心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

わかりやすく書いていきますので、読んで楽になってください。心理支援事業を行っている公認心理師&社会福祉士のブログです。

「余裕がない」と何がよくないのか? ~いじめをなくそう(4)~

2021年02月10日 17時34分33秒 | いじめ・ハラスメント

ここまで、心理学的手法を中心にいじめに対処していく方法を書いてきました。

とくに前回は自己肯定感をベースにした対処法でした。

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評価・決めつけ・~すべきを手放す  ~いじめをなくそう(3)~ - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

国家が「子どもを守る」を理念にしていると、「お互いをリスペクト」するのがあたりまえの社会になります。そうすると、相手の「ありのまま」つまり、...

評価・決めつけ・~すべきを手放す  ~いじめをなくそう(3)~ - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

 

しかし、こうした手法だけでは、

いじめを「減らす」ことはできても

「なくす」ことはなかなか難しいと思います。

では、どうすればいいのか?

ということについて「余裕」をキーワードとして書いていきたいと思います。

 

1.どんな「余裕」が必要なのか?


(1)時間的余裕
(2)空間的余裕
(3)経済的余裕
(4)人間関係における余裕


(1)時間的余裕

忙しいと肉体的にも精神的にも余裕がなくなります。

ストレスがたまり、イライラしたり、やる気をなくしたり、体調を崩したりと、

いろいろな悪影響を及ぼします。

場合によっては、子どもやパートナー、家族に八つ当たりしたりすることにもなりかねません。

(2)空間的余裕

部屋が散らかっていると、精神的に余裕がなくなります。

家が狭くて家族が多い場合など、

パーソナルスペースが狭いと

ストレスがたまり、イライラしたり、ケンカをしたりなど、

いろいろな悪影響を及ぼします。

(3)経済的余裕

お金があれば、お腹いっぱいご飯が食べられ、

好みの服を買い、趣味も楽しめ、精神的にも余裕が出ますが、

逆にお金がなければ、食費を切り詰め、家も広い家には住めず、

趣味も楽しめないですから、ストレスがたまり、

精神的にも余裕がなくなり、

あらゆる面で悪影響を及ぼします。

こうしたことから貧困問題は、

なくすべき最重要課題であると言えます。

「貧困問題」については、後日改めて書きたいと思っています。

(4)人間関係における余裕

友達とうまくいっていない、クラスメート間で対立がある、

親とうまくいっていない、上司とそりが合わない、

同僚と気が合わないなど、人間関係がうまくいっていないと、

ストレスがたまり、そのことがいろいろな面で悪影響を及ぼします。

この余裕のなさから、別の問題に発展することも多々あります。


(1)~(4)どれをとっても、

「心の余裕」がなくなることがおわかりいただけますでしょうか。

2.私自身の経験から

まず、忙しいとき。

思い通りに物事が進んでいるときは、充実感もあります。

しかし、思い通りに物事が運ばなかったり、忙しすぎたりすると、

ストレスがたまり、ささいなことでイライラしたり、

怒りを覚えたりする場面が増えます。

これが仕事も家庭にも悪影響を及ぼしますから、

仕事でのミスや夫婦げんかにつながったりしたことがありました。

それから空間的余裕ですが、

私の実家は裕福ではなく、家も狭かったので、

兄弟2人が同じ部屋で過ごしていました。

さすがに中学生の頃はきつかったですよね。

夫婦げんか、兄弟げんか、親子げんかが絶えませんでした。

そういう場合は近くにあった祖母の家に避難することができ、

そこが小学生の頃は安心できる居場所だったと思います。

中学生の頃は部活動に励んで帰宅時間が遅くなったことで、

家にいる時間が物理的に減ることでバランスを保っていました。

もし部活がなかったら夜遊びしていたかもしれません。

高校は自宅から遠い学校だったことと、

時に友達の家に泊まりに行ったりなどしていたので、

同様に家にいる時間が物理的に少なかったことでバランスを保っていました。

そして、どうしても家を出たかったので、

県外の大学を受験し、大学時代は一人暮らしをしました。

最初は一人でいられる自由とそのスぺースの広さで

本当に「天国」でしたが、

その後「孤独」がどれほどつらいかも

身をもって経験することができました。

経済的余裕については、

子どもの頃は「うちは貧乏だから」と母親から刷り込まれていたので、

「将来はお金持ちになってやる」と思っていました。

しかし、欲しいおもちゃなどを

クラスメートが手にしていることはとてもうらやましく、

またつらいことであったため

「お金は穢れたもの」「お金より大事なものがある」

と思い込むことで、

そのお金に対するうらやましさを抑え込むようになりました。

