先日真の茶事に参加する機会がありました。真の茶事は滅多に拝見する機会や参加する機会もありませんので貴重な経験となりました。これまで一度しか経験がなく、数年前お茶名拝受のおりでしたのでもうすっかり忘れておりました。当時は右も左も分からず当然資料も作っておりませんのでこの度はしっかり目に記憶に焼き付けようと意気込んで望みました。(写真やメモなど取れないので誤りがあるかも知れませんが御容赦ください。)ちょっと長いですが備忘録もかねて二回に分けて記します。お点前の内容などは奥秘のためお伝えできませんがお茶事の流れ等に関してのみお伝えできればと思っています。
今回の真の茶事流れとしては待合→外腰掛待合→迎付→席入り(4畳半の茶室)→一の膳→精進料理、懐石→真の炭→七種のお菓子→中立ち→後入り→真の行のお点前でお濃茶→動座し広間へ、八畳に移動→席入り→薄茶→二の膳→精進落し、懐石→送り礼 朝11時くらいから始まり終わったのが4時過ぎ お茶事の最高峰との位置づけらしく時間も長い。
今回ご指導いただいた先生からは、感謝の念で望む態度、茶室の空間における精神の緊張と解放、お濃茶の席の厳粛な形から薄茶席に移動し解きほぐされた心の動き、その場における主と客の心の交わりと変化などご教授いただき、日頃割り稽古では味わえない茶の真髄を経験させていただいたように思います。
床には利休様を描いたお軸と文台の上には三つ具足(松の木を飾った花入れ、香炉、燭台には和ろうそくの火がともしてある)その前左には濃茶の入った天目茶碗と天目台、右は七種のお菓子(といっても根菜類を甘く煮たものなどいわゆる練りきりや今の和菓子ではない。)
真台子には唐銅皆具、土風呂には鱗灰(今回は普通の灰形でした)、台子天板中央に四方盆に仕覆を着た唐物茶入、羽根と香合。
まず一の膳 朱塗りの折敷に4つ碗。出来るだけさっつさと手早く静粛に頂くこと。
普通は飯碗、汁碗、と向付で後から盃台と盃を燗鍋と一緒に持ち出しますが、今回は酒器となる小さい器に梅干が入り、向付けも朱の碗に湯葉、飯碗、汁碗、の4つ碗です。神様にお供えするつもりでごくごく簡素な精進料理。
八寸や小吸いは二の膳で頂くのでここではありません。
お神酒は燗鍋ではなく蕎麦湯なんかを頂く時の汁器の朱色に入れてありました。
汁替え→椀物、(椀物の出汁もしいたけや昆布などで) 枝豆の真蒸
酢の物、煮物と香物は2段の器に入れ両細の箸で。
亭主は持ち出しなどしないので決まり文句も「お持ちだし・・・」など客から申し出ず、亭主「水屋で相伴いたします。」のみ。
真の炭。
真の炭手前をお茶事で拝見するのは初めてでしたので習いとの違いも確認できました。
お菓子。
7種のお菓子は先に述べたように根菜を甘く煮たものなど。ジャガイモ、しいたけ、ごぼう、かぼちゃ、昆布、白玉、梨。
これはいつも使用する黒の縁高に盛ってありました。黒文字と朱の杉箸を添えて。
中立ち。
今回は銅鑼のあと後入りの迎え付けをしていただきました。
席入り。燭台のろうそくの火が消してあった。
真台子には左に天目茶碗と天目台。右は先ほど中央にあった四方盆と茶入が。
この姿は真の行のお点前をするときのはじめ姿ですね。
真の行のお点前。
懐石や炭の後にこのお点前をやらなければいけないので緊張の糸が途切れないように心身共に修業してないと点前の手順が抜けて出てこないことになりかねない。本番でやるとなると身体に染込ませるまで反覆繰り返し練習する意味が分かります。
お濃茶 五人分の濃茶を天目茶碗で練る。お点前はベテランの先生でしたが五人分のお茶の量とお湯。お稽古の場でそうそう経験できない。ゆっくり静かにいつもの楽茶碗で練るようにはいかない。すぐに固まってしまい、だまの状態に。お茶の量もお湯も多くして、もっと早く、混ぜて回すような感じでと助言が入り、お稽古の場でちゃんと五人分の量の把握やお湯の量など練習するようにとご指導いただきました。普通の練り方で天目茶碗の練り方をしてしまうと茶碗の形状が円錐形の茶碗なので固まりやすいので何度も研究して美味しいお濃茶に練れるようにとのお教えでした。
兎にも角にもこれで美味しい(○、△、□?)お濃茶をいただき無事退室。
後日、五人分の濃茶を天目茶碗で点てるなんてやったことがなかったので、この機にトライ。家で濃茶の量やお湯の量を測って天目茶碗で実際にやってみました。実に難しい。一朝一夕には出来ない。教本にお濃茶一人3.75gと書いてありお湯はだいたい30ccらしい。その五倍の量18.75g。濃茶の小さい缶が20gとしておおよそ一缶分を一回で練らなければいけない。想像していた量よりはるかに多いではないか。何よりその量を象牙の茶杓で何杓になるかやってみたら掬う量にもよるが、34杓もなってしまった。お湯も差し通し一杓120ccだったので一杓ともう四分の一くらい要る。実際はそんなに杓子定規にしなくても目分量で、客により季節により、湯あいによりまた道具によるところがおおきいが、基準の感覚を自分の身体に持っておくことの大事さを改めて確認できました。修行修行!!
