さて、「JIN」のことを取り上げよう。
大好きな作品。
もともと青年コミック誌に連載されてる作品で、好きで読んでいた作品。
私は幕末維新モノは好きだからね~。
だが、その青年コミック誌は自分で毎号買ってるわけではないので、読むのは「飛び飛び」だった。
毎回読みたかったんだけどね。
それが今回テレビドラマ化されるというので、非常に楽しみにしていた。
で、ドラマを見たところ、これが実によくできてる。
丁寧に作られてる。
普通、原作が面白くて、それが映像化された場合は、とかく原作と比較される。
原作は細かく描かれてるものだし、映像化されると尺の問題もあって、ストーリーをはしょられる。これは仕方がないこと。
だが、その結果、はしょられた分だけ、深みと言う意味で原作のほうが面白く、映像化された作品は原作にはかなわない場合が多い。
ところが、この「JIN」はどうだ。
ドラマ化されるにあたって、かなりポイントになる部分がアレンジされており、内容もはしょられてる部分はある。
なのに、原作に負けないくらい面白い!
久々に良質のドラマにめぐりあった思いだ。
8時からNHKの大河「天地人」を見て、9時からこの「JIN」を見る・・という人は多いだろう。時間帯的に。
私もその中の1人。
「天地人」には当初かなり期待してたのだが、少なくても私にとって致命的ともいうべき不満点があり、最近の「天地人」は惰性で見てるだけだった。
天地人には、がっかり・・なのだ。
天地人への興味があまりなくなった時期に、この「JIN」が始まった。
私にとっては「なんというタイミングの良さ!」という感じだった。
最近の日曜日の夜は、「天地人」に落胆し、その物足りなさを「JIN」がおつりがくるぐらい埋めてくれている。
おかげで日曜の夜が楽しみで仕方ない。
このドラマがきっかけで、単行本を買い集めた人は多いのではないだろうか。
実は・・私もその中の一人。
一気に16冊、購入してしまいましたとさ(笑)。
飛び飛びではあったものの、それなりに連載は読んできてたので、ある程度内容は分かっていたのだが、改めて通して読むと、やはり面白い。
漫画もドラマもどちらもいい。
原作を読んでない方にとってはネタばれになってしまいそうなので、ストーリーのことについて書くのは今の時点では遠慮しておく。
主人公がタイムスリップして幕末の時代に行ってしまう・・という作品はこれまでにもあったが、医者が主人公である・・ってのが他のタイムスリップものとは違う。
医者はどの時代に行っても大事な存在。
命にからむからね。
だから、そこにヒューマンドラマも生まれる。
幕末の人にとっては、仁先生は「幕末のブラックジャック」的存在だろう。
いや、それ以上の存在かもしれない。
漫画に比べると、漫画の仁先生はどこかおっとりした人柄で、ドラマの仁先生の方が苦悩している感があるが、そこがこのドラマの深みにもつながっている。
どちらもいい。
漫画原作は今の時点ではまだ終わっていなくて、連載継続中。
ドラマはどうやってしめくくるのだろう。
昔「少年ドラマ」を見た時のようなワクワク感、ヒューマンドラマとしての感動、キャスティングの妙、役者たちの好演、幕末歴史好きのツボ、うまいシナリオ、など、ドラマを面白くする要素がふんだんに詰まっている。
主人公が幕末の時代にタイムスリップするという面白さでは、かつてのNHK少年ドラマ「幕末高校生」に通じる面白さがあるし、医療ドラマとしてのヒューマニズムもある。
幕末ファンとしては、現代の「幕末ファン」が幕末に行って会ってみたいと思う人物に次々と会え、しかも彼らと関わってゆき、友情関係や信頼関係を築き上げる・・という点も嬉しいし、楽しい。
幕末の時代では、現代医療の技術と知識を持った主人公は、さながらスーパーマンであり、天才である。
周りの人たちから尊敬され感謝されるが、決してそれで天狗になったりハナにかけたりせず、無私の医者として病人や怪我人の命を救うことにとりくむ。
時には、そうすることによって歴史を変えてしまうことになるのではないか・・という不安を持ちつつ。
その知識や技術を快く思わない人から命を狙われたりすることもあり、そのへんはスリリングだ。
物語を面白くする要素がてんこもりなのだ。
こんなに次回が楽しみなドラマは、最近なかなかない。
私はあまりテレビドラマは見るほうではないが、こういうドラマならハマってしまう。
できれば、長く続けてもらいたい作品だ。
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