大学時代一人暮らしをしていた時にお金がないときは、

食を切り詰めてしのぎましたが、

この経験は今思えば大変貴重でした。

「お金がなくて満足に食べられない」

というのがどんなにつらいことか。

食べたくても食べられないことがどんなに心をむしばむか

逆にお金が入って、

食べたいものを好きなだけ食べられる

ということがどんなに幸せなことか。

ギリギリの生活をした経験のない人にはイメージできないことでしょう。

人間関係については、

小学生の頃、友達に無視されたりすると、

夜も眠れず時に夜中に変な夢を見て泣いていたりしました。

大人になってからでも人間関係のストレスは、

その時の活力・気力を奪い

その時の大事な時間を悩みで浪費し、

ストレスもたまり、睡眠不足で体調も悪くなり、

メンタル面もネガティブで不調と、

本当にろくなことがありませんでした。

こうしてみると、

「余裕のなさ」から、

ストレス・イライラ・体調不良・メンタル不調を引き起こし、

それがあらゆる面で悪影響を及ぼしている

ことがわかります。

そしてそれは心の傷となったり、

間違った行動や考え方を生むきっかけとなったり、

精神的な成長を止めたりし、

いじめだけでなくいろいろな問題へと発展し、

「負のスパイラル」を形成していきます。

3.社会政策から「余裕」をつくる

時間的余裕は、もちろん労働時間の短縮ですね。

ワークライフバランスの実現ですね。

モラハラ・パワハラをはじめとした

産業分野での問題が激減します。

友達との交流も増え、

毎日が豊かにに過ごせるようになります。

時間的余裕ができ、趣味の時間が増えることで、

文化も発展するでしょう。

しかし生活していくための収入を減らすわけにはいきません。

それは「ユニバーサルベーシックインカム」で。
(竹中平蔵氏が提唱するような、替わりに社会保障制度を縮小するような導入には反対です)

今回の定額給付金のように、

国民1人当たり月10万円を給付すれば、

現在非正規雇用の方でも生活に金銭的余裕が少し出ます。

少子化問題や年金問題も緩和される可能性があります。

こうして生まれた余裕で、

家庭や地域の様々な問題が解消されるかもしれません。

親は子育てに専念できる余裕も生まれます。

保育園の待機児童問題も緩和されます。

PTA役員の問題も解決に向けて前進するでしょう。

社会貢献やボランティア活動をする人も増えます。

地域の自治会役員や町内会の役員を嫌がる人も減り、

地域力が復活するでしょう。

高齢者の方はマクドナルドで働かなくてもよくなります。

何より笑顔が増えますから、幸せになる人が増えます。

幸せになった人が、

他者の問題に立ち向かいますから、

不幸な人はさらに減ります。

財源の問題ですか?「現代貨幣理論」で。

今のままでは、問題は解決できません。

とにかく変革して前に進むことが必要だと私は思います。

 

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評価・決めつけ・~すべきを手放す  ~いじめをなくそう(3)~

2021年02月09日 11時44分44秒 | いじめ・ハラスメント

国家が「子どもを守る」を理念にしていると、

お互いをリスペクト」するのがあたりまえの社会になります。

そうすると、相手の「ありのまま」つまり、価値・領域を認めて尊重するので、

「ありのままの自分」を「これでいい」と思えるようになり

自己肯定感が高まります。

それがいじめの減少につながります。

そのためにはとても大切なポイントがあります。

それが「評価・決めつけ・~すべき」を手放すことです。

子どもを守る」を理念にしている社会であれば、

少し頑張れば、手放すことができると思います。

しかし現状の社会では、なかなか難しいのです。

それは、「生産性の有無」が問われる社会ですから、

どうしても「評価」が生まれます。

結果、「お互いをリスペクト」することが難しくなってしまうのです。

1.十人十色=人それぞれ=1人1人の境界線(領域)

生産性の有無が問われる社会については以前の記事を参考にしてください。

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生産性の有無でマウントしない社会  ~いじめをなくそう(1)~ - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

「いじめ」、ここではあえて「いじめ」という言葉を使うことにします。私自身が小さいころから現在に至るまで、「いじめ」がなくなる気配はありません...

生産性の有無でマウントしない社会  ~いじめをなくそう(1)~ - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

 


人の個性は十人十色、考え方も様々、だから「多様性」を認めましょう、

ということですが、しかし、生産性の有無を問う社会で、

常に人は競争にさらされ、「評価」されているわけですから、

「多様性」を認めるということは、

「評価」の種類も基準もどこに置けばいいのか?

