博多の音楽の聖地であるライブ喫茶「照和」を出た私。
この日の夕飯は博多名物の屋台で食べる予定だったのだが、屋台が営業を始めるのは18時くらいから。
ということは少し時間が余る。
橋の喫煙所で屋台が始まるのを待っていたら、川のほとりで遊覧船の呼び込みの声がした。
↑橋の上でしばらくボ~ッと那珂川や町の風景を見ていた。屋台が営業開始するまでは、まだ少し時間があった。
↑この橋のわきで、那珂川遊覧クルーズの呼び込みが。
船を見てみれば、客がいない(笑)。
だから、スタッフは必死に呼び込みをやっていたのだろう。
たいした金額ではなかったし、また、屋台が始まるまで少し時間があったので、時間つぶしに遊覧船に乗ってみた。
クルーズの所要時間は30分ぐらいだそうなので、格好の時間つぶしになるとも思えたし。
↑那珂川遊覧クルーズ、乗り場。スタッフが、船に花を飾りつけていた。
↑クルーズ船に乗ってみた。客は、まばら。
そして、乗船。席はよりどりみどりだった。
出港してすぐ、中洲の屋台横丁が準備を始めている光景が見えてきた。
↑有名な、博多の中州の屋台横丁。屋台が営業前の準備をしていた。
その後、船は進路を逆方面に変え、海方面に向かって進み始めた。風が心地よかった。
初めてみる博多の街を、川から眺めるというのはまたオツなものだった。
↑出港。所要時間30分くらいなら、ちょうどいい時間つぶしになる。
↑橋が近づく。低い位置にあるので、つい頭をかがめてしまう。
↑御覧の通りの、橋の低さ。 今、船は橋の下をくぐる。
↑橋をくぐってる最中。橋の低さは、けっこう圧迫感があった。立ったら、頭が橋にぶつかったかも・・。
途中、タワーやビルなど色んな建物が見えた。
↑海方面に向かって進むと、タワーが見えてきた。
↑博多ポートタワー。ここも博多の観光スポットなのだろう。
↑クルーズ船から見る、博多の町。
やがて船は海方面に出た、すると、はるか向うの海原に島影がいくつか見えた。
聞けば、その島の中の一つは、能古島だという。
↑クルーズ船から、能古島が見えるとは思わなかった。ただし、島の右半分しか見えなかったが・・。
能古島!
それは私にとって、昔からお馴染みの名前であった。
井上陽水さんのセカンドアルバム「センチメンタル」を私は好きだったのだが、そのアルバムの中の収録曲のひとつに「能古島の片思い」という曲があった。
アルバム「センチメンタル」には短調の曲が多かったのだが、その中で長調でひときわ輝いて聞こえていたのが「能古島の片思い」という曲であった。
その曲に惹かれていた私は、近年この曲を主題歌に使った映画「夏休みの巨匠」という映画も見ていた。その映画は、能古島が舞台の映画だった。
この島が福岡の近くの海にあることは知っていたが、予想以上に近いことがわかった。
船から見えた能古島は、島影の右端を少しだけ見せて、また建物の影に消えてしまった。
こうなったら、島全体を見てみたいなあ・・と思ったのだが、船は向きを変えて桟橋へ戻り始めていたので、諦めるしかなかった。
その後、船を降りてみれば、そろそろ屋台が営業を始める時間。
↑中州の屋台横丁。この日の私の夕飯は、屋台で食べるつもり。
↑屋台横丁は、博多の観光スポットでもある。むしろ、そういう側面のほうが最近は強くなってきている・・・とも聞く。かなりの賑わい。
それなりに知られていた屋台の席を首尾よくゲットした私は、つまみを数点オーダーし、ビールを飲み、最後には鉄板「とんこつラーメン」を食べてから、宿に向かった。
ちなみに、屋台の食べ物の料金は決して安くない。屋台ですきっ腹から腹いっぱいまで食べると、それなりの料金になる。
↑屋台に灯りがつくと、営業開始。どれに入ろうか、ちょっと迷う。値段は決して安くない。まあ、値段には観光代・場所代も含まれていると考えたほうがいいかも。
さて、博多の町のホテルで泊まり、翌日。それはこの旅最後の日。
実はこの旅行で私がたてた最終日のプランは、前日訪れた「照和」がもし何かの事情でお休みだった場合の、予備日に考えていた。
もし前日「照和」に行って、店がやっていなかったら、旅行の最終日に行き直そうと思っていたのだ。なんてったって私の「全47都道府県・完泊の旅」のゴールが「照和」だったから、店に入れずじまいでは悔いが残りすぎるし、第一ゴールした気がしない。
だが、前日無事に「昭和」を訪れることができたので、最終日はゆとりができた。
最終日、飛行機が飛ぶまで多少のゆとりがあったので、福岡タワーに行ってみた。
「日本全47都道府県・完泊」の旅のゴールを前日に終えた私にとって、福岡タワーは臨時ボーナスのようなものだった。
CDで言えば、ボーナストラックみたいな(笑)。
↑福岡タワー、入口。 私が着いた時は、雨が降っていた。傘をささずにはいられない、それなりの雨だった。
↑ 晴れてから、公園で撮った福岡タワー。
福岡タワーの上部に行った時、天候は小雨で、あたりには雲がたちこめており、視界がきかなかった。
展望台の解説を見ると、そこからは本来海原に「能古島」が見えるはずであることがわかった。
あきらめかけていた能古島の姿を見る絶好のチャンスなのに、天候のせいで・・。
幸い飛行機まではまだ時間があるので、天候が少しでも回復するのをそこで待ってみることにした。聞けば、雨はもうすぐやむようだったから。
↑ この看板から言って、視界が開ければ能古島が、ここから見えるはずなのだ・・。
↑当初、小雨で雲がたれこめ、まったく姿が見えなかった能古島だったが、しばらく待っていると天気が回復してきて、視界が開けてくると、御覧の通り能古島が見えてきた。
どれぐらい時間をやり過ごしただろう。
予報通り、雨はやみ、雲は切れ始め、眼下の海の視界が開けてきた。
すると・・・能古島の姿が見えてきていた!
