Most of us are sad by eagles
イーグルスというバンド名は「ホテルカリフォルニア」などの知名度で、広く世の中に知れ渡っていると思う。
「ホテカリ」以外にもヒット曲は実に多い。
「ならず者」「テイクイットイージー」「呪われた夜」「我が愛の至上」その他、ヒット曲や有名曲はたくさんある。
だが、この「哀しみの我等」という曲は、さほど知られていない曲ではないか。
この曲は、グレイテストヒットアルバムに収録されたことがない曲だから、熱心なイーグルスファン以外には知られていないのは仕方ないのかもしれない。
だが、私はこの曲が大好きだった。
この曲は、かなり地味な曲であり、アルバムの中の1曲・・・そんな感じの扱われかたの曲だ。
しかも、収録されていたのは「呪われた夜」や「ホテルカリフォルニア」のような看板アルバムではなく、ファーストアルバムだった。
ファーストアルバムからは、グレイテストヒットアルバムには、これまで「テイク・イット・イージー」「魔女のささやき」「ピースフル・イージー・フィーリング」という曲がセレクトされてきた。
だが、私が知っている限り、それ以外の曲がファーストアルバムからグレイテストヒットアルバムに選ばれたことはない。
なので「哀しみの我等」が埋もれてしまったのは仕方ないのかもしれない。
また、彼らのライブ映像を見ても、「哀しみの我等」が演奏されてる映像は私は見たことがない。
また、私が実際に見たイーグルスの日本公演でも、この曲は演奏されたことはなかったはずだ。
すっかり「アルバムの中の1曲」的な存在になってしまっている。
1970年代の中期から後期にかけて、アメリカのウエストコーストロックというジャンルが一大ブームになったことがあった。
そのムーブメントの中でウエストコーストロックのトップバンドだったのがイーグルスだった。ドゥービーブラザーズと共に。
当時、ウエストコーストロックの特徴として、さわやかな曲調、きれいなコーラス、エレキとアコギの融合、などがあげられていた。
イーグルスの「テイクイットイージー」などは、まさにその要素にピッタリハマってる曲であったし、ある意味ウエストコーストロックの代名詞的存在の曲に思えた。
もっとも、イーグルスがそれだけにとどまらなかったのが、「魔女のささやき」みたいな陰りのある曲もあった点だと、私は思えた。
その陰りの要素は、やがて「呪われた夜」や「ホテルカリフォルニア」のようなスーパーヒット曲へ繋がったのではないかと私は思っている。
さわやかさにとどまらない、陰りの要素はイーグルスの大きな魅力だったと思うし、彼らがその後時代を代表するバンドに繋がったのは、その要素は大きかったと思う。
「哀しみの我等」は、その曲調はかなりさわやかである。
で、アコースティックな面を全面に押し出した感じのバラード系で、おとなしいサウンドで、地味だが味わい深い曲だ。
けっこう空間を感じるサウンドからは、それなりに広がりも感じた。
この路線は、後の大ヒット曲「我が愛の至上」に繋がったように私は思っている。
まあ「我が愛の至上」よりは多少こじんまりとした広がりだが、案外そんな点も好き。
この「哀しみの我等」、作曲はグレンフライだが、ボーカルはランデイマイズナー。
イーグルスは後にドンヘンリーとグレンフライの2人によってバンド運営されてゆくようになるが、ファーストアルバムのこの当時はまだ民主的なバンドだったのだろう。
ファーストアルバムは、そのジャケットの「青さ」が印象的だったが、その色合いには「テイクイットイージー」などと共に、この「哀しみの我等」もすごく合致していたように思えた。
そう、ファーストアルバム全体の雰囲気に、よく溶け込んでいて、にあっていたと思う。
特にカラッと晴れた日などの、朝の目覚めの曲にはピッタリだと私は思っている。
そう、この曲の雰囲気には、なぜか「朝」を感じてしまっている。
できればその朝は、休日の朝がいいかな・・・と。
しかもその朝が、どこかの旅先で、自然風景が周辺にあるような場所で迎える朝であれば、さらに良し。
部屋の中で聴いてても、そんな感覚になれたから。
一度この曲をライブで見てみたかった。
もしくは、この曲のライブ映像でもあればなあ・・・とは、よく思う。
「ホテルカリフォルニア」や「呪われた夜」のようなイーグルスをイメージすると、感じが違う曲であろう。
でも「テイク・イット・イージー」や「我が愛の至上」みたいな曲をイメージすると、受け入れやすいかもしれない。
こういう楽曲もまた、イーグルスの音楽の魅力のひとつであったのは確かなのだ。
装飾過多のハデハデアレンジではなく、シンプルでどこか小品みたいな感じなのも、いい。
この曲から私が受けた影響はけっこう大きかった。
というのは当時、何の気なしにギターを自室で抱えて、心に浮かんでくる自作曲を作るともなく作っていると、出来上がってみたらこの「哀しみの我等」に通じるような曲調になってたことは、ちょくちょくあったから。
この曲は、当時の私が自作曲を作る時のベーシックな要素のひとつだったと思う。それだけ私の中にこの曲は染み込んでいたのだろう。
メジャーセブンコードの響きで、ゆったりした曲調で。
こちら ↓
Most of Us Are Sad (2013 Remaster)
でも、こんなシンプルで落ち着いた曲もまた味わい深くて良いもんです。
これからもこの歌はベストヒットアルバムに収録されることはないと思います。
だらこそ、自分のブログで取り上げておきたかったんです。
イーグルスには、こういう曲もあったんだよ…ということで。
ベストアルバムに収録されるのは、ノリが好いアップテンポか、映画主題歌に使用されるような派手な楽曲が基準となっているのでしょうかね。
だんぞうさんのオリジナル楽曲の手本となったともあれば、私にとっても貴重な1曲です。
これからも、だんぞうさん御自身のルーツを大切に、さらに音楽を愛でていってくださいね。