ということで、対立や争いが生まれることになります。

だからこそ、「評価・決めつけ・~すべき」を手放して、

対立や争いを減らさないといけませんが、

社会の理念の大前提が「評価」ありきなので、

簡単に手放すことができないのです。

なので、根本的な解決方法が、

国家理念を「子どもを守る」社会にすることだというのは、

以前書きました。

しかし、現状ではすぐにその社会にすることはできません。

その間、指をくわえて見守っているわけにはいかないので、

今の社会の中での対処法も必要です。

まずは、「境界線」です。

「領域」「価値感」と言い換えてもいいのですが、

今回の話では「自分の世界」

という言い方のほうがわかりやすいかもしれません。

この「自分の世界」はすごく重要で、

常に人はこの「自分の世界」を守るために生きている

と言っても過言ではありません。

そしてこの「自分の世界」というのは、

自分にとっては「とても心地よい安住の地」

つまり、コンフォートゾーンと言えるものですから、

その領域への侵入者・攻撃する者に対して警戒し、防衛しようとします。

で、この「自分の世界」が、

みんな同じ中身であれば、難しくありませんが、

人の個性は十人十色、考え方も様々ですから、

警戒・防衛ラインも人それぞれ十人十色でさまざまです。

しかもかなりの種類がありますから、

すべてを把握することはできません。

なので、知らず知らずのうちに警戒防衛ライン、

つまり「境界線を越えて領域に侵入したりされたり」ということが起こります

これが人間関係のトラブルや「いじめ」などの一因というわけです。

自分は悪気はなかったのに、自分の言ったことで相手がすごく傷ついた

自分は何も悪いことしたつもりはないのに、相手にすごく怒られた

自分は当たり前だと思っていたことが、相手にとっては嫌なことだった

などは、典型例だと思います。

この「自分の世界」の境界線を越えて侵入されないためには、

どういうときにこの境界線を踏み越えてしまうのかを知ることがポイントになります。

2.「評価・決めつけ・~すべき」は相手の境界線を踏み越えるときがある

「自分の世界」はとても心地よく、安心できる領域です。

つまりそこには、

自分自身が信じていること

正しいと思っていること

自信をつけたこと

気をつけていること

などがいっぱい詰まっています。

例えば、「私は赤い色が好き」という好みがあるとします。

もし相手が、

「あなたはこれから好きな色を青にしなさい。」

と言ってきたとしたら、

明らかに境界線を踏み越えて、自分の世界に侵入し、

しかもめちゃくちゃにしているような言動です。

一方的に相手に自分の価値観を押し付けているからです。

これは「評価」の極端な例です。

あるいは、

「あなたは赤い服を着るより、青い服の方が似合うよ。」

と言われたとします。一見、やさしく「アドバイス」をしているかのように見えます。

しかし、これも「赤が好き」という相手の世界に侵入して、

青い服への変更を要求しているとも取れますから、

場合によっては関係悪化のもととなります。

なので、「アドバイス」は慎重であるに越したことはありません。

「アドバイス」は「評価」の典型例でもあります。

ところが、同じ「青い服が似合うよ」と指摘するとしても

言い方を変えるだけで、相手の境界線を侵入しなくても済みます。

例えば、

「あなたの今日着ている赤い服ステキね。でも、私は青い服もすごく似合うと思うよ。」

という言い方なら、

相手の領域(赤い服を好む)に侵入することなく、

自分の考え(領域:青い服も似合うと思う)を伝えていることになり、

対立の可能性がぐっと減ります。

これは、「お互いをリスペクト」している1つの例で、

【アサーション】というコミュニケーション方法を使っていますが、

このコミュニケーションが自然にできるようになる社会が

子どもを守る社会」だと思っています。

ですが、今の社会でも、

アサーションを意識してコミュニケーションすることで、

かなり対立を防ぐことが可能になります。

3.「評価・決めつけ・~すべき」をする人

「私は一度引き受けたことは、必ずあきらめずに責任をもってやり遂げる」

という信念を持っているとします。

そこに例えば、

すごくいい加減でいったん始めたことも

すぐ飽きてやめてしまうような人を目の当たりにすると、

おそらく、

「あの人はいい加減な人」

「あの人は責任感のない人」

「あの人は打たれ弱い人」

「あの人はダメな人」

と、相手を「評価」して

その評価のフィルターで「決めつけて」

相手を常に見るようになります。

しかし、「飽きっぽくて始めたことをすぐやめてしまう」相手が、

実は「柔軟性があって決断力があり行動が素早い」人である可能性もあります。

つまり自分がしている相手に対する評価は、

あくまでも「自分の世界」での話であって、

その評価で相手に接すると、

相手にとっては

「境界線に侵入して相手の価値観を押し付けられている」

と解釈される可能性があります

そうすると相手は自分を守るために「防衛」をしますから、

場合によっては対立することになるかもしれません。

「自分の正しさ」「自分の価値観」をいくら正論で主張しても、

なかなか相手に理解してもらえないことがあるのは、このためです。

それから、相手を「評価」するということは、

その評価をすることによって自分の世界を守っている

ことになります。

つまり自分の世界の中にある

「こうあるべき」という基準に従って相手を評価し、

その基準に合う人であれば、自分の世界は守られて安心できますが、

基準に合わないと、自分の世界に侵入されてしまう危険性があるので、

「評価」をして相手に変化を強要したり、

相手を避けたりして自分の世界を守ろうとするわけです。

ということは、相手を「評価」する人は、

自分の世界への侵入を「怖れている」人ということになります。

侵入されるのが「怖い」ということは、

本当の意味での自信がない人なのです。

「怖い」から「守る」。「守る」ために相手を「攻める」。

なので、「評価」を手放すということは、

「怖れ」を手放すということになり、

逆に「安心」を手に入れることができるわけです。

そうすると、「いじめ」は、

相手に対する「評価」が「自分(たち)の世界」を脅かすという「決めつけ」のもと、

自分(たち)を守るために相手に対して「攻撃」「排除」をする

ということになります。

その背景には、

自分(たち)の世界が脅かされるかもしれない

という「怖れ」が隠れています。

だから「お互いをリスペクト」して「評価・怖れを手放す」と、

いじめは減るというわけです。

4.相手が「評価」をしてきた場合はどうすればいいか?

自分は「評価」を手放すことができても、

相手に「評価」され、「自分の世界」に侵入してきた場合は

どうすればいいのでしょうか。

先ほど述べましたが、

相手を「評価」する人は、自分の世界への侵入を「怖れている」人です。

つまり目の前にある現状に「不安」を抱えているわけです。

現状に「怖れ」を抱いているという心の悲鳴をあげているとも言えます。


1.相手の「評価」に対して、相手は「相手の世界」の中で悲鳴をあげている、ととらえる
※相手の「評価」を「攻撃」ではなく、相手の「怖れ」ととらえることで「自分の世界」を守ることができる。

2.相手の「評価」に対して、自身も「評価」で返さない
※「評価」を返すということは、相手の「評価」による自分の世界への侵入を許してしまうことになる。
※何の「評価」も下さず、受け流すことで、その評価は相手に「反射」する。

3.相手の「評価」に対して、安全な返し方で対処する
※「なるほどね。あなたはそう思うのね。」と返すと、自分の領域内に侵入させることなく相手の「評価」をはね返すことができる。
※【アサーション】「私は~という気持ちがするからこうしてほしい」を活用する。

