「四つの欲動」理論

四つの欲動について

　　モチベーションの源になるのが、四つの欲動。ある欲動の数値が低いと、全体のインパクトも下がる。


Ａ．「獲得」の欲動

　　社会的地位など無形なものを含めて、稀少なものを手に入れること。

　　この欲動が満たされると喜びを感じ、くじかれれば不満を感じる。

　　衣食住や金銭などの物質的なものだけでなく、旅行や娯楽から昇進など社会的地位等もある。

　　これは相対的であり、限界がない。

　　我々はは自分の持っているものと他人のそれとを比較し、

　　「もっと、さらにもっと」とたえず欲する傾向がある。


Ｂ．「絆」への欲動

　　個人や集団との結びつきを形成すること。

　　親、血族、種族だけでなく、人間だけは、組織、同盟、国民等もっと大きな集団へとつながりを広げていく。

　　これが満たされたとき、愛情や思いやりなど前向きな感情を、

　　満たされないとき、孤独感やモラルの崩壊など否定的な感情を引き起こす。

　　人間は身近な集団を大切に思う。


Ｃ．「理解」への欲動

　　好奇心を満たすことや、自分の周りの世界をよく知ること。

　　人は意味のないことをしていると感じれば、欲求不満を感じる。

　　逆に、何としても答えを見つけ出そうと挑戦すれば、やる気が湧いてくる。

　　自分の力が試され、成長し、学習につながる仕事を与えれると、モチベーションも高まる。


Ｄ．「防御」への欲動

　　人間は本能的に、自己財産、業績、家族、友人、ビジョンや信念を、外敵から守ろうとする。

　　外部の脅威から、わが身を守り、正義を広めること。

　　この欲動の根源にあるのは、“闘争か逃走”の反応。

　　それは単なる攻撃や防御に終わることなく、正義を求め、具体的な目標と態度を示し、

　　自分のアイデアや意見を表明できる組織を生み出したいという希望になる。

　　防衛への欲動が満たされれば、安心感と信頼感につながる。

　　逆にこれが満たされなければ、恐怖や憤りといった否定的な感情を呼び起こす。