ドラマ「つぶやき岩の秘密」の舞台を行くシリーズは、まだまだ続く。今回はそのシリーズの4回目。
ひととおり地下要塞を眺めた後、私は三戸浜海岸に戻ってきた。
ここはドラマ「つぶやき岩の秘密」でもちょくちょく出てきた海岸である。
見たところ、普通の海岸だ。
きっと、夏は海水浴で賑わうのだろう。
長浜や和田浜よりも、こちらの浜の方が賑わいそうな気はした。
とはいえ、私が訪れたのは冬。冬のこの浜辺は、のどかな浜であった。
沖には、ドラマでも出てきた「鵜の島」が海面から顔をのぞかせていた。
私はこの浜を少し歩いた後、その間待ってもらってたタクシーに乗り込み、諏訪神社を目指した。
タクシーの運転手が「諏訪神社、着きましたよ」と言って車を停め、降りた時、私は思わず「ここ?? なんか、ドラマに出てきた神社の入り口と、少し違うような・・」と思った。
確か、ドラマに出てきた神社の前には、薄暗い小道があったはずなのだが、私がタクシーを降りた場所は、日当たりのよい、海辺の場所だった。
「長い年月の間に、神社の前の薄暗い小道は、整備されて、様子が変わってしまったのかな・・」などと思いながらとりあえず、神社の方に向かって真っすぐに歩き出した。
すると。
あ!!
これだ、ここだ。
そこには、ドラマに出てきた、昼でも薄暗い小道が現れ、そこに神社の「もう一つの鳥居」が現れた。
まさにここ。
今も、ドラマに出てきた光景のままではないか。
この鳥居のそばで、紫郎は、亀さんに、地下要塞に行くことを誘われたのだ・・。
とにもかくにも、ドラマで見かけた定番のアングルで、この鳥居の前の小道を撮ってみた。これはマストなアングルだろう。
↑上の写真に写っている小路の行く先は、こんな感じで続く。↓
それと、定番アングルで、そのまま振り返って、この小道の逆方向に行く先を撮ると、こんな感じ。↓
この小道を、亀さんの車は走っていったんだね。
ついでなので、定番アングルとは逆のアングルでも、この鳥居を撮ってみた。↓
海の方からこの神社に来るには、まっすぐに歩いて都合2つの鳥居がある。
そういえば、ドラマでも、二つの鳥居があったのを思い出した。私はそれを忘れていて、神社により近い鳥居の前の小道の風景しか頭に描いていなかったので、当初私は勘違いしたのだ。
二つ目の鳥居をくぐって神社に向かう道を、紫郎は小林先生と歩いていたのだ。
二つの鳥居をくぐり、少し奥に進んだ地点で、振り返ってみれば、確かにドラマで見覚えのある風景。
振り返って見た、二つの鳥居のむこうには、海が見えていた。
さて、神社の前に来た私。せっかくだからお参りをした。神社は相当古い。
ここまできたら、私はこの神社で探さなければいけないものがある。
ドラマでは、この神社の裏手から、白ひげさんの家に通じる「抜け穴」があった。
その「抜け穴」を探さなければいけない。
下調べで、この神社の裏手には、実際にその「抜け穴」らしきものがあることが分かっていた。
まあ、実際に白ひげさんの家までその抜け穴が通じているかどうかはともかく、その穴だけでも見つけたかった。
で、探してみたのだが・・・これが見つからない・・。
もしや、長い年月の間に、なくなってしまったのか、埋められてしまったのか・・?
あるいは、そんなもの、存在しないのか。
確か・・・裏手とはいっても、神社のやや横の裏手の位置にあるはずなのだが・・。
特に・・・賽銭箱ごしに神社に向かいあった位置から左横の裏手あたりにあるはずなのだが。
見つからないが、中々諦めもつかない。
諦めが悪い私は、位置的にあやしいあたりを、草をかき分けるように探してみた。
すると・・・木が横に倒れている奥に・・・穴らしきものを発見!
いや待てよ、穴のように見えるだけではないか・・・と思い、その場所に顔を近づけて、横に倒れている木をすこし触って、更に草もかきわけて・・・木の後ろの薄暗くなってる場所を覗きこんだ。
すると・・・身を乗り出して、よ~く見るとやはりここは穴になっているではないか!
