或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

お国事情に理解を

2005年10月21日 | ハンガリー(役立ちメモ)
どんなに華やかなショッピングモールやアウトレットモールがオープンしようと、
世界遺産に登録された美しい景色が広がり観光客で溢れ返る雅な世界であろうと、
体制が変わったからといって、お国柄が一気に変化するということはありません。
人々は淡々と、これまで通りの生活を送るまでなのです。

今回、明記したいのは、観光客として得るハンガリーのイメージの美しさ・華やかさ
だけで、生活は送れません。住めば都と言う通り、私もいまやハンガリー人と同じ
ようにブダペストを愛し、プラス面だけを伝えたいと思います。が、日本から来て
「なんで?」という事態に次々遭遇することも確かで、不便や不都合を少しは覚悟
しておくと気持ちがラクですよ、という話。

「西ヨーロッパ」と呼ばれた国々に抱く先進的イメージに引きづられ、「東欧」と
呼ばれた国でもEUの一員であり、もはや開かれた社会に違いない、と日本で暮ら
してきた通りに物事が進むと期待してはいけないということです。

資本主義圏にもありますが、より複雑に根付いているのはコネ社会です。社会主義
時代の名残りといっていいでしょう。公平性・公共性への配慮やモラルなどの向上
は進んでいないのが現実です。また、分野に関わらず法律などはハンガリー人自身
も知らない程、突然と変わることも珍しくなく、弁護士事務所から派遣された人物と
同行していてさえスムーズに運びません。ビザ申請や滞在許可証申請で手間取るの
も極めて普通。

公的機関での事務処理、金融機関や通信会社への申請書類など、日々発生する諸々
の手続きは「身内に優しく他人に冷たい」なかで進みます。役所を訪ね3時間並び、
窓口についたら「この列ではありません」だとか「書類が足らない、翌日また来る
ように」と言われたなど「なんだよ、それ!」と怒り出したくなるような出来事は
日常茶飯事であり、そのことで外国人同士、時にハンガリー人も混じってブツブツ
こぼしあうほどなのです。そして決まって「That’s Hungary」と慰めあいます。

役所に限らず一般企業、商店であっても、日本のような「お客様は神様」「時は金
なり」といったきめ細かいサービスと迅速さなど望むべくもないのです。前に何人
並んでいようが担当者は黙ってトイレにも行けば食事もとる。又、私用電話や隣の
係員、あるいは知り合いの訪問者と延々私語に興じるのも珍しくもない光景です。

インターネットが身近なものになった日本と違い、個人用パソコンやネット接続
環境が自宅に整っているひとは一握り。外国人向けに英語の解説・説明もない。
携帯電話を持ちたくても手続きが煩雑で直ぐには持てない。(プリペイド式だと
比較的簡単にもてるので、私はコレを使用中。)

アメリカや日本から来た妻たちが最も反感を持つのは、生活のベースを作る時期に
様々な手続きがうまく行かず、なかなか普段の暮らしを築けない点です。「時間も
労力も覚悟のうえ」で暮らせるようになった先輩主婦たちは、「そんなにプリプリ
してもしょうがないものはしょうがないのよ」と至ってクール。

「この人たち、何か特別な方法で上手いことやったのじゃないか?」と思うかも
しれませんが、涼しい顔をしている先輩主婦たちも間違いなく通った茨の道。
あなたもいつか「そんなこともあったわ」と新しく来たひとの怒りに優しく耳を
傾け励ます時がきます。それまでめげないこと。頑張ってくださいね。


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