「神」はエントロピーを自在に操る者か

「ヴァリス」はエントロピーの法則に従わざるを得ない


「エントロピー入門」　杉本大一著　中公新書　1985年発行

もう一冊エントロピーについて入門書があった
一冊の本で理解できるものではない
しかし一冊でその意味を知ることができなければ
何冊読んでも理解はできないのかもしれない
何冊も買って理解しようと試みたが
私がどの分野のエントロピーの法則について知ろうとしているのかさえ
あやふやになっている

「神」はエントロピーの法則に従わず
閉じた系においてもエントロピーを減少させ
あるいは可逆可能性を現実に起こして時間をもどすことができるだろうか

マックスウェルの悪魔のような操作者が存在し
エントロピーを減少できるのだとすれば
それが「神」なのだろうかと短絡的に発想する程度の知識しかないのに
エントロピーについて語るのはおこがましい限りだ

マックスウェルの悪魔はエネルギーを操作する際に
情報によりその選別（エネルギーの大きさで振り分けるための）を行う
この時情報操作がエントロピーの増大をもたらしていて
マックスウェルの悪魔はエントロピーを減少させることはできないのだそうだ
分子が拡散し、ある時点でまったく可逆的に「時間を遡って」動き
拡散する前の分子の状態に戻ることは物理学上不可能ではないが
そのために膨大な量の情報（分子の元の位置情報）による操作が必要で
結局なエントロピーを増加させてしまう

もし「ヴァリス」が「神」だとしたら
それはまさに「巨大な情報量の操作」であり
大量にエントロピー増加させることになる
ならば「ヴァリス」は神たりえないのではないか

ただ「神」はそんなことに頓着しないだろうが