福岡タワーからはすぐの距離の海原に、能古島は横長く浮かんでいた。
↑能古島は、陸地からすぐの距離であった。船に乗れば気楽に行き来できそうだ。
もう1泊できれば、私はきっと・・・能古島に渡ったことだろう。
場合によっては、島に1泊したかもしれない・・。
せっかく視界が開けてきたので、タワーからあちこちを見てみた。
↑ヤフードーム方面、ドームは高いビルの向こうにあった。
↑福岡タワー近辺の町風景。
↑福岡タワーから海方面を見ると、正面眼下に見えた施設「マリゾン」。ここはウエディングアイランドということで、「海の上の結婚式場」らしい。こういう場所で結婚式をあげると、リッチな気分になれるんだろうなあ。
なんとなくこのまま帰るのが名残惜しくて、タワーを降り、浜辺に行って、そこからも能古島を見てみた(この日記のトップ写真もそうだ)。
↑浜辺から撮った能古島。海の向こうがそうだ。けっこうリゾート地らしい。
↑ トップ写真を、少し寄って撮ってみた写真がこれ。能古島は、フェリーで約10分たらずで着くらしい。船の乗船値段もたいして高くないので、気軽に行ける場所なのだろう。
ついでに、おまけ写真を。
↑福岡タワーのすぐ近くの浜が、海浜公園になっていた。
↑このへんは「サザエさん通り」と名付けられているらしい。作者の長谷川町子さんは子供時代を福岡で過ごしたそうで、なんでもこのへんのエリアで「サザエさん」という作品のメイン登場人物の着想を得たらしい。それにちなんでの「サザエさん通り」というネーミングらしい。
今回の旅では福岡での滞在はたった1泊。正直、物足りない。
博多は私の中でイメージがすごく良いし、また来る機会はあるかもしれない。
その時は・・あの能古島に渡ってみよう。
そう思い、私は東京に帰る飛行機に乗るために、福岡空港に向かった。
そして・・・無事に福岡空港を飛び立った飛行機の中、私は今回の旅行で「日本全47都道府県・完泊」の旅が完結したことに、ささやかな達成感を感じていた。
「これで・・日本の全ての都道府県に泊まったぞ」と思いながら。
考えてみれば、極めて自己満足なテーマではあった。
他人が見たら「だから何なの?」とでも言われかねないし、実際その通りかもしれない(笑)。
でも・・つまらないこだわりではあったかもしれないが、私の中では「一区切り」がついたような気がしている。
全47都道府県に泊まったとはいっても、厳密には手薄な県もある。個人旅行では行ってない都道府県もある。
例えば、京都は修学旅行や、社員旅行や、出張で泊まった。
大阪は、少年時代の家族旅行、そして出張で泊まった。
兵庫県は、友人宅泊、そして社員旅行で泊まった。
宮崎は、社員旅行で泊まった。
沖縄も、社員旅行でだった。
上記の場所は多少なりとも私の中で「手薄」かもしれない。個人旅行では行ってないぶんだけ。
でも、それを言い出したら、キリがなくなってしまう。
これからは気分次第であちこち行ってみたい。一度行った場所でも、また行きたい場所も多いし。
もちろん、上記の「手薄」な場所に行くこともあるだろう。でも、それは「日本全47都道府県・完泊」の旅ではない。もうそのテーマは達成したのだから。
「全47都道府県・完泊」のラストのゴール地に選んだ福岡県は、あえて最後にとっておいた感が私の中で存在する。
それは博多に「照和」があったからだった。
「照和」をゴールにしたいから福岡県は最後になったが、もうその「縛り」は外れたので、福岡県にも気軽に行ける気はする。
ともあれ・・・私の自己満足企画「日本の47都道府県全てに泊まる旅」シリーズは、これにて完結です。
読んで下さり、ありがとうございました。
↑福岡空港。だが、ロゴは見つからなかった・・。ないのかな・・??