4.相手を「安心」させる


実は、【4.相手を「安心」させる】が最も効果的です。

しかし最も難しい対処法です。

自分が冷静であるか、余裕のある状態であることが必要だからです。

「いじめ」にあっている場合は、

まさに相手の「評価」の洪水のなかでもがいている状態ですから、

余裕のある状態であることはあり得ません。

ここまで、社会の構造の不具合を念頭に置きながら、

心理学的手法で「いじめ」に対処する方法を書いてきました。

しかし、心理学的手法だけでは限界があります。

「いじめ」は「減らす」ことができても、

「なくす」までにはなかなかむずかしいということです。

キーワードは「余裕」。

つまり、「余裕」があれば「安心」できるということですから、

いかに「余裕」のある状態を作るかということをテーマに、

次回以降で書いていきます。

 

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多数派と違う個性を排除しない社会  ~いじめをなくそう(2)~

2021年02月08日 17時10分22秒 | いじめ・ハラスメント

多数派と違う個性をもっていると、

それが集団の多数派にとって受け入れられないものである場合に、

最悪のケースでは「いじめ」に発展することがよくあります。

どうして、こういうことが起こってしまうのでしょうか?

1.排除の根底には自尊心・自己肯定感の低さがある

教育の段階で「個の主張を抑制」される日本人は、

自尊心・自己肯定感が低いと思います。

自尊心・自己肯定感が低い人は、

自分の判断より他者の判断のほうが正しいと思いがちなので、

他の成員と異なる行動をとって

周囲から拒絶されたり集団の輪を乱したりするのを避けようとして、

集団に同調する傾向が強いと言えます。

また自己肯定感が低いと、

自分の境界線が「弱い・薄い」ために過剰に自分を防衛しようとするので、

相手に「正しさを押し付け」たり、攻撃的になったり、異なった意見を拒絶したりします。

つまり、自分を守るために自分の価値観とずれている異質なものを排除しようとします

その際、その排除という行動に対して

意識的にも無意識のうちにも多少なりとも罪悪感を持ちます。

そこから逃れるため、以前書いた「生産性の有無」などを理由として、

自身を正当化しようとします。

2.ダイバーシティとインクルージョン

集団での「同調圧力」と「個の主張の抑制」をもとにした画一化から、

ダイバーシティ、つまり多様性を認めて

それを組織づくりに生かすことが叫ばれるようになりました。

ダイバーシティについては、以下のリンクを参考にしてください。


(参考)
5分でわかる「ダイバーシティ」とは?意味やマネジメントの企業事例など解説
ホンシェルジュ

しかし、「多様性」を認めて。。。と簡単に言いますが、

言い換えれば「異なる個性が同じ場に存在」するわけですから、

今までのような価値観、

つまり「集団への同調」「個の抑制」をベースにしていたら、

多様性を認める組織作りなんて、夢のまた夢です。

そこで、産業分野では「ダイバーシティ&インクルージョン」という考え方があります。

多様性を認め、お互いを認め合いながら、一体となる

組織づくりを目指すというわけです。

このダイバーシティ&インクルージョンの詳細については、こちらを参考にしてください。


(参考)ダイバーシティ&インクルージョン (日本の人事部)

福祉分野では、「ソーシャルインクルージョン」という考え方が叫ばれています。

「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、

健康で文化的な生活の実現につなげるよう、

社会の構成員として包み支え合う」

ということですが、別の言い方をすれば、

「格差社会において差別されたり排除されたりして孤立している人々を

社会全体でやさしく包み込むようにして支え合おう」

ということです。

これをもとに、厚生労働省は、「地域共生社会」の実現を掲げ、

文部科学省は「共生社会」の形成を掲げています。

つまり、国家として「多様性を認めて受容し、共存共生しよう」

という動きになっています。

これは裏を返せば、

「今の日本がとてもそのような社会ではない」

ことの表れですね。

こうした共生に関する考え方は、

理念・目標としてはすばらしいのですが、

実現するためには、今の日本社会に欠けていることがあります。

それはお互いを「リスペクト」するという価値観です。

多様性を認めて受容し、共存していくためには、

お互いを「リスペクト」する

という価値観が常識となっている必要があります

そうでないと、多様な価値観が混在することによる

対立や誤解、軋轢を生むことになります。

3.多数派と違う個性を「リスペクト」する

相手を「リスペクト」するには、

次の5つのポイントがあたりまえのように行われる必要があります。


(1)相手を「評価」して決めつけない
(2)お互いの「領域」を守る
(3)相手を「変えよう」としない
(4)私はこういう気持ちがするからこうしてほしい【アサーション】
(5)相手の話を「なるほど」と思えるまで「聴く」


5つの項目についての詳細は前回の記事をご覧ください。

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生産性の有無でマウントしない社会  ~いじめをなくそう(1)~ - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

「いじめ」、ここではあえて「いじめ」という言葉を使うことにします。私自身が小さいころから現在に至るまで、「いじめ」がなくなる気配はありません...

生産性の有無でマウントしない社会  ~いじめをなくそう(1)~ - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

 


実は、相手を「リスペクト」できるようになると、

自身の自己肯定感が高まります。

別の言い方をすれば、相手の「ありのまま」

つまり、価値・領域を認めて尊重できるようになると、

「ありのままの自分」を「これでいい」と思えるようになります。

これは非常に大きなことです。

ありのままの自分を受け入れられるということは、

こころに余裕が生まれます。

余裕があれば、相手にやさしくできます。

相手にやさしくできれば、いずれ自分にもやさしさが返ってきます。

そして周りもその影響を受けていい循環が生まれます。

すると「安心」「自信」「活力」「温かさ」を感じることができ、

自分も元気になれます。

そして、こころから相手を「信頼」できるようになり、

本当の意味での「つながり」が生まれます。

「共生社会」の完成です。きっと、「いじめ」は減るはずです。

え?共生社会になっても、

いじめは「なくなる」んではなくて「減る」止まりなんですか?

