墓石クリーニングの女

お墓と向き合うことで『大切なもの』を日々感じながら、あつく生きる女…それが、アタシ。

困難案件こんなんなりました~~!!(無茶振り地獄の巻)

2015年01月21日 | 仕事
昨日の現場です。

クリーニングは、いつも通りですが、古い天保2年のお墓の傷みが激しく、どうにかならないかとご相談がありました。

お客様は、そのお寺の指定石材店である石屋さん数件にご相談されたそうですが、残念ながら建て替えをお勧めしますと言われたそうです。
確かに、大きくひび割れし、今にも崩れ落ちそうな墓石を触るだけで恐ろしいですね。



こうなってしまうと、石が剥がれ落ちて粉々になる日も時間の問題ですし、延命するにも難しいと思います。

が!!!!!

社長は施主様の困り果てたお顔を見て「なんとかしましょう!!」と言っちまったんですね~~

いつもの、無茶振り大作戦です。(無茶振り過去最高例・・・六地蔵修復作業~仏師様の気持ち

ま、あきねえ便りや、たけしょうの実績を見て白羽の矢が立ったのですから、やるしかありません。

近くで立て込み工事をしている石屋さんも、通るたびにチラチラ見ていきます。
和尚さんも何度も見に来ます。
ご依頼を下さった石屋さんも、不安げに見守ります。

自信たっぷりな様子で作業に入る私。
石川くんに「剥がすのはリスクが大きすぎます。」と言われたけど、「剥離した石の隙間に、崩れコナ状になった石が詰まっている以上、剥がさない限り接着もないよ。』と、強気な私。

本当は、「誰がこんな困難案件とったんだよ~~~!!」と、泣きたい気持ちでした。







こうして、剥離しているところは思い切って剥がし、崩れた石も大事に取っておきます。
私が細かい部品を優しく洗っている間に、石川氏が本体の洗浄。
弱くなって崩れ落ちてしまうものは、除去するしかありません。
六地蔵の復元作業に比べたら、なんてことないさ!!

綺麗になって、乾いたら接着。
包帯を巻いて、圧をかけ、しっかりくっつけます。
1センチほど空いていた亀裂が、少しでも密着するように、祈るしかない・・・



1日置いて、剥がしてみると・・・いいじゃん!!

ホッとしました。

残りの亀裂には、接着剤を入れ、その後、パテを使って穴埋め、整形をしました。
多少、段差はごめんなさい。





完全乾燥してから、石の模様を描いていきます。

続きは、次回。

さて、次は、竿石の角を作ります。





こんなの、簡単さ~~!!

三つ目のリペアは、ちと難しい。
渦巻きの成型です。
左の渦巻きから、型紙をとって、パテを削っていきます。
古い香炉なので、あんまり綺麗すぎず、それなりに・・・面白いじゃん!
彫刻刀なんかもつかって、昨年習った木彫りの技も使えるぞ!!

洗浄前  右の渦巻きは存在しません。頭の中で想像。


洗浄後  智美が頑張りました!古いから、激変はなし。


型紙を合わせる


だいたい整形


仕上げとお絵描き



以上、あとは、残った外柵のクリーニングをして全てをコーティングしたら完了です。

施主さんが、この古いお墓にこだわり、交換じゃなく修理して延命化したいと思った気持ち、私にはよく位わかります。

竿石の横には達筆な手書きの詩が彫刻されていて、苔やカビがなくなったことで、読めるようになりました。

でも、なんて書いてある?と聞かれても、達筆すぎて読めなかった~~~!!!


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