具のない即席ラーメンに、レトルトカレーを乗せた日

学生の頃、自宅暮らしをしてた頃。

自宅にはカップ麺の「買い置き」はなかったけど、インスタントラーメンの「買い置き」はあった。

カップ麺よりもインスタントラーメンの方が割安なので、買い置きしやすかったのだろう。

自分としてはどちらかというと、カップ麺の「買い置き」のほうが嬉しかった。というのは、カップ麺には「具」があったから。（ちなみに、今の私が「買い置き」してるのはカップ麺である）

インスタントラーメンには具はついていない。そのまま作ると、単にスープと麺だけである。

別売のメンマやチャーシューでも買い置きしてあれば、自分で作った即席麺に具を乗せて食べることもできただろうが、あいにく、具の買い置きなども家にはなかった。

まあ、量的には、カップ麺よりもインスタントラーメンのほうがお腹にたまるような気はしたので、まあ、それはそれでよかった。

ただ、・・・いつも具なしのインスタントラーメンばかり食べてると、どうも物足りなくなってきた。

具がほしい・・・という思いは強くなっていった。

かといって、自分で別売の具を用意するほどでもなかった。

そこで・・・ある日私は、具の買い置きが無い状態で、具なしのインスタントラーメンに何か具を入れようと思った。

そこで目を付けたのが、レトルトのカレーであった。

当時あったレトルトカレーといえば、すぐに思いだせるのが、ボンカレーとククレカレー。

今ではレトルトカレーには色んな種類があるが、当時はレトルトカレーというと、一般的にはその２種類だったはず。

で、その時たまたま家にボンカレーかククレカレーのどちらかがあったので、インスタントラーメンを作ってる間に、同時進行でそのレトルトカレーも暖めた。

それがボンカレーだったか、ククレカレーだったか、は覚えていない。ともかく、そのどちらかがたまたま家にあったのだった。

で、出来上がったインスタントラーメンの上に、私はレトルトカレーをかけてみたのだった。

レトルトカレーには肉やじゃがいもなどの具が入っていたので、それをインスタントラーメンに乗せれば、いっぱしの具入りラーメンになる！・・・私はそう思ったのだった。

考えてみれば、ラーメンもカレーも、それだけ単品でも１食分になるのに、それを一つにまとめてしまったのだから、贅沢な話だ。

バラで食べれば２食分になるのに、ラーメンにカレーを乗せることで１食分にしかならない。

少し損な気もするが、その時の私はただただ具の入ったラーメンを食べたかったのだと思う。

 

で

食べてみた。

すると

 

味が濃い、濃い！　濃すぎた。

ラーメンもカレーもそれぞれが単品で食べられるようになっているので、それぞれの味がぶつかり合っていた。

互いに「負けてたまるか」とでも言ってるかのようだった（笑）。

ソロの一流シンガーが同じ歌を同時に歌っているようなもんだった。しかも対抗心むきだしで。

 

ともかく、味が濃くて、食べ終わった後、喉がかわいてしかたなかった。

 

今ではカレーラーメンなるものも、一般的である。だがそれは、ラーメンとカレーがそれぞれ調和するように味の濃さなどが調整されて、カレーとラーメンがそれぞれ適量でブレンドされてメニューとなっている。

単に、単品でカレーとしても存在し、単品としてラーメンとして成立するものを混ぜ合わせても、おしいいカレーラーメンになるわけではない・・・ということを、その時悟ったのだった。

 レトルトカレーを乗せることで、確かにインスタントラーメンには具が乗っかった。

だが、しっかり代償は・・・・あった。

味が濃すぎるようになることと、単品で食べれば２食分のものが１食分になってしまったということ。

 

それ以来、インスタントラーメンにレトルトカレーを乗せる行為は、一度もやっていない。

いわゆる「懲りた」というやつであった。

 

あれをやるなら、ラーメンはラーメンで、カレーはカレーで、「ラーメン＆カレーセット」のようにして食べるべきだった。その組み合わせは、例えば大学などの学食などではすっかりおなじみの組み合わせであるぐらい、一般的だし。

 

ちなみに・・・インスタントラーメンに、レトルトカレーを乗せて食べたことがある方って・・・私の他にいらっしゃるだろうか。

もし、やったことがない方は・・・やめておいたほうがよさそうです。

じゃないと、私のようになってしまいます（笑）。