と思った方がいらっしゃるかもしれません。

ではどうすればいいのか?

については次の記事で書きたいと思います。

 

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生産性の有無でマウントしない社会  ~いじめをなくそう(1)~

2021年02月07日 17時04分42秒 | いじめ・ハラスメント

「いじめ」、ここではあえて「いじめ」という言葉を使うことにします。

私自身が小さいころから現在に至るまで、「いじめ」がなくなる気配はありません。

一体どうしたらいいのか。

私なりに考えていることを数回にわたって書くことにしました。

1.資本主義社会であるがゆえの歪み

資本主義社会である以上、企業は収益を上げ、競争を勝ち抜くために、創意工夫と効率を追求し、「生産性」の向上に努めます。

労働者はその企業に雇用され、労働力を提供することで報酬を得ます。

そのため、国家は「勤労を義務」として、その仕組みを支えます。

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「勤労の義務」「納税の義務」と社会保障|Kaz Tomida|こころを整える専門家・つながりコーディネーター|note

実はこの件に関しては、1年前に概要を書いている。 2020年、新型コロナウイルスは社会を大きく変えようとしている。 いや、「...

note(ノート)

 


この資本主義社会である以上は、競争に勝ち抜かなければなりません。

私たちは生まれてから、ありとあらゆる競争の場に駆り出されます。

そしてその競争を勝ち抜くことによって、この社会での「地位・ポジション・立場」を得ることができ、その地位や立場が上であればあるほど、それを守ることに多くのエネルギーを費やします。

なので、常にというか、基本的にというか、大前提としてというか、無意識の中にこの仕組みが組み込まれていると言えます。

そしてその行き過ぎを防ぐために、道徳や倫理などでブレーキをかけているわけです。

しかし、あくまでも大前提は「生産性」。

そうである以上、私たちは自然にその生産性を向上させるための行動をとることになります。

相手に勝つ

相手を排除する

相手より上位にいる

。。。

2.マウンティング


マウンティングとは、自分の方が相手よりも立場が上であること、また優位であることを示そうとする、行為や振る舞いのこと。特に、対人関係において、自分の優位性を示そうと自慢したり、相手を貶したりすることを指す。
(引用:新語時事用語辞典


相手に勝つためには、相手より上位にいるためには、自身がどの位置にいるのかを、自分も理解し、相手にも示さないといけません。

そのために私たちは日常において、さまざまな「マウンティング」を意識的にも無意識のうちにもしています。

この社会では、「生産性」のある者が「優位」にたち、「マウンティング」をします。

逆に「生産性」がないとされた者は「マウンティング」をされます。

自慢される

けなされる

下に見られる

高圧的に対応される

悪口を言われる

いじめられる

。。。

以前の記事でもこのことに触れたものがありますので参考にしてください。

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人間って、むずかしいね|Kaz Tomida|こころを整える専門家・つながりコーディネーター|note

人間って、むずかしいね 昨日はあんなに仲良くしていたのに ちょっと気に入らないことがあったからって 今日はまったく口もきかないなんて 人...

note(ノート)

 


この「マウンティング」を乗り越える方法があります。上の過去記事でも触れた、「お互いをリスペクト」することです。

 

3.マウントせずに「リスペクト」する


人はそれぞれ違う考えを持っているのがあたりまえ
お互いがお互いの考えをリスペクトし合う」のが基本
だから自分の考えと相手の考えが違っていてもあたりまえ

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子どもを1人の人間として「リスペクト」する社会 - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

前回、国家の理念を「子どもを守る社会」に変えようという内容で書いていますので、まだの方はぜひご覧ください。OGPイメージ子どもを守る社会・次...

子どもを1人の人間として「リスペクト」する社会 - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

 


では、「リスペクト」するにはどうしたらいいのでしょうか?

(1)相手を「評価」して決めつけない

評価は、現時点での自分が下した極めて主観的なものです。

その「現時点での自分」が下した評価の押し付けが「決めつけ」です

・あの人、なんか嫌い

・あいつ、なんかムカつく

・あの子、仕事できないのに態度でかいよね?

これらすべて、「決めつけ」です。

そうすると、その主観でしか相手を見ないので、決めつけがネガティブであればあるほど、相手のことを下に見たり劣っていると見てしまうことになります。

(2)お互いの「領域」を守る

「領域」は「境界線」と言い換えてもいいでしょう。

自分が相手の領域を守れば、相手の「ありのままを尊重」することになり、相手が自分に対して信頼感を持つようになります。

逆に「決めつけて」相手の領域を侵すようなことをすれば、相手との対立を生むことになります。

(3)相手を「変えよう」としない

人が変わるには、その人なりのタイミングがあります。

・何度言ったらわかるの?

・こんなことするなんて信じられない!