最後にこの曲を。↓
https://www.youtube.com/watch?v=sgyvBtUAiw
福岡タワー近辺では、絶えずこの曲が私の頭の中で流れていた。
「能古島の片思い」私も大好きな1曲です。
いい所ですよ、四季折々の花はもちろん、キャンプやマリンスポーツも楽しめ、
ちょっとした離島気分も味わう事ができる…福岡市民なら必ず一度は訪れると言われている島です。
地名のついた曲でもうひとつ思い出すのが、チューリップの「千鳥橋渋滞」。
先にコメントした須崎公園からまず那珂川を渡り、
しばらく行くと御笠川にあたります。
そこに架かっているのが「千鳥橋」です。
あ、チューリップには「博多っ子純情」なんてのもありましたね〜
両方ともボーカルが姫野さんで、作詞が先年亡くなった安部さんでした。
長谷川法世さんの漫画との直接的な関わりは定かではありませんが、
松竹で映画化された時はチューリップも出演してたとか…
ちなみにあの漫画の主人公だった郷六平と小柳類子(笑)は、
博多の新しい銘菓「博多通りもん」CMキャラクターとして活躍してます。
私ならどこをゴールにしようかしらと考え始めました。
でも、タイトルに出てくるので、十分「ご当地ソング」。
私の後輩で福岡に住んでる後輩がいるんですが、能古島にはまだ渡ったことがないそうです。
なのでいつか能古島に行く時は、福岡のどこかで呼び出して、酒でも飲みたいと思ってます。
千鳥橋渋滞、知ってます。というか、LPで持ってます。
どこかビートルズのアルバム「アビーロード」のB面を彷彿させるサウンドですね。
こう考えると、チューリップの曲には故郷の博多が題材になった曲は多いんだなあと実感します。
故郷を愛してるんでしょうね。
極めつけは、「たえちゃん」という曲で、すごい曲に仕上がってます。
私のこのブログで取り上げたこともありました。
ちなみに、「能古島の片思い」が入ってる、陽水さんのアルバム「センチメンタル」は、私は陽水さんのアルバムの中で一番好きなアルバムです。
私の旅行は、音楽と結びついていることが
多いんですよ(笑)。
今回の旅行もそうでした。
照和でゴールし、能古島は余韻みたいな感じでした。
友人に「無限軌道」のLP借りて聴いた憶えがあります。
ラジオでは放禁扱いになってたのか?
私が聴いたレコードでは冒頭の固有名詞と後半の「へそ下三寸なにがある〜♪」の後に
雑音というか歓声というか、不思議な音がかぶさってました。
後年、無修正版というのも聴きましたが、あれって歌詞が何種類かあったでしょうかね…
当時チューリップにしては、変な曲だなって思ってました(笑)
フォークの方って実験的というか、遊び心のある曲を歌ってますね。
社会風刺をコミカルな曲にしたもの、ただ単にヘンテコでおかしな曲…
MCじゃなく歌ってる間、客席がどっかんどっかん受けてるんですもんね。
ちなみに私はNSPさんの「便所虫(なんてタイトルだ!)が好きでした(笑)
確か「サボテンの花」も入ってたアルバムで、内省的な曲に良い曲がありました。
名作アルバムでした。
当時、たえちゃんを初めて聴いた時、かなりインパクトを感じました。
すごい曲でした。
放送禁止になったのは残念でした。
確かに当時のフォークシンガーは、アルバムの中に、遊び的な曲を入れる人は多かったですね。
便所虫?すごいタイトル(笑)。
日本列島制覇された、だんぞうさんが新たな目的地は、能古島に決まりですね(笑)。
日本列島制覇されたこと、そして予てより最終的ゴールとしていた「ライヴ喫茶“照和”」にも到着して、無事に見学できたこと。
いづれも最高の強運の持ち主でなければ、実現不可能ですよ(^^;)
それから「日本列島制覇の歌」構想を練られては如何ですか?
実現すれば、「東海道鉄道唱歌」のように長い歌になりそうですね♪
まあ、能古島もそのなかのひとつですが、他の候補もかなり惹かれるものもあって。
照和は、ひとくぎりにはなりました。
店が存続してくれていてよかったです。あの店を愛する人たちのおかげです。
日本列島制覇の旅の歌?(笑)
歌詞がいくらあっても足りなくなりそうです(笑)。