ジムノペディ。言わずと知れた、サティが作曲した、クラシックの名曲である。
個人的には、この曲は、クラシックというより、良い意味でポップスのスタンダードナンバーみたいな感覚を私は持っている。それぐらい私は親近感を持っている。
クラシックには、そういう曲がけっこうある。
例えば、ショパンの「別れの曲」などもそうだし、ベートーベンの「エリーゼのために」なども。
なぜ・・「ジムノペディ」や「別れの曲」「エリーゼのために」などに、クラシックでありながら、スタンダードポップスみたいな感覚を私が持っているかというと、割と答えはすぐに見つかる。
「別れの曲」は、昔、大林監督の映画「さびしんぼう」で、日本語の歌詞を付けて、女性シンガーが歌ったバージョンが使われたことがあったのが、私にとって大きいのかもしれない。
「エリーゼのために」は、昔ザ・ヴィーナスというグループが「キッスは目にして」というタイトルで日本語歌詞でヒットさせたイメージが私の中にある。
そして、「ジムノペディ」に関しては、私の大好きなゲームソフト「ぼくのなつやすみ」が関係している。
「ぼくのなつやすみ」・・略して「ぼくなつ」は、シリーズ化されて数本の作品が制作されているが、そのシリーズの中の、確か第2作目で、ゲーム中にBGMとして使われていたのが私にとってけっこう大きい。
「ぼくなつ2」では、主人公の少年が、夏休みの間だけあずけられた海辺の田舎街で、現地で仲良くなった年上のお姉さんの家に夜遊びにいくと、そのお姉さんの家の中でBGMとして流れていたのが、「ジムノペディ」だった。
そのお姉さんの家は昼間でも遊びにいくことができたが、夜に行くと、なんていうか、すごく幻想的な雰囲気があった。
いやなに、普通の家なのだが・・・・いや待てよ、考えてみれば、普通のようで普通ではないようなつくりの家だったような気もする。
窓が全面ガラス張りで、夜の闇の中に佇む、ちょっとした宇宙基地のようにも思える雰囲気があった。
階上にはドームみたいな部屋があり、その外観はちょっとしたプラネタリウムのようだった。それが個人的に宇宙的なイメージと結びついたのかもしれない。ドームみたいな部屋があるということだけでも、やはりちょっと独特なつくりの家だったと思う。
その家に夜遊びに行くと、まるで自分が、例えば月あたりにある宇宙基地の中にいるかのような雰囲気を私は感じていた。
家の中は静かで、お姉さんはその小さな宇宙基地のような家の中で、ドーム状の2階の部屋に続く階段に1人座っていて。
夜の家の中で、なにやらそのお姉さんは、孤独そうでもあった。
ちなみに、家の外も、田舎町だけあって、虫の声ぐらいしか聞こえないぐらい静かであった。
で、家の中に入ると、「ジムノペディ」がBGMとしておだやかに流れていた。
これが・・・非常に印象的で。
もしかしたら、そのお姉さんの家の中が、ちょっとした宇宙基地のように思えたのは、「ジムノペディ」という楽曲の影響もあるかもしれない。
だから、そのシーンが頭の中にこびりついているから、私にとって「ジムノペディ」は、私にとって宇宙を感じさせる曲なのだ。
お姉さんの家の中のBGMが「ジムノペディ」だったのは、私の記憶では、確か・・夜だけだった気がする。
「ぼくなつ」シリーズは、これまでにも何回かこのブログでも書いてきているが、私にとってもっとも好きなゲームシリーズのひとつ。
なので、ゲームの中には、お気に入りのシーンはいくつもある。
その中でも、この「ジムノペディ」が流れる、「お姉さんの家の夜」は、とりわけ印象深い箇所。
あ、お姉さんの家の夜・・・とはいっても、このゲームの主人公の少年は、小学校4年生くらいである。
なので、艶っぽい展開ではないので、念のため(笑)。
ジムノペディという曲は、当然有名な曲なので、昔から知ってはいたし、その静かな響きはどこか聖なるものも感じられて好きだったが、このゲームのおかげで、私の中では、楽曲と宇宙的イメージが結びついた。
それ以来、この曲を聴くと、広大な宇宙の中で、ゆりかごみたいなものに揺られながら眠りにつく、「広い宇宙の子守り歌」みたいなイメージが浮かんでくる。
音楽は、聴き手に視覚的なイメージを連想される曲は多い。
というか、大半の音楽がそうかもしれない。
で、その連想するイメージは、聴き手ひとりひとりに違いがある。
ジムノペディもまた、聴き手によって十人十色のイメージがあるだろう。
とりあえず、私にとっては、前述の通り「広大な宇宙に浮かぶゆりかごに揺られながら眠りにつく、子守り歌」だ。
で、それは「ぼくなつ2」が大きく影響している・・というわけだ。
ちなみに、このネタを書くにあたって、長年気になっていた、この曲のタイトルの意味を調べてみた。
すると、ネット上で、こんな説明を見つけた。
このタイトルは・・・
「古代ギリシアのアポロンやバッカスなどの神々を全裸で踊りたたえる「ジムノペディア」という祭典に由来している。そういう激しいお祭りの名前を冠した曲がこんなに静かなのは、実はこの曲はジムノペディのお祭りを描いた古代の壺を見て、サティが曲想を得たことによる。」
とのことであった。
https://www.youtube.com/watch?v=3439BgooWmQ
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