穴をふさぐように、横倒しになっている木が邪魔で、一見見分けづらい。
だから、気付かなかったのだ。
その穴の現状は、昔はいざ知らず、少なくても今はもう人が入れるような穴ではない。
でも・・・確かにここは、穴だ。
本来人工的に作られた穴だったのか、あるいは自然にできたものなのかは分からない。
でも、諏訪神社の脇に、穴が今もあるのは確認できた。
穴には入れる状態ではないので、この穴の深さは分からない。
少なくても、白ひげさんの家に地下で通じているような穴には見えなかったし、仮にもぐったとしても、すぐに行き止まりになりそうにも見えた。
まあ、白ひげさんの家にまで通じている・・という設定は、ドラマの中だけのフィクションであろうことは、私はあらかじめ思っていたので、とにもかくにも、この穴を見つけられただけで私には十分だった。
ちなみに、この穴は、白ひげさんの家のあった場所とは逆方向の向きにあいている。
なので、もしもこの穴が白ひげさんの家に通じるとすると、地形的に、この穴はどこかで大きくUターンして逆方向に続いていかなければ白ひげさんの家の方向には向かわないことになる。
まあ、この穴が白ひげさんの家に通じているという設定は、ドラマならではの「フィクションの地形」・・ということで。
ともあれ・・・もしも、「つぶやき岩の秘密」のロケ地めぐりで、この諏訪神社に訪れる人がいたら、穴は確かに今でもあるけど、非常に見つけづらく、分かりにくい・・・ということだけは、ここで記しておくことにする。
横倒しになった木で、隠されているようであり、塞がれているようでもあるから。
よく調べないと、見逃してしまう可能性、大なり。注意しながら探してほしい。
前述の通り、この穴は、自然にできたものなのか。それとも、人工的に掘られたものなのか、それは私には分からない。
仮に・・もしも人工的に掘られたものなのだとしたら、一体何のために掘られたのだろう。
ゴミ捨て場・・?
いや・・・もしかしたら・・・戦時中に、いざという時の防空壕代わりに掘られたのだろうか?
というのは、私が幼少の頃に住んでた家の隣の家はかなり大きい家で、庭も広かったのだが、その庭には、防空壕としてほられた穴があったからだ。
この穴を見て、それを思いだしてしまったから、そう思うのだ。
ちなみに、その防空壕は、時の経過と共に、ゴミ捨て場みたいな場所になっていき、埋もれてゆき、しまいには高層マンションがその地に作られるにあたって、完全に消滅してしまった。今ではそこに防空壕があったことを知る人はほとんどいなくなってしまった。
だとしたら、この諏訪神社の「穴」も、このまま時の経過の中に埋もれていってしまうのかもしれない。既に、周りの草木が、この穴を消そうとしているかのようでもあるし・・。
さて、神社の横裏手に無事に「抜け穴」らしき穴を見つけた私は、再びタクシーに乗り込んだ。
で、タクシーに乗って宿に向かう道の途中、だだっぴろく、一面畑が続く、真っ平らな「平野」という感じの場所に出た。
一本道が続き、左右には広大な範囲で畑が広がっている、その風景。
見覚えがある。
ここは・・・??!!もしや!
そうだ、「つぶやき岩の秘密」で、いつも紫郎が歩いていた「畑の中の一本道」ではないか!?
だとすれば、道の途中で十字路があるはずだ。それがあれば、まさにピンポイント的に、ドラマに出てきた、あの「畑の中の十字路」に違いない。
そう思い、運転手に、この道をこのまま進んだら、途中に十字路がありますか?と聞いてみた。
すると、「はい、あります、この先です。では、十字路のところで停めますね」と言ってくれた。
で、「はい、ここです」と言って車を停めてくれた。
気がはやるように、そそくさと車を降りた私が見たものは・・。
まさに、ここだ!これだ・・。
なにしろ、周りの一面の広大な畑の平野、そして十字路の形が、ドラマのまま。
特にその十字路の形が、同じ。
違うのは、その道が今では舗装されているということだけ。面影は十分にある。
なんのへんてつもない、単なる「畑の中の十字路」の風景ではあるが、私にとっては特別な場所の一つであった。
この十字路をつきとめられてよかった。
それにしても、この近辺の一面の畑の風景は、どうだ。この広さ。
見事だ。
運転手の話によると、このあたりの一面のまったいらな畑のエリアは、戦時中に、軍用の飛行場を作る予定だった場所らしい。
なるほど、このだだっ広さなら、確かに飛行場に出来るだろう。至極、納得。
飛行場にする予定で、すでにその準備も進められていたらしいのだが、飛行場を作る前に、戦争そのものが終わってしまい、飛行場建設は止まったらしい。
戦争が終わったから、この一面の畑は今も畑であり続けているし、あの十字路もそのままでいられたのだ。
ちなみに、飛行場にするための準備として、この一面の畑の平野の地下には、少なくても2本の地下通路が作られたらしい。
だが、その地下通路が、この一面の広大な畑の平野の下のどこを通っているのかは、今となっては分からないとのこと。
そういう存在、なにやら不気味なので、地元の人はあまり関心ないようだし、あまり触れられたくもない話のようでもあり、分かりたくもない存在らしい。
そのへん、あの地下要塞もそうなのかもしれない。
地下通路・・・その通路はどこから掘られたのだろう。通路というぐらいだから、どこかに入り口はあるはず。
もしかして・・まさか・・・あの三戸浜近辺の地下要塞あたりの場所から通じているのだろうか・・・。だとしたら、相当長い通路ではあるはず・・。
そのへんの推測や疑問は、私の中に残されたミステリーではあった。
ともかく、この広大な一面の畑の平野は、戦争の爪痕をまぬがれた場所なのだろう。
まるで何もなかったかの如く、今はただ、おだやかに広がっているばかりだ。
このへんに立ってあたりを見渡していると、癒される気がした。
よかったね、一面の畑の平野さん。いつまでも、今のままでいられると、いいね。
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