ギターケースを背負って歩く悲哀

最近私は外にギターを持ちだす時は、大半がアコギ（エレアコ）だ。

それはエレキバンドを今はやっていないからだ。

 

ギターを外に持ち出す時、まさかギター本体のみをむき出しで手で持って・・というわけにはいかない。

ケースに収めて、持ち出すことになる。

これは大半の人がそうであろう。

 

ギターのケースにはハードケースタイプと、ソフトケースタイプがある。

ハードケースは、たいがいギターを買うと付属みたいについてきたりするもので、頑丈な作りになっており、ケースの横には手で持てるような「取っ手」みたいなものがついている。その「取っ手」の部分を手に持ち、文字通り「手で持ってギターを運ぶ」わけである。

有名ブランドのギターだと、付属のハードケースには、そのブランドの名前が記されていたりする。例えばマーチン、ギブソン、フェンダーなど。

 

一方、ソフトケースの場合は、手に持つことも可能ではあるが、それ以上に「背中にしょって運ぶ」ことが多い。

実際、ソフトケースの良い点は、そこだ。

楽器の保護と言う意味では、もちろんハードケースのほうがいいに決まっている。

だが、持ち運ぶということを考えると、ソフトケースの方が便利なのは確か。

重量という意味でも。

 

そのため、ギターを外に持ち出す場合、今はソフトケースを使う人の方が多い。

 

大昔は、ギターのソフトケースというと割とチープなものが多かったが、最近はソフトケースでも、ある程度の守備力（？）の作りのものも一般的。

まあ、もちろん、そのために値段もそこそこするけど。

そういう立派なソフトケースになると、ケースについてるポケットもそれなりに充実している。

なので、ノートとか、ハーモニカとか、電池、カポ、スペア弦、チューナー、シールド、ハモニカホルダー、など色々な小物や小道具も入れられる。その点、本当に助かる。

これがハードケースになると、あまり多数の小道具は入れられない。例えばハモニカホルダーとかは無理。

 

立派なソフトケースだと、ある程度の強度もあるように作られていて、その結果ケース自体がチープなソフトケースよりも大きくなっている。

私の捉え方としては、立派なソフトケースは、頑丈なハードケースと、気軽なソフトケースの中間的存在・・・そんな感じだ。

 

なんといっても魅力なのは、ハードケースほどではなくても、ある程度の守備力もあって、しかも背中に背負うことができる点。

厳密にはハードケースを背負うこともできるのだが、やはりソフトケースの方が背負いやすい。

 

ただ、守備力のあるソフトケースは、前述の通り、それなりに大きく、かさばるのは事実。

 

そのため、街を歩いてる時にはよくても、電車などに乗った場合は、背負っている人の後ろ側がけっこう場所を食っている。

背負っていると、自分が後方にどれほど「場所を食っているか」を忘れてしまうこともある。

なので、私は、電車などに乗る場合は、背負っていたギターを駅のホームでいったん降ろし、手に持つかたちで電車に乗り込むことにしている。

まあ、これって当たり前だよね。

背負ったままの状態で電車に乗ると、自分の後方の乗客に迷惑がかかるからだ。

 

 

これって、ギターケースもそうだが、リュックなどにも言えることだろう。小さなリュックでも、背負ったまま電車に乗っていると、後方の客にとっては邪魔なこともあるぐらいだから、大きなリュックならなおさらだ。

もちろん、そのへんのことにちゃんと気がついていて、電車に乗る場合は、背負っているリュックを外して、手で持って電車に乗っている人もいる。

最近はリュックを前面に背負う（？）人もいる。

だが、ふくれたリュックを背負ったままで電車に乗っている人もいるのもまた事実で。

 

後ろに背負っていると、その人は自分が背後にいかに場所をとっているかには無頓着になったり、自分が後方に場所を占領しているという実感を忘れたり気づかなかったりすることがある。

で、知らず知らずのうちに後方に迷惑をかけることになる・・というわけで。

 

 

そういう光景を何度も目にしてきているので、私はギターケースを背負っている時に電車に乗る時は、かならずケースを手持ちにかえ、乗り込んだ電車内では、さらにそのケースを自分の前に立てて抱えるようにしている。

これなら、自分が持っているギターケースがいかに場所を食っているかを実感できるからだ。

このへんは、マナーだとも思っている。

 

やはり、背負っていると、そこは視界の外だから、「自分がいかに後方に場所を食っているか」を実感しにくいと思う。

 

 

ギターケースを持ったり背負っていて、やっかいなのは、混んだ電車に乗らなきゃならない時。

自分がギターを持ってる状態の時に、駅のホームに電車が入ってきて、ドアが開いた時に、電車内が混んでると、はっきりいって乗りにくい。

きっと迷惑だろうなあ・・・と思うと、電車に乗ってる乗客の視線も気になったりする。

でも、それでも乗らなきゃいけないこともあって・・。

こんな時は、けっこう申し訳ない気分にもなる。

 

たまに、電車内のマナーというテーマで、ベビーカーがやりだまにあげられることがある。

ベビーカーだと、ギターケースやリュック以上に場所を食うからなあ。

 

こうなると、大きな荷物を持っている客専用の車両を導してほしい・・という要望が、いつか出るような気はする。

すでに、ベビーカー専用車両や子連れ専用車両の導入を要望する声もあるようだし。

 

すると・・電車は各種「専用車両」だらけになってしまいそうで、それはそれでどうかとも思うが・・。

 

そうなってしまったら、不便さが結局乗客それぞれに関わってくることにもなる。

 

それを防ぐためには、各自がマナーを守ったり、互いに少しづつ我慢するしかないのであろう。

 

大きな荷物を背負っていたり、持っていたりする場合は、できれば混みあう時間帯の電車には乗らずに、時間帯をずらして乗れればいいのだが、待ち合わせ時間などによっては、そうもいかない場合もある。

 

そんな時・・ドラえもんに出てくるスモールライトがあれば、どんなにいいだろうと思う。

 

もっとも、大きな荷物を持ってたり背負ってたりする場合にドラえもんの道具を使うなら、どうせならどこでもドアが一番いいのは言うまでもないのだが（笑）。