなかった〜
会場の子供達も意味も分からず
真剣に聴いてたのでしょうね
スゴイ歌だと思います。
ちあきさんの代表曲といえば、一般的にはやはら「喝采」ですよね。
でもこちらの曲のインパクトは喝采以上かもしれません。
この歌は、「歌う」というより、「演じる」という感じじゃないと中々こなせないのかもしれません。
ちあきさんは見事に演じきってます。
この歌をライブのセットリストにいれたら、相当目立つ曲になるでしょうね。こういう曲、中々ないですから。
ぜひ挑戦してみてください。
ちなみに「朝日楼」・・・朝日のあたる家をロック界に持ち込んだのはボブディランです。
テイランは伝承曲だったこのうたを見出し、デビューアルバムで弾き語りでカバーしたんですが、それを聴いたアニマルズが大幅にロックにアレンジして世界的な大ヒットになり、その後はスタンダードソングになっています。
ちあきさんのバージョンも迫力満点ですよね。
ちょっとこの歌覚えてみたくなりました・・笑。私には歌えないだろうな。