「いじめ」、ここではあえて「いじめ」という言葉を使うことにします。
私自身が小さいころから現在に至るまで、「いじめ」がなくなる気配はありません。
一体どうしたらいいのか。
私なりに考えていることを数回にわたって書くことにしました。
1.資本主義社会であるがゆえの歪み
資本主義社会である以上、企業は収益を上げ、競争を勝ち抜くために、創意工夫と効率を追求し、「生産性」の向上に努めます。
労働者はその企業に雇用され、労働力を提供することで報酬を得ます。
そのため、国家は「勤労を義務」として、その仕組みを支えます。
この資本主義社会である以上は、競争に勝ち抜かなければなりません。
私たちは生まれてから、ありとあらゆる競争の場に駆り出されます。
そしてその競争を勝ち抜くことによって、この社会での「地位・ポジション・立場」を得ることができ、その地位や立場が上であればあるほど、それを守ることに多くのエネルギーを費やします。
なので、常にというか、基本的にというか、大前提としてというか、無意識の中にこの仕組みが組み込まれていると言えます。
そしてその行き過ぎを防ぐために、道徳や倫理などでブレーキをかけているわけです。
しかし、あくまでも大前提は「生産性」。
そうである以上、私たちは自然にその生産性を向上させるための行動をとることになります。
相手に勝つ
相手を排除する
相手より上位にいる
。。。
2.マウンティング
マウンティングとは、自分の方が相手よりも立場が上であること、また優位であることを示そうとする、行為や振る舞いのこと。特に、対人関係において、自分の優位性を示そうと自慢したり、相手を貶したりすることを指す。
(引用:新語時事用語辞典)
相手に勝つためには、相手より上位にいるためには、自身がどの位置にいるのかを、自分も理解し、相手にも示さないといけません。
そのために私たちは日常において、さまざまな「マウンティング」を意識的にも無意識のうちにもしています。
この社会では、「生産性」のある者が「優位」にたち、「マウンティング」をします。
逆に「生産性」がないとされた者は「マウンティング」をされます。
自慢される
けなされる
下に見られる
高圧的に対応される
悪口を言われる
いじめられる
。。。
以前の記事でもこのことに触れたものがありますので参考にしてください。
この「マウンティング」を乗り越える方法があります。上の過去記事でも触れた、「お互いをリスペクト」することです。
3.マウントせずに「リスペクト」する
人はそれぞれ違う考えを持っているのがあたりまえ
「お互いがお互いの考えをリスペクトし合う」のが基本
だから自分の考えと相手の考えが違っていてもあたりまえ
では、「リスペクト」するにはどうしたらいいのでしょうか?
(1)相手を「評価」して決めつけない
評価は、現時点での自分が下した極めて主観的なものです。
その「現時点での自分」が下した評価の押し付けが「決めつけ」です。
・あの人、なんか嫌い
・あいつ、なんかムカつく
・あの子、仕事できないのに態度でかいよね?
これらすべて、「決めつけ」です。
そうすると、その主観でしか相手を見ないので、決めつけがネガティブであればあるほど、相手のことを下に見たり劣っていると見てしまうことになります。
(2)お互いの「領域」を守る
「領域」は「境界線」と言い換えてもいいでしょう。
自分が相手の領域を守れば、相手の「ありのままを尊重」することになり、相手が自分に対して信頼感を持つようになります。
逆に「決めつけて」相手の領域を侵すようなことをすれば、相手との対立を生むことになります。
(3)相手を「変えよう」としない
人が変わるには、その人なりのタイミングがあります。
・何度言ったらわかるの?
・こんなことするなんて信じられない!
・あなたのためを思って言ってるのよ
なんて、ストレートに相手に変化を求めても、まず変わりません。
それよりも相手のありのままを受け入れて、自分が変わる方が早いです。
(4)私はこういう気持ちがするからこうしてほしい【アサーション】
「あなたはどうしてそんなに冷たいの?」と言ったところで、相手は突然思いやりあるあたたかい人に変わることはありません。
それどころか、「自分が責められた=自分の領域を侵された」と感じて、より自分を守ろうとかたくなになるかもしれません。
「あなたがそういう態度だと、私はすごく悲しいな。だからもっと優しくしてくれないかな?」
と言った方が、
「ごめんね。ちょっとやりすぎだったね。次からは気を付けるよ。」
と相手は受け入れてくれるかもしれません。
それは、自分の気持ちを「私」を主語にして伝えたことで、相手の領域を侵さずに、つまり相手を「リスペクト」した状態で自分の言いたいことが伝わったのです。
そうすると、相手は「自分の領域が守られている」と感じているので、私の話に耳を傾けようとします。
結果として相手が変わるタイミングになる可能性も高まるわけです。
(5)相手の話を「なるほど」と思えるまで「聴く」
相手を評価して決めつけることなく、相手の領域を守りながら、相手の話を「聴く」ことが大切です。
話を聞いている最中に評価が頭に浮かんだときは、その評価を手放すことが必要です。
そして、一度聞いても理解できないときは、素直にわからないことを相手に尋ねるようにして、最終的に自分が「なるほど」と思えるまで相手の話を「聴く」と、相手は
「自分のことをわかってくれた」
「ありのままを受け入れてくれた」
ととらえ、信頼感が高まります。
以上の(1)~(5)を家庭や学校で教わり、学び、実践するような社会であれば、かなりいじめも減るのではないでしょうか?
このような社会になるには、国家の理念を「子どもを守る」に変える必要があると私は思っています。
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