
坂崎さんと拓郎さんのラジオ番組に井上陽水さんが出た時。
色々興味深い話が聞けたのだが、その中でフォーライフのクリスマスアルバムの話も出た。
泉谷さんや小室さんもそうだが、特に当時、人気絶頂だった拓郎さんと陽水さんが一緒に組んでアルバムを作るということで、拓郎さんは相当なセールスを期待していたらしい。
ところが、いざ発売されてみると・・・・・皮算用(?)には程遠いセールスしか残せず、ネット上の情報によると、それによってフォーライフの屋台骨が揺らいだ・・・とあった。
私は当時フォーライフには大きな関心を持っていたし、特に拓郎さんと陽水さんにはドップリはまっていたので、このアルバムの完成にも大きな関心を持っていた。
拓郎さんと陽水さんの当時のアルバムは私は集めていたし、当然このアルバムも買うことになるだろう・・と自分では思っていた。
だが・・
いざ発売されてみると、自分でも意外なことに、このアルバムは・・・結局買わなかった。
もちろん内容には関心はあったので、幸いなことに友人がこのアルバムを買ったことを知り、その友人の家に遊びに行って、聴かせてもらったのだった。
私に多大な影響を与えた両横綱である拓郎&陽水の夢の共演作でありながら、なぜ私はこのアルバムを買わなかったのだろう。
もちろん、私はフォーライフの4人のシンガーにはリスペクトの気持ちはあったし、彼らの曲は1曲でも多く聴きたいという思いはあったが、それ以外にもレコードを買いたいシンガーのアルバムはたくさんあった。
私は邦楽だけでなく洋楽にも熱中していたので、拓郎や陽水のアルバムだけでなく、洋楽ではディランやビートルズ、二ールヤング、レッドツェッペリン、スティービーワンダー、エルトン・ジョンその他・・・邦楽でもチューリップ、友部正人、みなみらんぼう、リリィ、その他、欲しいアルバムはたくさんあった。
でも、貧乏学生の身分としては、そうそう片っ端から買えるわけもなく、通常は一カ月に1マイのLPを買うのがせいいっぱいだった。
なので、一カ月に一マイのアルバムを買う時は、相当吟味した。
でも、このクリスマスアルバムは、拓郎と陽水、泉谷、小室の4人分の音楽を聴けることになるので、本来なら相当「お得」なはずだったのに・・・・買わなかった。
なぜ買わなかったのか。
その理由は、友人の家でこのアルバムを聴かせてもらった時に、感じた印象が、その原因の一つとして大きかったのでないだろうか。
このアルバムを友人の家で聴いた時に感じたことは・・・
「あれ、参加者全員がこのアルバムのために新曲を書いた・・というわけではないんだ・・」ということだった。
もちろん、企画モノとしては素晴らしいと思った。
やはり、当時話題の中心にいた四人が揃って1枚のアルバムを作ったわけだからね。
だが、ディランやビートルズやツェッペリンなどのアルバムを買わないで、このアルバムを選ぶ買う・・までにはいかなかった。
まず、クリスマスアルバムであるということ。クリスマスアルバムは、クリスマス近辺に聴くにはいいけど、それ以外の時期にはあまり聴かないだろうということ。
あと、全体的にメンバー自作の新曲が少なすぎて、カバー曲が大半だったこと。
一カ月に1マイしか私はLPを買えなかったこと。
この3つの理由が大きかったんだと思う。
この当時、私が聴いていたシンガーは、自分で曲を作って演奏するシンガーやグループのアルバムばかりだった。
なので、私が買うアルバムには、シンガーの自作曲を期待していたのだった。それも、そのアルバムのために書き下ろした新曲を期待していたのだった。
もしも、このクリスマスアルバムが、どんなアルバムだったら、ビートルズやディランやツェッペリンを差し置いて、このアルバムを私は買っただろうか。
それは
このアルバムは全部で14曲収録されているので、4人のシンガーソングライターが一緒になって1枚のアルバムを作るのであれば、各自のリードボーカルでまずは民主的に各自3曲づつ録音。それだけで12曲になる。
で、残り2曲は、4人で一緒に歌うということで。
まあ、ここまではこのアルバムでもほぼ守られていた。
