国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

昭和33年10月7日 第30回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号から抜粋 第15話

2024-10-17 10:45:05 | 国鉄関連_国会審議
長らく間が開いてしまいましたが、改めてアップさせていただきます。
小林議員がかなりお怒りのようで、新潟鉄道管理局の体制を厳しく指摘しています。
この状況だけからは、一概に国鉄当局に問題があるように見えるのですが、実際波動であったのでしょうか。
この件に関しては、新潟国労の労働運動史料(新潟国労・不屈の30年)もありますので、併せて探求していく予定としています。
ただ、新潟闘争以後に組合員が新潟地方労組が結成され、その多くが国労を脱退して、多くの組合員が第二組合である、新潟地方労組に移籍したとされているわけであるが、これに対して小林委員以外にも、石田宥全衆議院議員が、衆議院議長宛に、昭和33年3月24日に「国鉄労働組合新潟地方本部管内の不当労働行為の実態に関する質問主意書 」として質問をしていることから、当時のこの問題はかなり国会でも注目されたであろう事が窺えます。
ただし、この当時の国鉄当局はかなり組合に対して強気の対応をしていました。もちろん、この頃の闘争が昭和40年代・50年代の闘争よりも緩かったわけではなく、昭和30年代の闘争もかなり強気な闘争を試みていたことは窺えますし。
国労自身が民同派・革同系・共産党系といった色々な派閥により、一本化しにくかった事情もあったわけで、特に新潟闘争の場合はより過激な闘争を試みる革同系とそれを阻止しようとする本社の鬩ぎ合いのような所があったのも事実でした。
この辺は更に深掘りをしていく必要もありそうです。

なお、「国鉄労働組合新潟地方本部管内の不当労働行為の実態に関する質問主意書 」の質問書と回答は下記の備忘録に残しておきます。




************************以下は、国会審議議事録です*************************


○小林(進)委員 私は部外者であります。私は、国鉄の責任を負って、あなたのようにそのために高禄をはんで、そして総裁室に蟠踞しているのとは違います。部外者です。けれども、私は国民の代表の立場から、この国鉄行政、新潟の監理局のあり方に非常な危険を感じ、そのために私は誠心誠意調べて、これだけの材料を提供したわけです。まだ私の調べた材料の三分の一に及びませんけれども、提供した。あなたはそのために高禄をはんでいる。それは吾孫子常務理事もその通りだ。しかもこのたびの国会において、新潟国鉄の問題について国会議員小林進から質問があるということは、きょうだけじゃない、もはや数日前からあなた方の方に国会の委員部を通じてちゃんと情報が行っているはずなんです。そういう散漫な調べ方で、そういう答弁もできないで一体何です。それで一体職責が果されるんですか。これからまた調べて持っていこう、そんな緩慢なことで一体あなたの職責が全うされるんですか。吾孫子常務理事、一体いつ国鉄に私の方から質問があるということがあなたの耳に入り、あなたはいつから調査を開始されたか、答弁を願いたい。
○吾孫子説明員 九月の二十六日でございますか、先生の御質問がありました直後に、新潟の問題についてお尋ねがあったということを伺いました。それで新潟の局に対して照会し、局長にも来てもらいましたし、また本社の調査役を現地に派遣いたしまして、二十六日の御質問の際にいろいろ問題になりました事実については取調べをいたした次第でございます。
○小林(進)委員 私の質問に対して何も答えがなっていないじゃないか。答えが一つもできておりません。よくそういうようなずさんな調査をせられたものです。この問題は、私は率直に申し上げまするが、労働委員会の先輩、同僚各位と十分打ち合せをして質問しておりますが、これは社会労働委員会だけじゃない。わが党の国会対策委員会にも正式に諮りまして、これは実に重大問題であるということで、運輸委員会その他の委員会はもちろんですが、わが党の弾圧対策委員会においてもすべてこれを取り上げて、抜本的に解決しなければならないというので、非常にこれを重大視しておる。しかるにこういうような問題についてあなた方はまるで馬耳東風だ。何の調査もしていなければ、ただこの委員会に現われてちゃらんぽらんの回答をしてその場をじんぜん過ごせば事足りる、そういうような考え方でおられるということを私は予見をいたしまして、非常に不愉快であります。しかし率直に申しまするけれども、問題はこの労働委員会における私の質問をもって終るものではございません。どういう形でこれが現われてくるか、私は具体的にあなた方に申し上げませんけれども、決してあなた方の考えているような簡単な問題でないということを申し上げます。私ども労働委員会といたしましても、もちろんこれだけで手をおさめたのでは、私は他の先輩やほかの委員会に対して責任が持てませんから、この問題はもちろん皆さん方の精密な再調査を依頼して、書面に基く国会への御回答は要求いたしますけれども、それをもって満足できません。
 委員長、一つ提案をいたしまするが、現地の局長をこの国会に御招請願って、本人から直接今までの経過についてお話を伺うか、さもなければ、わが委員会において、もちろん与野党からなりまする調査団を編成をいたしまして、現地にわれらみずから出張をいたしまして事実の調査に当るか、いずれかの方法をとるために何分の御所断を得たいことをお願いをいたしまして、一応私の質問を終りたいと思います。

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