時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

佐渡山豊さんのライブを見てきた

2008年04月30日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

日曜日、私が十代の頃からリアルタイムで好きだった佐渡山豊さんのライブに行ってきた。
場所は中目黒。
店の名前は「楽屋」。

そういや、4月の上旬に我々「時代屋」が出た高円寺のお店の名前は「楽や」だった。
ひらがなで書けばどちらも「らくや」。
もしかして、チェーン店なのかな?とも思ったが、実際のところはどうなんだろう。

このライブの存在を教えてくれたМさんには本当に感謝。このブログを読んでくれてればいいなあ・・。


店はこぎれいな感じで、収容人員数はけっこうあるのだが、超満員だった。予約の段階で、満席になってしまったようだ。

この日の出演者は佐渡山豊さんと古我地さん。
どちらも沖縄出身のシンガーだ。
どうやら古我地さん主催で、佐渡山さんを呼んだ・・そんな感じのライブだった。

古我地さんは三線の弾き語り。
途中でギターなどに持ち代えるのかな・・と思ったら、全曲三線だった。
発声が、沖縄独特の感じで、沖縄への思いであふれたメッセージ性の強いパフォーマンスだった。
歌のバックに絶えず「波の音」が流されており、沖縄現地で聴いてるような気分になってきた。心地よくリラックスしたムードの中にも、しっかりとした緊迫感があった。

で、後半はいよいよ佐渡山さんの登場。

いきなり全開で歌い出す。
歌詞がビンビン伝わってくる。
すごい。
最近、アマチュアのライブを見ることが多いが、やはりプロは違うね。
明らかに違う。歌の伝わり方が違う。

若いころの佐渡山さんのボーカルは、高くてやや細い感じの歌声(そこが好きだった)だったが、今の佐渡山さんのボーカルは、高さはそのままで、声が太くなっている。
そのぶん、歌の伝わり方に重量感がでている。
いい感じでシンガーとしての年輪を重ねていってる。

曲は、今回は知ってる曲は案外少なかった。
でも、その分、新曲をたっぷり聴いてるような気分だった。
歌の内容に甘っちょろさがなく、洞察力や社会性にあふれた、骨があって重たい歌の数々。

この「骨っぽさ」が、十代の頃の私を虜にした。硬派なところが大好きだったし、男の目から見てカッコ良かった!

そういや、ケメのライブアルバムにも、佐渡山さんはゲスト出演してるんだよね~。
「ケメ」と「佐渡山豊」が揃うライブ・・今にして思えば、なんて豪華なんだろう。

今だからいうが、私は十代のころ、佐渡山さんのことを歌った曲を作ったことがある。
「あるフォーク歌手に捧げる歌」というタイトルの曲だった。そのものズバリなタイトルだね(笑)。
今となっては、とても聴くにたえない幼い出来栄えの曲なので、人前で歌うことは絶対にないだろう。
だが、そういう歌を作ってしまうほど、佐渡山さんというシンガーは好きだった。

年を重ねて今も活動を続けてらっしゃる佐渡山さん。今の鬼気迫るパフォーマンスぶりや楽曲は、どうだ。同じ曲であっても、作者とともに年輪を重ねて成長していってる。
十代のころに彼の歌にほれ込んだ私の眼に狂いはなかった。自分のことのように素直に嬉しい。
沖縄からは、今でこそたくさんのミュージシャンや楽曲が世に出てきているが、その道を切り開いたのは佐渡山さんだと私は思っている。彼が出て来たばかりの頃に、彼の曲に目をつけてた自分を、なにやら自慢したくもなる(笑)。

良い歌が多かったのだが、とりわけこの日のライブでは、大昔(明治のころ?)に開かれたという「人間博覧会(?)」のことを歌った歌(正式タイトルは「人類館事件のうた」というらしい)は深く考えさせられてしまった。人間の尊厳を踏みにじる、とんでもない博覧会があったんだね。

佐渡山さんは、ライブの途中で女性シンガーを一人、ゲストとしてステージにあげ、1曲歌わせてあげていた。
その女性とは・・・、な、なんと!

中沢厚子さんではないか。

中沢さんといえば、「♪いつかある日 山で死んだら」という歌を歌ってたことで知られるが、拓郎ファンにとっては、拓郎のデビューアルバム「青春の詩」で「男の子、女の娘」という曲を拓郎とデュエットしていたことが忘れられない。

中沢さんの写真では、お人形さんみたいなオカッパ・ヘアスタイルの、右斜めから撮った若いころのアップ写真が有名。今の中沢さんは、その写真のイメージとは感じが違ったが、すごくきれいな女性だった。
すきとおるような歌声はそのまま。良い曲だった。今後、またファンを獲得していくだろうね。

今回の佐渡山さんのライブは、ピアノとの共演。
ピアノを弾いてた田中真紀子さん(有名な政治家と同姓同名!)は、中沢さんの後で持ち歌を1曲披露していた。
コード進行やメロディの流れが非常に高度なつくりの曲で、ドラマチックな構成になっており、歌いこなすのが難しい感じの曲だ。沖縄を題材にした歌らしかった。映像が頭に浮かんでくるような、印象に残る曲だった。


佐渡山さんは楽曲が骨っぽく硬派な感じなだけでなく、MCも硬派な感じがして、確固たる信念を感じさせてくれるシンガー。
筋の通ったところがいい。いつまでも歌い続けてほしいシンガーだ。

古我地さんも佐渡山さんも、歌やMCの端々から沖縄への思いが溢れており、沖縄について色々考えさせられた。
単にイメージだけでなく、沖縄の良い点もダークな点もひっくるめて、沖縄を好きになってほしい・・・古我地さんのこのメッセージには、どっしりとした説得力があった。

ライブ終了後、私はこれまでショップで見つけらずに入手しそびれていた佐渡山さんのアルバム2枚を買い込み、サインをしてもらった。
十代の頃からファンでした・・と最初に言ったら、佐渡山さん、少し驚いた表情をした後で喜んでくれた。なにやら私も嬉しくなった。
短い間に、エレック関係のこと、ライブのこと、佐渡山さんに捧げた曲を作ったことがある・・という自分のこと、などなどあれこれ話すこともでき、感無量だった。

この日のライブは、沖縄への真摯な思いが空間を満たした、熱いライブであった。行ってよかった。

佐渡山さん&古我地さん。お二人の熱い思いを胸に刻み付け、私は帰路についた。


人っけのない道路には、春なのに涼しい風が吹いて、通り抜けていった。
ささやかな音をたてていた。
この音はきっと、風の「どぅちゅいむにい(独り言)」だったんだね。


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