心の休憩室 パート2

何度か中断していますが、書きたいことがでてくると復帰しています。

世界青春放浪記

2013-07-24 22:30:44 | 日記

*****

もっとも、ぼくがロンから教わったいちばん大切なことは、

ジャグリングではなく勉強のしかたである。

まったくできないことに対して、どのように挑戦し、

未知の技術を身につけていくかということだ。

ロンはなにか新しいことを習得しようと思うと、

それをいくつもの小さな部分に分け、その一つ一つを

徹底的に分析する。 それらを個別に練習したのちに

全体に挑戦するのだ。

 

(中略)

 

語学でも数学でもスポーツでも、人の習熟度は、

はじめ急激に進歩して、それから止まってしまう。

あるいは後退するかのように感じられる。

 

たとえば三つのボールを使ったジャグリングなら

一日でできるようになるが、四個となると一カ月

ぐらいが必要だ。さらに、五個に挑戦すると一年間も

練習をつづけなくてはならない。

 

しかし、伸びなやんだ長い時期をすぎると、また急減に

進歩する時期がやってくる。

 

それを何度も繰り返して、ものごとは身についていく。

 

人はよく「結果は努力と正比例して得られる」と思いがちだが、

実際には、ものごとの習得過程はこのような不連続な曲線を

描いている。

 

まったく進歩が感じられないようなときでも、いつかよくなることを

信じて努力をつづけなければならない。成果があらわれなくても

悩むことはない。がんばりつづければ、かならず後から進歩が

やってくるからだ。

*****

 

ピーター・フランクルの「世界青春放浪記」の中で見つけた言葉だけど、

こういう言葉に出会うと「勉強を続けていかないといけない」という

気持ちになるよね。

 

セミさんだって、何年間も土の中でがんばりづつけているから、

こうやって脱皮して、飛び立つことができるようになるんだよね。

 

 

 

 


天使の椅子

2013-07-21 16:16:26 | 日記

*****

記憶のいれものというのはたぶん、古ぼけたオルゴール付きの

小箱みたいな姿をしているんだろう。

見た目は何の変哲もなくて、だからふだんはそんなものが

自分の中にあることさえ忘れている。

でも、何かの拍子に見聞きしたものが鍵となり、

それがたまたま鍵穴にぴたりと合うと、

おもむろに箱のふたがひらきネジがまかれて、

思い出にたちまち色や音がついてあふれだす。

*****

 

村山由佳の「天使の梯子」の中で見つけた言葉だよ。

昨日読み終わった吉田修一の「東京湾景」より、心に残る作品だと

思ったけどね。

 

 

 


朝 (Matin)

2013-07-13 15:29:57 | 日記

「朝のリレー」

 

カムチャッカの若者が

きりんの夢を見ているとき

メキシコの娘は

朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が

ほほえみながら寝がえりをうつとき

ローマの少年は

柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では

いつもどこかで朝がはじまっている

 

ぼくらは朝をリレーするのだ

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

 

眠る前のひととき耳をすますと

どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を

誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

*****

 

谷川俊太郎さんの有名な詩だけど、今日、図書館に行った

ときに、「朝」の詩集を借りてきたよ。

 

人間にとっては地球はとても大きいけど、地球のどこにいても

同じ太陽を見れるというのは、考えたら不思議だよね。