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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ミュータントとサイボーグ

2014年05月14日 | 漫画・アニメ、そして特撮

アメリカのヒーローものの作品を観ていて、思ったことがある。

それは、アメリカの正義の超人の設定には、ミュータントが多いということだ。もちろん、ロボットヒーローやサイボーグヒーローもいることはいるけど・・。

一方、日本のヒーローには、サイボーグが多い気がする。

日本とアメリカ、どちらの国のアニメやコミックに出てくるヒーローも、普通の人間以上の能力を持っているのだが、日本のヒーローはサイボーグが多く、アメリカのヒーローはミュータントが多い・・・この違いに最近気付いた。

ミュータントとサイボーグ。

どちらも、通常の人間ではない。

サイボーグは、日本の認識では、改造人間。体内にメカニズムを埋め込み、そのメカニズムによって常人離れした能力を持っている。分類としては、半分は人間だが、半分はロボットだ。

ミュータントは、遺伝子などを操作し、突然変異によって常人の能力を超える能力を持つ。

サイボーグは、体内に機械を埋め込むために、手術をすることになる。

だがミュータントは手術を受けるわけではないので、突然変異した肉体であっても、基本は生身・・ということになる。

同じ「超人」でも、種族は違うのだ。「半・機械人間」と、「突然変異体」の違いか。

 

私がミュータントという言葉を初めて知ったのは、石ノ森章太郎先生のコミック「ミュータント・サブ」であった。

サイボーグやミュータントという言葉がSF用語だとするなら、私はいくつものSF用語を石ノ森作品から教えてもらったことになる。

サイボーグしかり、ミュータントしかり、またアンドロイドもそうだ。石ノ森章太郎作品には「アンドロイドV」という作品もあったから。

ちなみに、アンドロイドは、完全にロボットで、見かけが人間と変わらないロボットのことだ。

なので例えば鉄腕アトムはアンドロイド型ロボットということになる。ドクタースランプのアラレちゃんもまたアンドロイドということになる。

今ではサイボーグという言葉は日本ではすっかりおなじみだが、日本にサイボーグという言葉を大きく広めたのは石ノ森先生だと思う。言わずと知れたサイボーグ009である。

そういう言葉を広めたという意味では、石ノ森先生の貢献度は非常に高いといえるだろう。

 

ところで、なぜアメリカのヒーローにはミュータントが多いのだろう。

アベンジャーズのキャプテンアメリカしかり、ハルクもそうだろう。スパイダーマンもまた、ミュータント系だろう。

ミュータント・タートルなんてのもあった。

それだけではない。

古いアメリカアニメに出てきていた、正体不明の超人ヒーローもまた、ミュータントだったのではないか。

例えば「スーパースリー」などは、ヒーローたちの正体の設定は私は知らなかったのだが、きっとあれはどれもミュータントだったのではないか。

アメリカンヒーローで、特殊能力を持っていながら、その正体が不明だったキャラは、その種族はミュータントだったと考えると手っとり早いかもしれない(日本人だと、ついサイボーグやロボットあたりを想像してしまいがちだが(笑))。

 

こうしてみると、ミュータントはかっこいいヒーローばかりのような印象を与えるかもしれない。

だが、ミュータントは、造形の良い存在ばかりではない。

 それどころか、むしろ、通常の生物よりも、造形が気持ち悪くなってしまった生物として描かれる場合も多かった。その場合、たいがい、悪であり、敵であったりもした。

その気持ち悪さは、ほとんど化け物じみていたりした。

遺伝子操作による突然変異だと、計算外の変化をすることもありそうなことを考えると、その外見が不気味な姿に変化してしまってもおかしくない気はする。

その点、改造人間であるサイボーグは、ある程度改造主側の意向にそった外見に仕上げることは、少なくてもミュータントよりはできるず。

ミュータントのほうが、予想外の変化の可能性はある。

 

それにしても・・・コミックやアニメなどのヒーローで、人間が通常の人間の能力を超えたヒーローになる場合、なぜ日本ではサイボーグが多くて、アメリカではミュータントのケースが多いのだろう。

サイボーグとミュータントでは、ミュータントの体のほうが生身。

アメリカのほうが、生身にたいするこだわりが強いのだろうか。

生身のボディに対するカッコよさの基準が違うのは、国民性からくる違いなのだろうか。

アメリカのヒーローの体型は、たいがいマッチョマンである。筋肉隆々の。いかにも強そうだ。

一方、日本のヒーローの体型は、たいがい痩せ型で、スラッツとした体型だったりする。一見、威圧的な強さは感じなかったりする。

日本のヒーローは、痩せた体型で、筋肉隆々じゃないパワー不足を、体内にメカニズムを埋め込んで、そのメカニズムの能力でパワーを発揮する。また、痩せた体型を利用した、スピードが武器になることも多い。

例えばエイトマン、009などは、そのスピードが武器だった。

そういえば、サッカーや野球などでも、日本人選手の武器は、パワーというよりもスピードだ。

その反面、アメリカの選手には、スピードタイプもいるが、日本人に比べて明らかにパワーが武器の場合は多いと思う。

そう考えると、ヒーローの特徴が、パワー重視かスピード重視かの違いなのかなという気もする。

まあ、それは持って生まれた、元々の体型の差が、その体型に合った武器になっているのだろう。

日本のヒーローは、パワーや屈強さでアメリカンヒーローに 一歩譲る分だけ、華奢で繊細な気はする。

もちろんアメリカンヒーローも繊細だったりするシーンは多々あるが、全体的には日本のヒーローの方が繊細な気はする。体型的にも、日本のヒーローは小柄だったり痩せていたりすることが多いが、アメリカンヒーローは、がっちりした体型だったりする。

カッコよさの基準が違うのだろう。

アメリカでは、強靭な生身の体こそが、かっこいい・・ということなのかもしれない。

 

 

そう考えると、華奢な体のまま、体内に色々機械を埋め込んで、機械に頼ってパワーアップしたサイボーグよりも、遺伝子などを操作して生身の体を保ったまま、自らの力で強くなったミュータントのほうがアメリカ人は好きなのかもしれない・・・などと思ったりした私であった。

 

 さて・・

貴方がもしサイボーグかミュータントのどちらかにならなければいけないとしたら、どちらを選ぶだろうか?

 まあ、どちらを選んでも、もう普通の人間ではなくなってしまうわけで・・・・。

いくら身体能力が高くても、オリンピックなどには出れないことは間違いない。

人権とかは、認められるのだろうか?

特殊能力を持っていながら平凡に過ごす・・・そういうことは、できるだろうか。

 

じゃなければ、正義に使うか、悪事に使うか・・・の選択になってしまうのかもしれない。

人が持ち得ないほどの能力を持っていながら、使わずにおとなしくしている・・・・それって、難しいことだとも思う。

なぜなら、人間には欲というものがあるから。

 

 

 

 


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