『ミッドウェイ』
山本五十六の映画を見たら、やはりここに来るか。
日米共同制作にはなっているけれど、完全にアメリカ側から描いた映画。日本人俳優 は何故か棒読みで、人間らしさが感じられないのだ。
比べてアメリカの軍人たちは精気に溢れている。感情移入するならこちらだが、大戦を描いた映画で連合軍に感情移入するのはやはり難しい。
山本五十六の映画では活き活きしていた人たちがまるで書割のような演技をするのが悲しく、どちらの視点で描くかで、こうも違ってしまうものなのか、その意味で、やはり見ておいて良かったのかもしれない。
『アルキメデスの大戦』
戦艦大和の最期を描き、何故そこに至ったかをフィクション混じりで描く。
山本五十六がまたしても登場、今度は舘ひろし、主役の数学天才者に菅田将暉、彼の相棒に柄本佑、悪徳造船会社の令嬢に浜辺美波。2019年の制作だが、いつになってもこの種の映画はなくならないなあ。男はやっぱり戦争に美を見出すものなのか。彼の数学的天才度にはただもう口あんぐりだが、そんな努力も一切無駄になってしまう結末が待っている。
ここで描かれる山本五十六はある意味腹黒い。
天才も無力となる時代のうねり、それを止めるのは難しいのかもしれない。