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ソノシート紹介シリーズ(第3部) 26  「少年忍者 風のフジ丸」

2012年02月13日 | 漫画・アニメ、そして特撮

長らく、このブログの名物企画(?)として続けてきた「ソノシート紹介シリーズ」。

いよいよ、エピローグともいうべき、第3部に入る。

とはいえ、この第3部は、すぐに終わってしまうことになる。

というのは、第3部で取り上げるのは、私自身が今も持ってる、黎明期アニメの当時のままのオリジナルソノシートだからだ。数は極めて少ない。

私が少年時代に持っていたオリジナルソノシートは、いつしか親に捨てられてしまって、一切残ってない。

だが、以前某ショップに行った時に、昔のオリジナルソノシートがプレミア値段で売られていたのを見て、「高いなあ」と思いつつも、衝動買いしてしまったことが2回ほどあるからだ。

で、今回紹介するのは、その2作の中の1作。

作品は「少年忍者 風のフジ丸」である。正真正銘の、当時のオリジナルソノシートである。

なので、ソノシートという薄いレコード(?)も収められている。

 

「風のフジ丸」。

ウィキペディアによると、1964年6月7日から1965年8月31日までNETテレビ(現テレビ朝日)系列で放送された東映動画製作のテレビアニメで、全65作・・・とある。

更に付け加えると、放送時間は1964年6月から12月までは18時30分 ~19時で、1965年1月から最終回までは火曜19時30分 ~20時・・とのこと。

 

原作は白土三平の「忍者旋風」。

だが、個人的感覚で言うと、「忍者旋風」と「フジ丸」は別物だった。

主人公の顔も名前も違うし、物語の流れも違うように思えた。

ただ、キャラだけは、しっかりと白土三平だった。

特に脇役のキャラデザイン。

大きな流れや作品自体の雰囲気は「忍者旋風」をベースにしながらも、テレビアニメオリジナルの作品が「フジ丸」・・・そんな印象を私は持っていた。

 

白土先生の描いた「風のフジ丸」という漫画は存在しない。

その代わり、別の漫画家が描いた「風のフジ丸」という漫画はあった。

それこそ、テレビアニメ「風のフジ丸」の漫画版であった。

漫画版を描いていたのは、久松文雄先生。そう、あの「スーパージェッター」や「冒険ガボテン島」で知られる漫画家だ。

アニメ放送に合わせて、アニメ版の漫画化を久松先生が担当したということだろう。

漫画版のフジ丸は、若干アニメ版とは目の形や微妙なタッチがアニメ版とは違っていたが、それは微々たる違いで、むしろ久松先生なりのタッチでアニメ版に則した内容になっていた。

フジ丸の目が、アニメ版よりもパッチリしていた。そう、スーパージェッター風のあのパッチリとした目だった。

全体的にはアニメ版と違和感はなく、久松先生の描くフジ丸漫画も私は好きだった。

久松先生の絵柄はジェッターのイメージがあったので、オリエンタルな香りの漂うアニメ版フジ丸キャラとは違った、モダンなフジ丸にも思えた。

 

アニメ版「フジ丸」では、テーマソングの最後に、当時のスポンサー藤沢薬品のメーカー名が主題歌に組み込まれていた。

「鉄人28号」や「遊星少年パピイ」にも通じる手法。

フジ丸・・・という名前は、スポンサーの名前をもじってつけられたものでもあるらしい。

 そういうことを考えると、やはり「風のフジ丸」は、テレビアニメのオリジナル作品と考えたほうが早いと思う。

 

 

フジ丸を見てると、それはそれでアニメ版も漫画版も私は大好きだったが、それとは別に絵柄もストーリーも白土先生の忍者作品のままのアニメ化を私は切望してたのだが、それは後に「サスケ」でやっと実現した。

なので、「サスケ」にも熱中したものだった。なけなしのお小遣いをためて、「サスケ」のソノシートを私は買った覚えがある。

 

忍者といえば、その流派としては伊賀と甲賀があまりにも有名。

だが、フジ丸では、第3の流派・・みたいな捉え方で「風魔」という流派がでてきた。

今でこそ私は風魔という流派がどういうものであったかを文献で読んで少しは理解してるが、フジ丸放送当時は知らなかったから、「風魔」という名前の響きの流派は新鮮で興味津津であった。

なんといっても「風魔」という言葉の響きがいい。風の魔。魔の風。で、忍者集団(当時の呼ばれ方は、忍者というより乱波)。・・・う~ん、かっこいい。

私が風魔という忍者流派を知ったのは、フジ丸からであった。今では風魔という忍者集団をご存じの方も多いかもしれないが、その名前を現代に広めるのに、フジ丸は少なからず貢献したと思う。

当初、風魔というのはアニメや漫画の架空の流派だと思ったもんだが、その後忍者のことをあれこれ調べるうちに風魔という乱波集団が本当にいたことが分かった時は、けっこうワクワクしたものだった。

 

中学の頃、私は白土先生の「カムイ伝」を読み干し衝撃を受けた。

大学の頃になると、より本格的に忍者のことが知りたくなり、あれこれ歴史文献を読みあさるようになった。

社会人になってからは、実際に伊賀にも甲賀にも旅したりした。

その根底は・・・子供の頃に見た、この「風のフジ丸」がある。

その意味では、私の忍者趣味の原点でもあるといえる。そう、私の忍者への興味は、この作品から始まった・・そう言っても過言ではない。

なので、私にとってはとても意義深い作品でもあり、思い入れは非常に深い。大好きだった。

これがあったから、後の「仮面の忍者赤影」も「サスケ」も「カムイ」も「ワタリ」も好きになれたのだと思う。

 

当時、子供たちの間で「木の葉がくれ」ごっこが流行ったりしてたが、それはこの「フジ丸」の影響であることは言うまでもない。

片手を上にのばし、さらに人差し指を立てれば・・・・うずまき状の風が巻き起こり、そのうずまき状の風に無数の木の葉が乗り、風と木の葉が一体となって相手に襲いかかる。

襲われた相手は「うわっ!」とひるむが、次の瞬間我に返ってあたりを見渡せば、あら不思議。つい今まで目の前にいたはずのフジ丸は、忽然と姿を消している・・というわけだ。

 

この術で相手を殺せたか・・というと、そういう記憶は私にはない。

あくまでも敵から姿をくらます術で、どちらかというと「目くらまし」「幻術」の類のような気がするが、視覚効果は抜群であった。

敵を殺すのではなく、敵から姿をくらます術・・というあたりが、忍者っぽかった。

これが、もしも主人公が剣士であったなら、相手を斬り伏せる必殺技だったかもしれない。

 

「火炎がえしの術」は、敵が口から火を噴いてその火が自分を襲ってきた時に、渦巻き状の風を起こして、その火炎を敵に返す術だった。

それは、オープニングテーマかエンディングテーマのラストに、そういうシーンが描かれていたと思う。

「風のフジ丸」というタイトルからして、風をあやつる忍者だった・・ということか。

 

 

フジ丸は風魔の忍者ではあるが、風魔のボスに騙されていたことを知り、風魔のボスと戦うことになった・・・そんな気がするが、そうであったとしたら、フジ丸もカムイ同様に「抜け忍」だったことになるが、その後彼はどうなったのだろう。

カムイ同様に、ずっと追われ続けたのだろうか。

フジ丸があやつった風は、今はどこを吹いているのだろうか。

 

  

 


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