たとえ地震が来ようと。
たとえ原発問題が深刻な汚染問題を引き起こそうと。
変わらず春はやってくる。
変わらず桜も咲く。
春も桜も、何事もなかったかのように、当たり前のように。
今は4月。春が来て、桜が咲く季節。
今日は、4月にちなんだ曲を1曲紹介。
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ハードロックファンにとっては「泣く子も黙る」バンド、ディープパープル!
今じゃ、ツェッペリンと並んで「伝説のハードロックバンド」として記憶されている。
パープルといえば「ハイウェイスター」や「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「ブラックナイト」などを思い出す人が大半だろう。
実際、それらの曲はパープルの代表曲であるのは間違いない。
だが、私がここでとりあげたいのは「4月の協奏曲」という曲だ。
4月・・というのは、私の感覚としては決して物悲しい感じの月ではない。
桜は咲くし、入学、新学期の季節だし、だんだん気候が暖かくなってくる時期だし、むしろどちらかというと明るいイメージがある。
この曲は物悲しさ、格調高さ、激しさの要素がある。
私にとっては第1部の「物悲しさ」が印象的なのだが、4月というのはヨーロッパの方では物悲しい時期なのかな?
この曲は、パープルのサードアルバムの最後に入ってた曲だ。
12分もの長さの大作曲である。
原題は「April」。
この時期のパープルは、第1期と呼ばれる時代で、ボーカルにロッド・エヴァンスがいた時期である。
ギターはリッチー・ブラックモア。
キーボードはジョン・ロード。
ドラムはイアン・ペイス。
ベースはニック・シンバー。
このサードアルバムは、この「4月の協奏曲」という1曲に惚れこんで買ったのだった。
高校の時だった。
普通、パープルのアルバムは「インロック」や「ライブインジャパン」あたりから入りそうなものだが、私はこのアルバムで入った。
このサードアルバム、最初は数回アルバム全体を聴いたが、だんだんこの「4月の協奏曲」しか聴かなくなっていった(笑)。
なので、今となっては、他の曲はよく覚えていない。
だが、この曲だけは別。
曲は3部構成になっており、特に第1部が大好きだった。
ギターとキーボードのアンサンブルが絶妙の、短調による哀愁のメロディとサウンド。
なにやら日本人好み・・そんなテイストがある。
ハードロックが人気あったのは、ハードロックにはそういう翳りや哀愁のある短調の曲がけっこうあったからではないかなあ。
かく言う私も、ハードロックのそんな点も好きだった。
例えばグランドファンクの「ハートブレーカー」、ツェッペリンの「天国への階段」、ユーライヤ・ヒープの「七月の朝」、レインボーの「虹をつかもう」などなど。
第2部は、クラシックみたいな感じになり、第3部になってやっとボーカルが入ってきて、ハードロックっぽくなる。
クラシックとハードロックの融合・・というものを目指していたのがよく分かる仕上がり。
クラシックとロックの融合・・というのは、けっこういろんなミュージシャンが試みていた気がするが、この時期のパープルは、その中の1グループだった。
この曲、全体的にはギターのリッチーと、鍵盤のジョン・・の2枚看板ぶりが印象的だが、どちらかというと鍵盤のジョン色の方が強いかもしれない。
この曲、ライブで披露されたことはあるのだろうか。
パープルはこの後第2期に入った。
あのイアン・ギランという名ボーカリストが加わったのが第2期で、この第2期こそがパープルの黄金時代だった・・とはよく言われる。
少なくても第2期に入ってからは、この「4月の協奏曲」はほとんど演奏されなくなっていったのではないだろうか。
実際この曲をライブで再現するのは、中々難しいだろう。
特に曲の第2部。
第3部になって歌が入ってくると、なにやら普通のハードロックっぽくなってしまう点が少し拍子抜けするが、それでも第1部の素晴らしさは、圧倒的なのだ。
今聴くと、古さみたいなものも多少感じるが、逆に言うと、今「新作」としてこういう曲に出会うことは、まず無い。
だから、かえって新鮮かもしれない。
この曲の第1部だけでも、どこかで何かの音楽として使われないものかなあ。
ともあれ、「4月の協奏曲」は、ディープパープルの「隠れた名曲」の一つだ。
ここは時間の外です。
ようこそ。
4月の協奏曲は、もうすこし知られてほしい曲ですよね。
どうもディープパープルの曲の中では埋もれているように思えてなりません。