更に、各自の分担である「各3曲」であるが、できればどれも自作の新曲であってほしかった。
それがベストではあるが、クリスマスアルバムであるということにこだわるならば、各自3曲のうち1曲はクリスマスソングなどのカバーで、残り2曲枠だけでも、各自がこのアルバムのために書き下ろした新曲であってほしかった。
もしも、収録曲が、どれも4人の自作曲であったなら、「ナイアガラトライアングル」(←これは3人のシンガーソングライタにによるアルバムだったけど)みたいになったかもしれない。
で、更に欲張った意見で言えば・・・
曲によっては、せっかく大スター4人の共演なのだから、4人のシンガーソングライターが、それぞれの組み合わせで曲を共作していたりしててくれれば・・・こりゃもう、絶対にディランやツェッペリンを差し置いて、そのアルバムを買っただろうなあ。
考えてもみてほしい。
拓郎さんと陽水さんの共作による曲とか、泉谷さんと小室さんの共作曲とか、拓郎さんと泉谷さんの共作曲とか、小室さんと陽水さんの共作曲とかが収められていたら、更には4人の共作曲でもあれば・・・・まさに夢のアルバムになっただろう。少なくても私にとっては。
更に、めったにない機会であるということで、普段4人が自分のソロ名義では作らないような異色の傾向の自作曲でも混ぜてくれたら、・・そんなアルバムが発売されたら、私は居てもたってもいられないぐらい欲しくなっただろう。
まあ、4人が揃って1マイのアルバムを作る・・・ってだけでも夢の組み合わせだったのだろうから、それ以上に4人が曲を共作するってのは、あまりにも難しいことなのかもね。
少し話がずれるが・・・
ゲームに「ドラクエ」という超メジャーなゲームシリーズがあるのは、皆さんご存知の通り。
私はドラクエは1から9まで、正式シリーズ作はこれまで全て買ってクリアしてきた。
だが、ドラクエには正式シリーズ以外にも、番外編みたいな作品もある。
例えば「トルネコの不思議なダンジョン」とか「ドラゴンクエストモンスターズ」など。
私はかなりのドラクエファンではありながら、その番外編に手を出すのは、少し時間がかかったし、最近では番外編は買わないことも多い。
今回ネタにしているフォーライフクリスマスアルバムは、私にって番外編みたいな感じがした・・・きっと、リアルタイム当時そう思ったのだろうと思う。
そういえば、近年、あのボブ・ディランがクリスマスアルバムを出した。私は即購入し、このブログでも取り上げたことがある。
けっこう、楽しんできくことができた。
だが、私が高校時代・・・・貧乏学生で、一カ月に1マイしかアルバムを買えなかった時代に、ディランのクリスマスアルバムが出てたら、・・・・買わなかった可能性は高い。
逆にいうと、今回取り上げたフォーライフのクリスマスアルバムが、4人がピークで、しかも私が社会人になって出たアルバムであったなら、きっと買っただろう。
となると・・・フォーライフのクリスマスアルバムを私が買わなかったのは、アルバムを買うことに費やすお金の「余力」がなかったから・・・ということだろう。
1カ月に1マイしかアルバムを買えないんじゃ、聴く期間が限定されがちなクリスマスアルバムよりも、各アーティストの正式な新作ナンバリング(?)タイトルアルバムか、もしくはグレイテストヒットアルバムを、どうしても選んでしまうだろう。それは、多分今も。
なので、フォーライフクリスマスアルバムが、イマイチであるということではない。
むしろ、今となってはかなり貴重なアルバムであると、私は思っている。
なので、リアルタイム当時よりも、今現在のほうが買って聴きたいアルバム・・・といえるかもしれない。
ともあれ、スター同士が集まって共同で新録音によるオムニバスアルバムを作るというのは、難しいことなんだろうね。
特に、既成の曲を集めたオムニバスではなく、新曲で作るとなると。
個人的には、ビートルズのホワイトアルバムのように、優れたソングライター同士が互いに刺激し合って、新曲を作って持ち寄って競うオムニバスアルバムを聴いてみたい。
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