アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

グーグルの翻訳サービスの影にディックが隠れているのだろうか

2010-10-06 10:47:35 | フィリップ・K・ディック
「銀河の壺直し」 個人的にはこの混乱が好きだ


「銀河の壺直し」“Galactic Pot-Healer” 1969年作品
汀一弘訳 サンリオSF文庫 1983年

ディックの小説自体が一種の合成麻薬で
これは依存性が高く幻覚を見せるとともに
巧妙に操作され隠されていた現実のありのままの姿を露出させる
単純化すれば「真実を見せる」作用がある

「銀河の壺直し」はディックの神学の体系なのか
ディックの解体と再構築なのか

日本語への自動翻訳機が誤訳した言葉を
また別の言語に自動翻訳させ、そこから最初の言葉を言い当てる
このゲームの着想の面白さに惹かれたが
ここにも意味論への諧謔、変換され別の意味を持つべき言葉に置き換えられたものが
途中の無意味の意味が人間の遊びの行為の中で意味を見出される
メタ言語の遊びの意味するものは
それが信仰と同義ではないのか
神はそれ自身が存在意味であり
それから何を読み取っても最後は神があることのみによって意味づけられる
神は神であることで神であり、神でなくなるということはもともと神ではなかったものでしかない

グリマングによって試されているものは
グリマングを意識して試していることは

神がかりのディックではあるが
この小説では最後に「無」から自立した自己
精神を発見する物語であったように思う

ディックという麻薬に麻痺した頭で
勝手に書き記した意味不明な文章になってしまった
それもまたおもしろい
(完全に言い訳、自己弁護だ、そしても神もまた究極の自己弁護なのだろう)

私はこの物語にとても惹かれるものがあります

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