アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

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ディック邦訳作品は一応完結か

2010-11-04 21:36:03 | フィリップ・K・ディック
普通小説2冊 これでディックの邦訳作品の出版物はほぼ終了


「戦争が終り、世界の終りが始まった」“Confessions Of A Crap Artist”1975作品
飯田隆昭訳 晶文社 1985発行

ディック存命中に唯一出版された「普通小説」
1992年には「 バルジョーでいこう!」“Confessions d'un Barjo” としてフランスで映画化されている


「小さな場所で大騒ぎ」“Puttering About in a Small Land” 1985年作品
飯田隆昭訳 晶文社 1986年発行

「戦争が終わり、世界の終りが始まった!」の腰巻に「これが噂のリアル・ノベル!」とある
「小さな場所で大騒ぎの」のカバー裏解説でも「傑作リアル・ノベル第2弾」とある
同じ晶文社だから「第2弾」なのだろう

ディックの範疇は「SF」だから虚構ないし空想の物語になる
それに対して「普通小説」だから「現実」「リアル」何だろうか
ディックにとって「リアル」の対義語は何だろう
「もどき人間」「もどき空間」「もどき時間」が交錯して描かれる

ある意味ディックの「普通小説」は
それ自体が「もどき小説」で存在自体がディック的ではないか

「ティモシー・アーチャーの転生」こそ「主流小説」、日本だったら「純文学」の範疇にはいる
そういう気がするのは私だけだろうか


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