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落ち葉の多い風景は、好きだ。
落ち葉の多い道を歩いて、足で落ち葉を踏むとサクッサクッとした音や感触が心地よかったりする。
アスファルトの道で落ち葉が多いと、歩いてて足に優しいような感触すらある。
道を掃除する人は大変だろうけど(笑)。
落ち葉と言えば・・
思いだす遊びがある。
子どもの時、神社などで遊んでて、落ち葉が辺り一面に散らばっていたりすると、ついつい落ち葉を拾い集めてしまったりした。
かといって、その落ち葉を持ち帰るわけでもない。
持って帰っても、家では使い道はないものね。
集めた落ち葉は、集め終わった時に、一瞬の遊びをするために使われた。
それは・・・「忍法 木の葉隠れ」の真似事であった。
木の葉隠れ・・・というのは、私が少年時代に熱中した忍者マンガによく出てきた忍法の名前である。
「風のフジ丸」や「伊賀の影丸」など。
特に、フジ丸の「木の葉隠れ」には憧れた。
確か・・私のおぼろげな記憶では、ピンチなどに陥った時、フジ丸は片手を上にあげ、更に人差し指を立てて術を使ったような気がする。
すると、あら不思議、人差し指から渦巻きのような風が巻き起こり、しかもそれは竜巻みたいになって、無数の木の葉を巻きあげる。
で、その舞いあがった木の葉が、竜巻と共に相手に襲いかかる!
で、相手がひるんだ後に我に返った時には、フジ丸はもうそこにはいない。
とまあ、こんな術だった・・・と思う。
この術は、私の記憶では、相手を殺傷するほどの力はない。
あくまでも、相手を一瞬ひるませ、その隙にフジ丸がどこかに隠れて、相手をやりすごすための術。
まあ、忍者の本分は、相手を倒すことではなく、あくまでも情報などを入手して、無事に雇い主に情報などを届けることにある。
いちいち戦っていたんじゃ、時間もかかるし、へたしたら自分が命を落とす危険性もある。
忍者の術に「火遁の術」とか「木遁の術」などがあるが、これは火とか木とかを利用して、追ってから遁れることだろう。
そういう意味では「木の葉隠れの術」というのは、忍者の本分にかなった術ではある。
要するに、木の葉を使って目くらましをし、相手から遁れるわけだから。
だから、例えばウルトラマンのスペシウム光線のような、相手を倒す必殺技とは性格が違うが、映像的には非常にかっこよかった。
だが、この術には大量の木の葉が必要になる。
通常はそんなに木の葉があちこちにいっぱいあるわけでもないし、それこそ落ち葉の季節しか使えないのではないか。
さもなければ、日常で木の葉を絶えず集め持ってなければいけない。
逆に言うと、落ち葉の季節には、もってこいの術ではある。
なので・・落ち葉の季節になり、自分の遊び場にたくさんの落ち葉があると、ついつい集めて、木の葉隠れの術ごっこをしたくなったものだった。
だが・・木の葉をいくら集めても、指先から竜巻を巻き起こすことができなければ、単に広い集めた落ち葉をその辺にばらまくだけでしかなかった(笑)。
木の葉隠れの術があんなにカッコよかったのは、木の葉が竜巻となって相手を襲うことにあったから、現実の「木の葉ばらまき」とアニメの「木の葉隠れ」は全然違うものであったし、現実の「木の葉ばらまき」はしょぼいものだった(笑)。
それは幼心に十分分かってはいたのだが、集めた落ち葉を相手に向かって一気に放出する時は、気分は「木の葉隠れの術」だった。
とはいえ、その高揚した心は、木の葉をまく一瞬だけ。
直後にあるのは、目の前に散乱した木の葉だけ・・・いやあ、空しかった(笑)。
ほとんど、木の葉をまく一瞬の快感のためだけに、木の葉を集めてたようなものだった。
散乱した木の葉は、その後きっと誰かが掃除したか、風に乗ってあちこちに散らばっていったのだろう。
散らばった木の葉は、ゴミのようなものだったからね。
散らかった落ち葉を掃除してくださった方が、どこのどなかたは存じ上げませんが、その節はご迷惑をおかけしまして、すみませんでした。
・・・!!?
で、今ふと思ったのだが、もしも「木の葉隠れ」が「忍法ゴミ隠れ」のような術だったら、どうだろう。
ゴミが竜巻きとなって、相手に向かっていったら・・・しかもそれが臭かったり腐ったりした生ゴミだったら・・・・はっきり言って相手はたまったもんじゃない(笑)。
忍法木の葉隠れよりも強力!
相手は戦意を失うかもしれない。
もっとも、逆上してかえって相手の怒りを増幅させるかもしれないけれど。
言えるのは、その術のためには、術者は絶えず大量の生ゴミを持ち歩いて準備してなければいけないということだ(爆)。
きっと、クチャイな・・。
まあ、それはさておき。
木の葉がたくさん地面に落ちてる光景を見て、今の子どもは落ち葉で遊ぼうとしたりするのだろうか。
木の葉隠れの術・・・そんな術がかつてマンガやアニメの中にあったということなど、知らないんだろうなあ。
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