「日本文化原論 真なる調和への道 」 美粋書房 横山俊一

私は神道や仏教を根にする伝統文化慣習に携わりました経験を軸に『日本文化原論』と題し執筆活動を展開しております。

1)哲学文化観

2021-10-03 19:35:51 | 日記

1-1健全な心身性と観念

どのようにしたら健全な感性や心理性が培われるか。言葉や概念を読み込み情動の健全さを作りだす面もあり得る。しかし、言葉や概念には臨場感が弱まり、実際的な感性を生み出すかどうかは、疑問も少なくない。直接的に生物の育成や関りを通し、生死などという現象を得ながら感性や生命観が作られるのが自然な筋道と解される。

1-2教育

教育は「徳育と知育と体育」などという側面に分化し、其々の育成や成長を作る施策が投じられる。感性と観念と精神と身体の相関と習慣として統合された規則性と定着し、活動法則性を作り人間性が産み出される。「喜びや悲しみ」等という感受性が出現し、「正は維持や増進」「負は削減や予防」の思考と探求が成され、意図と作為と結果を伺い確かな方法の確立へ及ばせ、欲求と実現の生産法則が投じられる。感性と観念と精神と身体の相関と統合される。

1-3体験的教育

例えば、小学校において花壇や動物の飼育などという過程が与えられる。鳥の飼育では鳥小屋の中に力任せに小鳥を拘束し、人間の要望を実現させる。決まった場所に、小鳥を住ませ支配従属させる行為とも解される。小鳥を鑑賞しかわいらしさを見て癒されるなどという効用を求められる。餌や水をあげたりゴミ掃除をしながら世話をして小鳥の成長を齎し喜びが起こる。卵から雛にかえり独り立ちを出来るように成人へと成長させ、立派な親鳥となって子供を作り育てる姿を見てただの鑑賞に留まらず育成の喜びを得る。育てていた小鳥が病気や老衰によって亡くなる。エネルギーを注いで世話をした分、突如いなくなると哀しいという感情が出現する。このような生の導出と死という現象に対面し実際的な感受性や生命観が作り出されるのが、一般的な過程のように思われる。

1-4不完全燃焼・消化不良の弊害

頭による作業に偏って感性と身体の因果が減少する育成によると、どこか不完全燃焼や消化不良という工程の欠陥が浮かび上がる。根の歪化した人間性を作る原因とも映る。感性と観念と精神と身体の相関と統合される一巡性において健全な感性と機能と制御を作る過程を生む。力を暴走に及ばせず、健全な感性を起源にもって力を適正に用い使うことのできる性質と創造の動静を遂げる。身体性や感性面の過程が萎むと一次的な因果と実際性が乏しく、頭と体と感性の分断的な状態と歪な性質を招く傾向を生む。言葉の羅列や分断、意味不明性などという産出性になって内面性や習慣性の実態が顕在化する。

1-5供給と需要

あまりに科学技術力の発達が進み、健全な感性や身体と概念形成という側面が弱まると力と適正な活用から外れた歪な感性による機械性や機能性に陥る因果が出現する。生身の人間側が弱まり道具や装置への異様な依存を強め、物的効用と充足を高める習慣が深まり人間の根源や根幹の歪性が作られる事への問題視が残り、あまりにバランスの崩れた性質に陥らぬ自己の側の制御と管理を図る観点が内蔵される。供給側への関心と探求のみならず、人間側の需要に見る適正を自ら作り制御する観点を含んで健全な哲学と科学と技術の相関を実現する。短史眼的な経済性の意識で支配され、中長期的な利益概念を喪失し根本的な歪性を広げ深める事への予防の観点を表し、長らく良好な人間と生態と永続の世界を遂げる発想と創造が産まれる。

1-6力依存性の予防

権力や財力、軍事力等という各種力への異様な依存と外界の支配従属を求める歪性を拡大させる事の無き、人間性と世界観と活動法則を表し作る長期政策が産まれる。変わりづらい人間の適正像を導出し「思想と世界観と活動法則」や「哲学と科学と技術」を表し普遍的不変の基準概念と稼働を定着させる作為が起こる。

1-7哲学文化の実感

「権力は腐敗する」という言葉にも真理性が映る。浄化性の作用が働いて歪性の拡大と深まりを修復する自然律が回り人間と生態の健全と永続の世界観と実現の軌道を産み哲学文化の実感を得る。肥満な性質がいつまでも大きな力を持ち、歪な固定性を企てるようであると哲学文化の喪失と解される。消化不良の教育が強まると歪な性質による社会性と秩序が高まる様に思われる。根本原型の崩れの激しい習慣を持つ根の歪な専門職による搾取性と身分の固定化などという人間の物化状態を強める歪性を作らぬ変わりづらい人間の適正像を表す事が要る。狂った経営を行う経営者への対処と歪な経営に及ばぬ予防策が求められる。ボンボン育ちやガリベン、異様に金に執着する経営者に過剰な力を与えると、育成や教育などという事への関心が希薄な機能性と活用の強まる制度や法規や創造を招き根の歪な世界を深め広げる。人間性の欠陥による二次三次の不健全性が広げられる。

 

 


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