・あなたのためを思って言ってるのよ

なんて、ストレートに相手に変化を求めても、まず変わりません。

それよりも相手のありのままを受け入れて、自分が変わる方が早いです。

(4)私はこういう気持ちがするからこうしてほしい【アサーション】

「あなたはどうしてそんなに冷たいの?」と言ったところで、相手は突然思いやりあるあたたかい人に変わることはありません。

それどころか、「自分が責められた=自分の領域を侵された」と感じて、より自分を守ろうとかたくなになるかもしれません。

「あなたがそういう態度だと、私はすごく悲しいな。だからもっと優しくしてくれないかな?」

と言った方が、

「ごめんね。ちょっとやりすぎだったね。次からは気を付けるよ。」

と相手は受け入れてくれるかもしれません。

それは、自分の気持ちを「私」を主語にして伝えたことで、相手の領域を侵さずに、つまり相手を「リスペクト」した状態で自分の言いたいことが伝わったのです。

そうすると、相手は「自分の領域が守られている」と感じているので、私の話に耳を傾けようとします。

結果として相手が変わるタイミングになる可能性も高まるわけです。

(5)相手の話を「なるほど」と思えるまで「聴く」

相手を評価して決めつけることなく、相手の領域を守りながら、相手の話を「聴く」ことが大切です。

話を聞いている最中に評価が頭に浮かんだときは、その評価を手放すことが必要です。

そして、一度聞いても理解できないときは、素直にわからないことを相手に尋ねるようにして、最終的に自分が「なるほど」と思えるまで相手の話を「聴く」と、相手は

「自分のことをわかってくれた」

「ありのままを受け入れてくれた」

ととらえ、信頼感が高まります。

以上の(1)~(5)を家庭や学校で教わり、学び、実践するような社会であれば、かなりいじめも減るのではないでしょうか?

このような社会になるには、国家の理念を「子どもを守る」に変える必要があると私は思っています。

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子どもを守る社会・次世代を育てる社会 - 心が楽になるのを感じるブログ ~心理学・HSP~

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子どもを1人の人間として「リスペクト」する社会

2021年02月06日 16時15分10秒 | いじめ・ハラスメント

前回、国家の理念を「子どもを守る社会」に変えようという内容で書いていますので、

まだの方はぜひご覧ください。

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この内容を踏まえて、今回はもう1つ大事なことを書きたいと思います。

実は「子どもを守る社会」にするには、

子どもを1人の人間としてリスペクトする社会」

でなければならないと私は考えています。

 

1.相手の領域を認め、尊重する

いきなりですが、みなさんは「リスペクト」と聞くとどんなイメージが浮かびますか?


リスペクト
【カタカナ英語】尊敬・尊敬する

respect
【動詞】①尊敬する ②尊重する 
【名詞】①尊敬 ②尊重 ③配慮 など

「リスペクト=尊敬(する)」というイメージをもっている方が多いのでは?

と推測しますが、実はリスペクトにはもう1つ意味があって、

というよりこちらの意味のほうが英語では一般的だと思います。


the belief that something or someone is important and should not be harmed, treated rudely etc
(ロングマン現代英英辞典より)

「'何かや誰か'というのは大切であり、傷つけられたり無礼に扱われたりなどされないほうがいい」

という信念。。。

つまり、

どのような対象であろうと「大切」であり、その「価値」や「領域」を認め「尊重」する

というのがリスペクトの本来の意味です。

画像1

 

2.親が子を「リスペクト」する

親が子を「リスペクト」する。

親が子の「価値」や「領域」を認め、尊重する

子どもの領域を認め、尊重しているわけですから、

その部分を傷つけたり侵害したりしないように配慮しながら接する

ことが大切です。

「子どものくせに生意気な!」

「親に向かってその言い草は何だ!」

「子どもはだまってなさい!」

という考え方の親だとしたら、

「子どもをリスペクトしろだなんて、とんでもない!」

「親は子どもに対してしつけをしなければいけないんだから、リスペクトとか何だか知らないが、子どものわがままを何でも受け入れたり、好きにさせたりなんてできるわけがない!」

と勘違いされるかもしれません。

これって、実は多くの親や大人たちが

親は子の上位
子は親の支配下

といった、ヒエラルキー的感覚に支配されているからで、

子どもを守る社会へと変革する際の大きな壁となって立ちはだかっています。

この壁を打ち破るためには、


人はそれぞれ違う考えを持っているのがあたりまえ

お互いがお互いの考えをリスペクトし合う」のが基本

だから親の考えと子どもの考えが違っていてもあたりまえ

親は子どもの考えが違っていてもリスペクトする

子どもは親の意見や決定をリスペクトする


といった、「リスペクト」の本来の意味がもっと浸透することが必要だと思います。

なので、

「親の言うことは絶対だ」とか、

「子どもの好き放題にさせる」といったことはあり得ないのです。

同時に事実として、親は子どもより長く生きているわけですから、
その経験や知恵を子どもに「押し付けることなく」伝えたりするのは当然のことですし、
子どもは自分の安全や成長について責任をもって果たしてくれているという
「親の存在の価値と重さ」を理解しなければならないのも当然のことです。

画像2

 

3.お互い「リスペクト」していると「心地よく」なる


息子:
「お母さん、今日また○○君にバカにされた。もう学校に行きたくない(泣)」

母親:
「男の子のクセにメソメソして情けないわね。そんな弱虫でどうするの?もっとしっかりしなさい!」

という親子のやり取りも、お互いリスペクトしていると、


息子:
「お母さん、今日また○○君にバカにされた。もう学校に行きたくない(泣)」

母親:
「どうしたの?何かあったの?」

息子:
「跳び箱の授業で、6段の跳び箱が、跳べなかったら、こんな簡単なの跳べないのかって笑われたんだよ。思い切って助走して跳ぼうとしたんだけど、いざ近くまで来るとすごく怖くって。。。」

