私がこのユニットのアルバムを買ってみようと思ったのは、まずそのユニット名。
そして、そのアルバムジャケット。
この2要素に、おおいに惹かれたからだった。
ペンギン・カフェ・オーケストラ。
風変りな名前である。
なんでも、リーダー格のサイモン・ジェフズが、用事で日本に居た時に思いついた名前だというが、そうなると日本にも多少なりとも縁があるユニットということになるのかもしれない。
バンドという形態はとっておらず、絶えずメンバーは流動的だったらしい。
必要なメンバーを必要に応じて集めたのだろう。
ユニットは1976年にデビューして活動していたが、サイモン・ジェフズが1997年に他界。しばらく活動は停止していたが、サイモンの息子が後を継ぎ、ユニットとしての活動は再開されたようだ。
ユニット名も風変りなら、そのアルバムジャケットがまた風変りで、非常に印象的。
ペンギンと人間が合体したような生命体と、絵本のような背景。
どこかユーモラスでもあり、どこかミステリアスでもあるように思えた。で、牧歌的なものも感じた。
ジャケットを一目見た時、私はこのユニットはプログレロックのジャンルか、もしくは環境音楽かと思った。
聴いてみたら、プログレというより、民族音楽やクラシックやポップスなどを融合させ、ミニマルミュージックのような装いで独特のサウンドが展開されていた。
基本的にインストなのだが、そのメロディは親しみやすく、曲によっては可愛く、そして牧歌的なものもある。
ジャケットを見た時に感じた牧歌的な印象は、音楽の内容にもあてはまっていた。
ミニマルミュージックの手法が特徴的なマイク・オールドフィールドが好きな私にとっては、このペンギン・カフェ・オーケストラもまた受け入れやすい音楽であった。
今回取り上げる「Air a danser(エール・ア・ダージ) 」という曲は、特に私がお気に入りの曲。
牧歌的で、可愛く、繊細で美しい。そして独特のメロディラインとサウンド。
聴いてて、平和な気持ちになれる。
アコースティックギターのアンサンブルやパターンが、心を優しく和ませてくれる。
実に素敵なサウンドだ。
この曲を聴きながら、アルバムジャケットの「ペンギン人間&絵本のような背景」のジャケットを眺めていると、一種不思議な気持ちになってくる。
ジャケットの効果もあって、この繊細で可愛くて美しい楽曲が、少しミステリアスなものも含んでいるように、個人的には感じられる。
この曲の持つ明るさの中に、少し湿り気や翳りみたいなものも感じてしまう私の感覚は、おかしいのだろうか。
なんにせよ、ギスギスした日常の中にいて、それに包まれていると、中々浮かんでこない世界観ではある。少なくても私にとっては。
だからこそ、この曲の雰囲気や世界観が大好きだ。
草原に寝ころんで、そよ風にあたりながら、青空をバックに小さな虫たちが飛んでいるのを見ている。その草原には、遠くの方に森がある・・・そんなシチュエーションでこの曲を聴けたらいいだろうなあ・・・などと、とりとめのないことを思ってしまう。
その一方で、小さなカフェで、数名による少数編成のオーケストラの生演奏で、この曲を聴いてみたくもある。
そして、そのカフェの名前が「ペンギンカフェ」だったら、「まんま」だよね(笑)。
まずはジャケットを見ながら↓
http://www.youtube.com/watch?v=FsNJLqHWcY8
映像が楽しい,こちらもお薦め↓
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