時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

家の近くにあった田園

2009年06月13日 | 
もう今となっては少し前のことになるけれど、自分が昔住んでたことがある場所に、ひょんなことから立ち寄る機会があった。

そのあたりは東京とはいっても比較的田園風景が残されている場所だった。

この写真の風景は、私が昔住んでた場所の近くにあった風景の、現在の姿。
ご覧の通り、自然が今も残されてるのが分かる。
私は、こういう環境の中で暮らしていた時代もあったのだ。

ここでは都合2回程暮らしたことがある。
うち1回は、高校生の頃であった。

その当時は・・
窓を開ければコクワガタが部屋に入ってくることもあった。
近くの里山を散歩してる時、足下にヘビがいたこともあった。
また、ちょっと離れた場所にある丘陵では野ウサギがいたらしい。
狸もいたという。

洗濯物を干す時に見上げる空は広かった。
時々、飛行機雲が浮かんでた。
買い物などは不便だったし、交通の便も悪かった。
でも、それなりの田園風景があった。
特に夕暮れ時の田園風景は好きだった。

都心からさほど遠い場所ではない。
電車にさえ乗れば、その電車1本で都心まで乗り換え無しに行けた。
だが、電車に乗るまでが面倒だった。
通常はバスで電車の駅まで行っていた。

一時、マイカーで通勤してたこともあった。
マイカー通勤は楽でもあったが、大変でもあった。
途中に川があるのだが、その川に架かる橋近辺は渋滞することが多かった。

時々、橋の真ん中でトラックがいつまでも止まって、それが渋滞を引き起こすことも多かった。
そういうトラックは、必ずしもトラックの前に車がいたわけでもない。
とっくに前の車は行ってしまってるのに、止まってるトラックは多かった。
橋の途中でトラックが止まっていて、その後ろは渋滞している。
でも、そのトラックの前は、道がガラ~~ンと開いている。
しかも、トラックの運転手は、前があいてるのを知りながら、止まっているのだ。

そんな状況。


そうなると、後続は中々進まない。

でも橋を通り過ぎれば、楽だった。特に帰宅時。

川を渡ってから自宅まではかなり田園風景が残っていたので、夜の道は楽しかった。
ドライブしてるような気分になれた。

自宅が近づくと、私はわざと脇道に入るルートを選んだりした。
その脇道を囲む風景が好きだったからだ。
道は小道。
あたりには田んぼなどがあった。
そこからはカエルの大合唱が聞こえたりもした。

都心からその場所に引っ越したばかりの時は、都心とのギャップにとまどい、寂しく感じたりもした。
だが、慣れてみると、不便ではあるものの、その自然環境が好きになった。


ところが先日。
十何年ぶりにその場所に行ってみたら、雑木林はこの写真の通りにある程度残されていても、脇道の周りにあった田んぼは姿を消していた。
埋め立てられて、空き地になっていた。
きっと、その空き地の上に、今後は住宅などが建っていくのだろう。

砂利道だったはずの脇道は、舗装されていた。
カエル達は・・どうしたのだろう。
見慣れていた丘陵は、あちこちが開発され、墓地になってたりした。
たまに食べに行ってた店は、跡形もなかった。
町(?)の中心にあった、色んな店舗の入った小さなビルは閉鎖されていた。

かつてヘビがいた里山は、面影は全く無く、建物が建ち並ぶ「町」に変貌していた。
かつての地形の名残はなかった。丘陵だったはずの地形は、平地になっていたからだ。

この写真に写っている雑木林も・・いつか切り崩されて整地されてしまうのだろうか。

なんの変哲も無い田園風景には保護される資格はないのだろうか。

私は、こんな「何の変哲も無い田園風景」を遠くから眺めて和むのが好きだった。
時には、そこを何の目的もなく散歩するのが・・好きだった。

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