母親:
「そうかあ、大変だったね。でも、思い切って助走して跳ぼうとしたんだから、頑張ったよね。」

息子:
「でも、跳べなかったんだよ。○○君なんかバカにしてくるんだよ。」

母親:
「5段なら跳べるの?」

息子:
「5段なら跳べるよ。」

母親:
「すごいじゃない。5段が跳べるんだから、もっと時間がたてばきっと跳べるようになるよ。」

息子:
「時間って?」

母親:
「そうねえ、高校生になったらかなあ。」

息子:
「それじゃ遅いよ。だいぶ先だよ。」

母親:
「そうね、だいぶ先よね。でも、お母さんは跳び箱を6段跳ぶことよりも、跳ぼうとして一生懸命努力することが大切だと思うの。たとえ結果が出なくても頑張っている姿はすごくかっこいいんだよ。」

息子:
「そうなの?かっこいいの?」

母親:
「うん、かっこいいよ。」

あるいは、父と娘のこんな会話。


父親:(スマホを見ている中学生の娘に)
「お、彼氏からの熱いメッセージか?」

娘:(面倒くさそうに)
「はぁ? マジうざいし。てか勝手に人のスマホ覗かないでくれる?」

という親子のやり取りも、お互いリスペクしていると、


父親:(スマホを見ている中学生の娘に)
「お、なんか楽しそうだね? いいことあったの?」

娘:
「あれ?わかる? そう、いいことあったんだよ。」

父親:
「それはよかったね! で、どんなこと?」

娘:
「ひみつ~!」

父親:
「当てよっか? もしかして。。。」

娘:
「ひみつって言ってるでしょ?」

父親:
「ごめんごめん。まぁ、こう見えても男の気持ちはわかるから、なんかあったらいつでも聞いてよ。」

娘:
「彼氏じゃないし。。。でも、もし、なんかあったら、相談するかも。」


親は子に対して、自分の考えや価値観を決して押し付けない

子を「1人の人間として」その「価値」や「領域」を認め、「尊重」する

だからこそ子は親を素直に受け入れるようになる

そして親の意見や決定を「尊重」する

もちろん、「尊重」はしても、
結果的に子どもの決断は親の考えと違うものになるかもしれません。
それはそれで新たに「尊重」し、受け入れるもよし、再度話し合うもよし。

そしてこの親子間の関係性は、家庭の外、
つまり友人関係や職場での対人関係などにいい方向で影響するはずです。
お互いに「リスペクト」しあう関係に
結果、社会全体が、お互いに「リスペクト」するのが当たり前の社会へと。

そうなれば、きっと前回述べた
子どもを守る
を国家理念にする社会が実現するはずだと信じています。

画像3

 

4.結果、自己肯定感が高まる

さらにもう1つ。

お互いに「リスペクト」できれば、自尊心・自己肯定感が高まります

相手のことが「リスペクト」できれば、
自分のことも「リスペクト」できるので、
結果として自己肯定感が高まります

子どもを「リスペクト」するということは、
子どもの存在そのものを肯定することになります。

そうすると子どもの「現在」を見ながら、
子どもの話を素直に「聴く」ことができ、
そしてそれに対して「評価」を下すことなく、
子どもの気持ちを受け止めて「共感」することができます。

そうすると子どもの成長を信じて「待つ」こともできるようになります。

あるいは子どもが問題を起こしたとしても「ほめてから注意する」ことができるようになります。

そして子どもの自己肯定感も高まり
自分を大事にでき、
相手に対する思いやりも育ち、
他人に振り回されることなく自分はこうしたいと主張もでき、
他人にポジティブな影響を与え、
生きる力が身につくのです。

「子どもを守る社会」という国家理念のもと、
「子どもを1人の人間としてリスペクトする社会」が実現すると、
こんな素敵な親子関係がベースになるのですから、
社会全体がよい方向に向かい、
「生きづらさ」に悩む人はきっと少なくなるはずです。

 

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子どもを守る社会・次世代を育てる社会

2021年02月04日 17時13分28秒 | いじめ・ハラスメント

1.学校教育の役割

「働かざる者食うべからず」

つまり、経済発展や生産性が国家の理念となっているわけですから、
能力のない者や生産性の低い者は、「何らかの形で下に見られてしまう社会」であると言えます。

組織や仲間や相手が求めるレベルに達していないと、
怒られる・陰口を言われる・バカにされる・差別される・いじめられる・無視される・排除される
といったことが起こるのは、この社会構造では、ある意味必然ですよね。

しかも、この国家の理念を実現するために、教育の段階から徹底的に訓練されます。

とくに義務教育の期間。


●個を犠牲にして集団のために尽くすこと
●同調、横並び、画一化
●目上の者の指示や集団で決めたことには、考えることなく反応し従うこと
●他人に迷惑をかけないよう個を抑制すること
●空気を読む、忖度する
●耐える、我慢する etc...


皆さんは運動会の前に「行進の練習」をしたことを覚えていますか?

