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人をどう呼ぶか。案外、難しい。

2016年07月17日 | 日々の、あれこれ

人をどう呼ぶか。案外、難しい。

 

誰かの名前を呼ぶ時、日本語には何種類かの呼び方がある。

この場合、肩書きによる呼び方は、とりあえず置いておく。

 

「○○さん」。

「○○君」。

「○○様」。

「○○」(呼び捨て)。

「○○ちゃん」。

「愛称」。

「○○氏」。

「○○りん」。

「○○たん」。

「○○公」。

「○○やん」。

 

 

・・他にもあるだろう。

 

このうち、「りん」とか「たん」「やん」などは、愛称の一種みたいなものだろう。

「公」は、敬意を持って呼ぶ場合と、相手を見下している場合とがある。

「氏」は、ちょっと距離のある感じ。

「ちゃん」は、親しみをこめた言い方ではあるが、時と場合と相手によっては、馴れ馴れしい場合もあるだろう。

「様」は、へりくだったり、仕事相手に粗相のないように気を使った言い方か。

呼び捨ては、それができる関係は遠慮や距離のない相手だったり、敵意がある場合だったり。

 

一般的なのは、やはり「君」とか「さん」だろう。

特に「さん」。

 

「さん」が、一番あたりさわりがなく、使用範囲も広い。使い勝手やバランスが一番無難な感はある。

 

上記のように、日本語での人の呼び方は何種類もあるが、相手に対してどう呼ぶかというのは、けっこうデリケートな問題ではある。

 

けっこう迷ってしまうことがあるのが、何十年ぶりかで再会した同窓生。

学生時代に親しかった人とか、卒業後も付き合いが続いていた人なら、昔と同じ呼び方で自然に呼べる。

学生時代にほとんど交流がなかった相手や、クラスが違って知らなかった相手なら、何十年ぶりかで会った時に、多少距離をとった感じで「君」で違和感ない。

困るのが、学生時代に、たまに話した相手で、しかも学生時代には愛称などで読んでいた相手。その愛称にしても、自分が言い出したわけではなく、クラスの他の人たちが皆その愛称でその人のことを呼んでいたから、自分もそれに合わせてその愛称で呼んでいた相手。

こういう人に対して、何十年ぶりかで会った時に、相手をなんと呼ぶかで迷うことがある。

 

昔と同じように、昔の愛称で呼んでいいものかどうか迷ったりする。

 

あと、異性・・・というか、女性。

学生時代に呼び捨てで呼んでいた女性に対して、何十年ぶりかで会った場合、昔と同じように呼び捨てで呼ぶのも憚られる。

特に私などは、当時女生徒と話すのは苦手なほうだったから、さほど私の方からは話しかけなかったような気がするし、男友達と同じくらい友人として仲がよかった女生徒はあまりいなかった気がするから、なおさら。

 

 

ネットで知り合った人とオフ会などで初めて会った場合は、リアルでは初対面ということになるから、普通の初対面の人と同様に「さん」で問題ないし、スッキリしている。

 

以前、あるコミックを読んでて、昔大企業に勤めてそれなりの肩書きのあった人Aが定年退職して、小さな下請け企業に再就職して、昔大企業に勤めていた時にツテのあった仕事相手に営業で再び会いに行った時に、大企業に勤めていた時と同様に相手を「ちゃん」で呼ぶくだりがあった。

その時、その営業相手Bは、「もう、その慣れ慣れしい呼び方で私を呼ぶのはやめてほしい」ときっぱり言うシーンがあった。

Aが大企業に勤めていた頃にはBは我慢もしてたが、Aが大企業をやめてからもその呼び方を続けられるのは不愉快だったのだ。そこに相手の「上から目線」を感じていたのだった。それはAが大企業にいたころから、Bとしては不快感を持っていたからだ。

仕事上での「相手の呼び方」は、互いの所属先の力関係によって変わるのだ。

 

そういう力関係ってのは、相手の呼び方に影響を与えるものだ。

なので、力関係が逆転した時には、以前のような力関係での呼び方は、仕事に支障をきたしたりする。

まあ、それに関しては、企業同士の力関係に頼らない、人間対人間の信頼関係や親しさがあれば、「もうその呼び方はやめてくれ」という展開にはならなかっただろう。

Aは、人間対人間での信頼関係を築けずに、企業同士の力関係での接し方しかしてなかったから、退職した時にそのツケが出た・・ということだったろう。

 

 

だが、利害関係がない間柄なら、単に相手との距離で呼び方は変わるし、ある時を境に互いの呼び方を変えることで、それまでより距離が縮まったりもする。

まあ、その逆もあるけど。

 

なんにせよ、相手をどう呼ぶか・・というのは、けっこう重要なことではある。

 

「さん」が一番最大公約数的な呼び方にも思えるし、幅広く使えるようにも思うので、一番使用頻度が高いのだろう。そういう意味では、便利で、しかも重宝する呼び方ではある。

 

「さん」で始まって、そこから距離が縮まれば、愛称かそれに近い呼び方に変えていけばいいのだし。

それができたら、相手との距離もより近くなる。

 

 

ともかく、相手をどう呼ぶか・・・というのは、デリケートなことであり、けっこう難しい問題ではある。

利害関係でのつながりの中でも、仕事上の必要性から相手との距離を縮めたい時や、仕事上の必要性があったとしても相手と意気投合した時に「友人」としても付き合いたい場合など。その場合、プライベートな趣味が一緒だったりすると、関係を促進するだろう。

 

歴史上の人物に対しては、多くの人が呼び捨てが多い。だが、最近、歴史上の人物をデフォルメして捉え、「さん」とか「愛称のような呼び方」で呼ぶ場合もある。

まあ、その場合は、その歴史上人物に対して親しみや愛情をこめてる場合は多い。その人物自体とうに亡くなっているわけで、失礼であるとかないとかの基準は超越している。

だが、もしもタイムマシンなどでその人に実際に会う機会があったら、失礼千万になり、処罰されかねない(笑)。

例えば織田信長の面前で、信長を「信ちゃん」なんて呼んだら、「無礼者!」と言われその場で処刑されかねない。

まあ、そのへんは極端な例ではあるし、ある意味「ありえない関係」だからこその「遊び」でもあるわけで。

 

 

なんにせよ、相手を「さん」で呼ぶか、「君」で呼ぶか、呼び捨てにするか、「様」が必要か、あるいはその他。なまじ種類が何種類もあるだけに、このへん日本語は大変ではある。

日本語を学ぶ外国人の方は、そのへん苦労されていることだろう。

日本人でも大変だったりするぐらいだから。

 

さて、貴方は誰かを呼ぶ場合、その人をどう呼ぶかの基準はどうしていますか。

前述のように、デリケートな問題ですし。相手をどう呼ぶか、けっこう迷ったりすることって、ありますよね。

 


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