国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

昭和33年10月7日 第30回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号から抜粋 第13話

2024-07-25 11:00:00 | 国鉄関連_国会審議
今回も引き続き、小林委員による新潟鉄道管理局長の不当労働行為についての質問が続きます。
小林委員の追及は中々厳しく、何としても政府側に陳謝させたいという糸が見えています。
見方によっては執念のようなものを感じてしまいます。
ここで注目すべき点は、どこまでが不当労働行為に当たるかという点になるわけですが、これに関してはケースバイケースであり、一概に言い切れないことが本人も良く判っていると思うので、
最初に小林委員が指摘した、「非組合員(現場長である区長や助役など)が、組合をぶっつぶせばよろしいというような暴言を吐いている」事をして、組合員に対する支配介入(労働組合法第7条第3号)に当たると指摘しているのは、いささか無理があるように感じてしまいます。
まぁ、その辺は本人も多少は了解しているようで、水掛け論になるとして深入りは避けているのですが・・・、その後、局長自らが「新潟地本は潰れた方が良い」と発言したことを不当労働行為だと指摘しています。
すなわち、支配介入の以下の要素
  • 組合の活動を非難する発言をした。 労働組合法第7条第3号
ただし同じ日付の労働情報の中に、局長の訓示が終っていろいろの角度から質問や意見が述べられたが、その際ある質問に対し、局長から、今の地本は危機によろめいている、現状のような姿の新潟地本であるならむしろつぶれた方がましだと思う、こういう発言をされている。これは、ごらん下さい、当局側の情報です。つぶれた方がましだと思うと局長が発言をしておる。これは不当労働行為じゃございませんか。

と言う発言しているわけですが、これはいわゆる昨今に見られる切り抜き動画のようなイメージを持ってしまうのですが、少なくとも国労新潟地本内での革同派と本部の確執、並びに実際に革同派に賛成しないグループによる脱退があるわけですから、実際に地本内ではゴタゴタはあった訳です。
ただ、質疑の中で局長が発言した談話を「労働組合法第7条第3号」の誹謗中傷と捉えるのも些か無理があるように感じます。

続く
応援よろしくお願いします。

************************以下は、国会審議議事録です*************************

○小林(進)委員 あなたは自分で勝手に仮定を作り上げて、あなたの仮説のもとにそういう詭弁を正当化しようとしておられる。それは卑怯ですよ。一つこの際労政局長の見解を承わりたい。
○亀井政府委員 不当労働行為の問題につきましては、同じ表現上の事実でありましても、それが不当労働行為にならない場合、あるいはなる場合、いろいろあるわけでございます。それはそのとき、あるいはその場所によりまするいろいろな条件が事実認定の上で積み重ねられまして、そして判断されていくわけでございます。たとえば使用者のいろいろな行動の中に、不当労働行為で救済すべきほどのものでなくても、それが積み重ねられていった場合におきまして不当労働行為になる場合もございましょうし、あるいは同じ事案でございましても、片一方は不当労働行為になり、片一方は不当労働行為にはならないというふうな場合もございまして、不当労働行為の認定は法律の解釈と違いまして、事実認定がその中に入りますために非常に判断がむずかしいのでございます。そこで労働法におきましては、御承知の通り学識経験のあります方々によって構成されておる労働委員会あるいは公労委というふうなところで慎重にその問題の判定をいたすことになっているわけでございます。そしてまたかりに、われわれがそれが不当労働行為であるかどうかということを判定することよりも、この制度自体は、それからいかなる救済をするか、団結権なりあるいはその他の労働者の権利をいかに救済していくかということが目的でございまして、これはやはり労働委員会なり公労委でその事実認定に基きました判断がなされるということでございます。今の問題につきましても、私ら諸般の状況が明確でございませんので、私といたしましては判断を申し上げることを差し控えさしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 局長はこの前の労働大臣に対するときも今と同じような答弁をされ、二度も拝聴したわけでございますので、これ以上は水かけ論になりますので私もやめますが、私は非組合員同士の中に、組合をぶっつぶせばよろしいというような暴言を吐いていることは、自分の部下現場長、分区長を通じてそういうような組合をつぶすというような圧力影響を与えるような発言は、これは純然たる不当労働行為であると解釈をいたします。しかしあなたが承服をせられないならば、また別の角度で相まみえることにいたしまして、私もこれでほこをおさめることにいたします。ただし同じ日付の労働情報の中に、局長の訓示が終っていろいろの角度から質問や意見が述べられたが、その際ある質問に対し、局長から、今の地本は危機によろめいている、現状のような姿の新潟地本であるならむしろつぶれた方がましだと思う、こういう発言をされている。これは、ごらん下さい、当局側の情報です。つぶれた方がましだと思うと局長が発言をしておる。これは不当労働行為じゃございませんか。
○吾孫子説明員 その前後の話というものがよくわかりませんですが、違法な行為が繰り返されるような、そういう状態の組合は望ましくないからつぶれた方がましだというようなことを言ったのかと思うのであります。それは先ほども申し上げましたように、非公開の席上で申したことでもあり、別段不当労働行為とかなんとかいうような、特に積極的な組合に対する弾圧をしようとかいうような気持とは違って、感想を述べたものであって、特に不当労働行為というようなことになる性質のものではないように私は考えております。

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