運動場に整列し、行進曲が流れると
先生の号令がかかり、行進が始まります。

「いち、に! いち、に!」
「もっとももをあげて!」
「いち、に! いち、に!」

「ぜんた~い、とまれ!」
「やすめ。 気を付け!」

などと指示され、
しかも【キレイに全体が揃う】まで
何度も何度も繰り返します。

あるいは、学校での生活を振り返ると


●チャイムがなる
●先生が教室に来たら「起立! 礼! 着席!」
●クラスという名の「オリ」のなかで
 先生という上司に従い
 クラスの中の実力者の顔色を伺い
 クラスという集団の空気に支配され
 個の意志を抑制しながら
 同調し、堪え忍ぶ
●勉強や運動で常に競争結果を求められ、
 競争に勝ち結果を出した者はヒーローに
 競争に負け結果が出なかった者はレールから外れる
●競争に勝って結果を出した者はレールに乗って東大へと進み、
 支配する側を目指しての戦いへ


これって、社会人になり、企業に入っても同じですよね。
晴れて「労働者」となり、
国家のためにせっせと働いてしっかりと納税してもらうために
義務教育の時からみっちりと訓練されるわけですね。

 

2.子どもを守る社会

学校教育の目的が、「志ある人間を育む」ことからは程遠い、
集団や指揮命令に従順な「思考しない」人間を訓練する
こととなってしまっているからこそ、社会がおかしなことになっていると私は思います。

他の生き物の社会、例えばアリやハチなどは、子どもを守り、育て、次世代へつなぐことを忠実に行います。女王アリや女王バチ中心のように見えて、実は子ども(たまご)を生み育てることが目的なのです。

今の日本社会はどうでしょうか?

まず子どもを産むためには、原則として結婚しなければなりませんが、
夫婦2人で暮らしていくためにはそれ相応の住居が必要です。
2LDKの間取りで家賃10万円だとしましょう。
できたら手取りで月20万円は欲しいですよね。
夫のみの収入となると、正社員で月30万円程度ほしいところですが、給料がそれより少ないとなると、共働きするしかありません。
もし夫が非正規雇用で時給1200円の8時間労働週休2日だとしたら、総額約21万円程度ですから、やはり非正規雇用では結婚に踏み切るのに躊躇するでしょう。

共働きでどちらか正社員で月収30万円というハードルを乗り越えて、結婚できたとしましょう。共働きの場合、出産のために妻は休暇を取らなければなりませんが、休暇をとれるなら恵まれたほうで、結構な割合で退職することがいまだに多いのではないでしょうか?当然、出産前後と子どもが保育園に入るまでは収入が減る覚悟をしなければなりません。夫の給料が上がればいいのですが、それはかなり恵まれたケースでしょう。

また子育ても大変です。保育園に預けて職場復帰しようと思っても、なかなか空きがありません。そんなな状況でただでさえ収入が少ないところに、子どもにもお金がかかります。場合によっては習い事や英語教室に通わせたりと教育費もかかります。これは子どもが大きくなればなるほど費用がかさみます。大学に進学となれば相当な負担です。児童手当が支給されたとしても月1万円程度ですし、これでは安心して子供を産もうという気にはなれませんね。

ここまで見ても、少子化対策なんて全く真剣になされてないことがわかります。日本の将来のために、安心して子どもを育てる環境を整えようという気がないわけです。

しかし、もし、国家の理念が

子どもを守り次世代を育てる

という理念だとしたら、どうでしょうか?

今のような、経済的にも環境的にも、子どもを育てにくい状況がなくなるでしょう。

子どもを産み育てることに対し、さまざまな無料化・給付金・ユニバーサルベーシックインカムなどの経済施策と、保育園・幼稚園などの環境整備はもちろんのこと、社会の常識が大きく変わるはずです。


●子どもが生まれるんだから、遠慮なく休暇を取ることができる
●仕事よりも育児優先の社会のため、さまざまな子育て支援制度が充実
子どもも「1人の人間」として尊重し、子育ての仕方が激変する
●そのため虐待・ひきこもりなどが減る
●学校教育も個性を尊重し創造力と思いやりを育む方針に変わる
●その結果、学校が子どもにとっての最高の居場所になる
●こうした教育を受けて育った人材が社会を担うので、暖かみのある笑顔であふれた「生きやすい」社会に変貌する


まだまだたくさん挙げることができそうです。
国家の理念を子ども中心にすることで、
現代社会のすべての歪みを解決できるかもしれません。

 

3.学校はどうあるべきか?

真剣に国家の発展を希求するのであれば、教育の段階でさまざまな試みがなされるべきですね。

具体的に学校はどうあるべきでしょうか?

ピラミッド型の軍隊式な「訓練」を廃止し、学校が子どもの最高の居場所となるような、真に子どものための教育をする場所であるべきです。

創造力や個性を伸ばすことは、将来新たな分野を切り開く力となります。
対人関係の中で思いやりを育めば、暖かみのある関係が社会にあふれます。
教師が与え押し付けるのではなく、子どもの能力を伸ばすために支援する指導法に変えることで、学習に対するモチベーションも高まり、結果的に優秀な人材を育成できます。

大学のように、教科の先生がいる部屋へ生徒が移動するような仕組みにすれば、密室空間でのいじめは減るかもしれません。
もし困っている生徒がいても、授業や体裁を優先するのではなく、問題解決や相談援助を優先するような雰囲気と体制になれば、思いやりの心が育ち、競争により他者を蹴落とすような思考回路はなくなることでしょう。
議論の仕方、意見が違う時の対応の仕方など、コミュニケーションを円滑にするスキルを高めるような授業を行えば、社会人になった時の連携や連帯ももっと密接になるかもしれません。
多様性を認め、その中でどのように共生するのかをテーマに子どもにいろいろ考えてもらい、創造力と思いやりを育むことで、格差や差別のない暖かい社会に変わるかもしれません。
子どもの知的好奇心を刺激するような教育カリキュラムにすることで、将来国際的にも大いに貢献するような独創的な人材が育つかもしれません。

もし家庭でひどい目にあったとしても
学校に相談すれば解決してくれる
学校に逃げ込めば助けてもらえる
そんな最高の居場所となれば
子どもは愛と勇気と思いやりにあふれた人に育ち
日本の社会は大きく変わっていくことでしょう。

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