NHKの長寿番組「みんなのうた」。
この番組は私が子供の頃から放送され続けている。
そうそういつも見てたわけじゃないが、テレビをつけてて、たまたまこの番組が始まり、そのまま見入ってしまうことはけっこうあった。
この番組、いい曲をかなり世に出してきている。
私がこの番組を見てて気に入った曲は数多い。
だから、いちいち「お気に入りの曲リスト」をあげるとなると大変なので、それはやらない。
今回は、幼い頃にこの番組を見て、どうにも忘れられない1曲をピンポイント的に取り上げてみたい。
その1曲とは「海の底から」という曲だ。
夏が終わろうとしてる今、こんな「海の歌」を思い出してみるのも悪くない。
この曲が放送されたのは、私が極めて幼少だった頃だけ。
当時は録画できる機械がなかったので、この曲を見たり聴いたりした記憶は、この曲がリアルタイム放送された1回・・というか1週間(?)だけだ。
確か、1週間放送されたと思うからね(記憶違いだったら、ごめんなさい)。
それ以来、歌入りの音源は一度も聴いた事もなければ、映像を見た事も無い。
だが、その時の映像の一部、曲の1部は今も覚えている。
もう何十年も前の放送だったにもかかわらず。
それだけ、この曲が私にとって印象的だったということだろう。
映像はモノクロで、海の中の風景だった。
まあ、歌詞がそういう歌詞だものね。
海の底にカメラがあり、海の中から海面を見上げたアングルだった。
そこに、海の中を泳ぐ人の姿が写っていた。
人は1人。
ウェットスーツなどは着けてなかった・・と思う。
男性だった・・と思う。
で、そこに
♪海の底から~ 僕は生まれた~
で始まるこの曲が流れていた。
この曲が放送されてから何十年もたち、その間、世の中に浮上してくることもなかったように思えるので、今やこの曲を知ってる人などいないだろう・・・物好きな(?)私が覚えているだけだろう・・なんて思いを私は持っていた。
だが、数年前にふと思い立ち、「海の底から」をダメ元でネット検索してみたら、私以外にもこの曲を覚えている方がいることがわかり、非常に嬉しくなったものだ。
また、その時見つけたHPでは、なんと!
この曲のメロディを聴く事ができた!
もちろん、番組内で使われたバージョンじゃなくて、インストでの演奏のテイクだった。おそらく、そのHP用の音源だったのではないだろうか。
でも、冒頭しか覚えてなかったあの曲の旋律をフルで再び聴くことができて
感激したのを覚えている。
そこには、幼い時に聴いた、あの美しく壮大なメロディがあった。
幼い時に感じた「メロディの輝き」は健在だった。
あらためて「こんなに美しく、壮大な曲だったんだね」と思ったものだ。
今聴いても、珠玉の名曲だ。
海に関連する映画の音楽として使われたら、その映画の感動は更に増すだろう。
なんでも、情報によると、この曲は伊藤敬子さん作詞、山本直純さんの作曲・・ということらしい。
歌詞は、一般公募の中から選ばれた作品だったようだ。
で、選ばれた歌詞に、大物作曲家・山本さんがメロディをつけた・・ということだ。
で、NHK「みんなのうた」で放送されたのは、1966年の7月。
歌ってたのは、梓みちよさんと杉並児童合唱団。
また、映像のロケ地は東京都の大島とのこと。
そうか、あの海底は、伊豆七島・大島の海中だったのか。
なんとかもう一度あの映像を見たいし、歌入りのバージョンで曲も聴きたい。
そう思って、「みんなのうた」のDVDボックスが出た時に、いてもたってもいられなくて、ボックスセットを購入したりもしたのだが、ああ!なんてこった!
全12巻・・というボリュームだったのに・・・「海の底から」は収録されてなかったではないか!!!
ガックリした・・・・。
まあ、あのボックスセットに収められた歌には、良い曲が多かったから、購入したのは悔やんでいないけどね。
今、この曲のデータを調べてみたら、どうも現在入手は難しそうだ。
映像の収録ビデオもDVDも「その他の収録」もない・・・というのでは、お手上げである。
もしや・・・・・DVDボックスセットにも入らなかったってことは、今はもう映像が残っていないのではないだろうか。
NHKは、昔、経費削減のために、古い映像が録画されているテープに、新しい映像作品を「上書き」して、テープ代を節約していたようだし・・・。
人気のあった少年ドラマ「タイム・トラベラー」の完全復刻によるDVD化ができなかったのは、そのためだ・・・という例があるからなあ。
となると、あの曲が流れた映像は、今や、時間と言う大海の海底深沈んだまま、そのまま浮上してこないのかもしれない。
「海の底から」は、今や「海の底」に眠り続けたまま・・・・なのだろうか。
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