アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

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ガニメデ支配 ガジェットのデパート

2014-11-12 23:04:07 | フィリップ・K・ディック
まだ本邦初訳がある!


ガニメデ支配 (創元SF文庫)  P.K.ディック&レイ・ネルスン共著 佐藤 龍雄訳 2014年発行

本が出たのは6月
今頃アップです

共著という場合
どうやって書いているのだろうと
読む前に余計な「思念」が邪魔をする
全体を通してディックが着想し主導しているとのこと
ところどころディックより整いすぎた感じのする部分があって
それはレイ・ネルソンが仕上げたからなのかと
思う部分もある
幻視現象兵器が作動しめくるめく幻覚が押し寄せてくる
その描写はとてもカラフルで輪郭がはっきりしている
(ガールスカウトの軍勢が、焼きすぎて石のように固くなった・・
・・シルクのイブニングドレスを着たおかまたちが・・
サディスティックな孔雀の軍団・・という描写部分など)
ディックはもっとありきたりのものが非現実となるような
渾然一体という境目のない混乱に陥れる
そういう過大評価をしてしまう

アルタードステイツのタンクを想像させる
感覚後退プール
この装置により崩壊(解放)させられた人格が
唯一兵器に対抗することが可能だという
ちゃんと起承転結を付けるための
展開があるところなどはディックらしからぬ気がしないでもないが

ガニメデ人はジャバ・ザ・ハットのイメージか
ジャバ・ザ・ハットにはちゃんと手があったような

翻訳が遅れたものはさすがに駄作(作品として未完成?)なんだろう
という思いを裏切って
なかなか面白く読むことができた


駄作こそが傑作!じゃなかったのか?

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