二の膳は次回パートⅡに。
今回の真の茶事流れとしては待合→外腰掛待合→迎付→席入り(4畳半の茶室)→一の膳→精進料理、懐石→真の炭→七種のお菓子→中立ち→後入り→真の行のお点前でお濃茶→動座し広間へ、八畳に移動→席入り→薄茶→二の膳→精進落し、懐石→送り礼 朝11時くらいから始まり終わったのが4時過ぎ お茶事の最高峰との位置づけらしく時間も長い。
今回ご指導いただいた先生からは、感謝の念で望む態度、茶室の空間における精神の緊張と解放、お濃茶の席の厳粛な形から薄茶席に移動し解きほぐされた心の動き、その場における主と客の心の交わりと変化などご教授いただき、日頃割り稽古では味わえない茶の真髄を経験させていただいたように思います。
床には利休様を描いたお軸と文台の上には三つ具足(松の木を飾った花入れ、香炉、燭台には和ろうそくの火がともしてある)その前左には濃茶の入った天目茶碗と天目台、右は七種のお菓子(といっても根菜類を甘く煮たものなどいわゆる練りきりや今の和菓子ではない。)
真台子には唐銅皆具、土風呂には鱗灰(今回は普通の灰形でした)、台子天板中央に四方盆に仕覆を着た唐物茶入、羽根と香合。
まず一の膳 朱塗りの折敷に4つ碗。出来るだけさっつさと手早く静粛に頂くこと。
普通は飯碗、汁碗、と向付で後から盃台と盃を燗鍋と一緒に持ち出しますが、今回は酒器となる小さい器に梅干が入り、向付けも朱の碗に湯葉、飯碗、汁碗、の4つ碗です。神様にお供えするつもりでごくごく簡素な精進料理。
八寸や小吸いは二の膳で頂くのでここではありません。
お神酒は燗鍋ではなく蕎麦湯なんかを頂く時の汁器の朱色に入れてありました。
汁替え→椀物、(椀物の出汁もしいたけや昆布などで) 枝豆の真蒸
酢の物、煮物と香物は2段の器に入れ両細の箸で。
亭主は持ち出しなどしないので決まり文句も「お持ちだし・・・」など客から申し出ず、亭主「水屋で相伴いたします。」のみ。
真の炭。
真の炭手前をお茶事で拝見するのは初めてでしたので習いとの違いも確認できました。
お菓子。
7種のお菓子は先に述べたように根菜を甘く煮たものなど。ジャガイモ、しいたけ、ごぼう、かぼちゃ、昆布、白玉、梨。
これはいつも使用する黒の縁高に盛ってありました。黒文字と朱の杉箸を添えて。
中立ち。
今回は銅鑼のあと後入りの迎え付けをしていただきました。
席入り。燭台のろうそくの火が消してあった。
真台子には左に天目茶碗と天目台。右は先ほど中央にあった四方盆と茶入が。
この姿は真の行のお点前をするときのはじめ姿ですね。
真の行のお点前。
懐石や炭の後にこのお点前をやらなければいけないので緊張の糸が途切れないように心身共に修業してないと点前の手順が抜けて出てこないことになりかねない。本番でやるとなると身体に染込ませるまで反覆繰り返し練習する意味が分かります。
お濃茶 五人分の濃茶を天目茶碗で練る。お点前はベテランの先生でしたが五人分のお茶の量とお湯。お稽古の場でそうそう経験できない。ゆっくり静かにいつもの楽茶碗で練るようにはいかない。すぐに固まってしまい、だまの状態に。お茶の量もお湯も多くして、もっと早く、混ぜて回すような感じでと助言が入り、お稽古の場でちゃんと五人分の量の把握やお湯の量など練習するようにとご指導いただきました。普通の練り方で天目茶碗の練り方をしてしまうと茶碗の形状が円錐形の茶碗なので固まりやすいので何度も研究して美味しいお濃茶に練れるようにとのお教えでした。
兎にも角にもこれで美味しい(○、△、□?)お濃茶をいただき無事退室。
後日、五人分の濃茶を天目茶碗で点てるなんてやったことがなかったので、この機にトライ。家で濃茶の量やお湯の量を測って天目茶碗で実際にやってみました。実に難しい。一朝一夕には出来ない。教本にお濃茶一人3.75gと書いてありお湯はだいたい30ccらしい。その五倍の量18.75g。濃茶の小さい缶が20gとしておおよそ一缶分を一回で練らなければいけない。想像していた量よりはるかに多いではないか。何よりその量を象牙の茶杓で何杓になるかやってみたら掬う量にもよるが、34杓もなってしまった。お湯も差し通し一杓120ccだったので一杓ともう四分の一くらい要る。実際はそんなに杓子定規にしなくても目分量で、客により季節により、湯あいによりまた道具によるところがおおきいが、基準の感覚を自分の身体に持っておくことの大事さを改めて確認できました。修行修行!!
二の膳は次回パートⅡに。