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もっとも、ぼくがロンから教わったいちばん大切なことは、
ジャグリングではなく勉強のしかたである。
まったくできないことに対して、どのように挑戦し、
未知の技術を身につけていくかということだ。
ロンはなにか新しいことを習得しようと思うと、
それをいくつもの小さな部分に分け、その一つ一つを
徹底的に分析する。 それらを個別に練習したのちに
全体に挑戦するのだ。
(中略)
語学でも数学でもスポーツでも、人の習熟度は、
はじめ急激に進歩して、それから止まってしまう。
あるいは後退するかのように感じられる。
たとえば三つのボールを使ったジャグリングなら
一日でできるようになるが、四個となると一カ月
ぐらいが必要だ。さらに、五個に挑戦すると一年間も
練習をつづけなくてはならない。
しかし、伸びなやんだ長い時期をすぎると、また急減に
進歩する時期がやってくる。
それを何度も繰り返して、ものごとは身についていく。
人はよく「結果は努力と正比例して得られる」と思いがちだが、
実際には、ものごとの習得過程はこのような不連続な曲線を
描いている。
まったく進歩が感じられないようなときでも、いつかよくなることを
信じて努力をつづけなければならない。成果があらわれなくても
悩むことはない。がんばりつづければ、かならず後から進歩が
やってくるからだ。
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ピーター・フランクルの「世界青春放浪記」の中で見つけた言葉だけど、
こういう言葉に出会うと「勉強を続けていかないといけない」という
気持ちになるよね。
セミさんだって、何年間も土の中でがんばりづつけているから、
こうやって脱皮して、飛び立つことができるようになるんだよね。